『カフカと強さと弱さ』(7)「カフカの強さ」 | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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◆カフカの強さ

「カフカの作品の中には、強さと弱さ……全く独特な調子で浸透し合っている」(ブロート E)

「まず最初に目につくのは弱さ」だが、
強さは、弱さとともに、カフカの重要な特徴である。

カフカの恋人のミレナはこう書いている。
「あの人は本当にいつでも、罪のある人間、弱い人間だと考えるのです。
 そうは言っても、あの人ほどものすごい力を持っている人間は他にはいないのです。
 あの完全性、純粋性、真実を絶対的に、論駁の余地を残さず必要とする人は他にはないのです」
(E)

カフカの強さは、
絶対的なものを求めて、
どんなことがあっても決して妥協しないところにある。
これほどの強さを持つ人間はほとんど考えられないほどだ。