Twitterで「カフカ」で検索すると、
カフカに関するいろんな感想が見られて、
とても面白いです。
難解という人、
笑えるという人、
解釈ばかり気にしている人、
『変身』ついて「妹萌え」という意見もあって、
びっくりしました(^_^;)
でも、検索していて、
いちばん意外だったのは、
私なんかは、
カフカと言えば、フランツ・カフカなのですが、
一般的にはそうでもない、ということです。
まず、カフカでいちばん多いのは、
村上春樹の『海辺のカフカ』です。
これをたんに「カフカ」と呼ぶ人がとても多いです。
だから、
「カフカ、読んでます」とか、
「カフカに感動した」とかは、
海辺なのか、フランツなのか、
区別がつきません。
『海辺のカフカ』の読者の中には、
「カフカっていう人が実在するんだね」
という人も少なくないようです。
それでも、
今、フランツ・カフカを知っている人がこれだけ多いのは、
池内紀先生が熱心に紹介され続けたことと、
村上春樹の『海辺のカフカ』のおかげではないかと思います。
さらに、もっと別のカフカも存在します。
Twitterで、たとえばこんな引用があったりしました。
「もしも君が変わってしまっても
僕は君をずっと守りたいんだよ
もしも僕が変わってしまったら
君はせめて僕のことを忘れないでいてね【カフカ】」
最初は戸惑いました。
カフカの言葉をすべて把握しているとは言えませんが、
これはどうしたって、カフカが言いそうなことではありません。
どう超訳しても、こうはならないでしょう。
これは、カフカというバンドがあって、
その歌詞の引用らしいです。
カフカ OFFICIAL WEBSITE
「カフカ、泣ける」というようなのは、
だいたい、このバンドのカフカのことですね。
それに気づくまで、
「今、カフカを聴いてます」というのは、
朗読のことかと思ってました(^^ゞ
さらに、
カフカの言葉ではなく、
バンドのカフカの言葉とも思えない、
カフカの言葉というのもあります。
これはTwitterで、
カフカという名前で、
詩のようなものを書いている方がおられるようです。
熱狂的な女性のファンがついていて、
「カフカの言葉は神」
というようなのは、
だいたい、この日本人のカフカさんのことです。
この方以外にも、
カフカを名乗っている方は、
何人もおられるようです。
というわけで、
Twitter上には、
たくさんのカフカが存在します。
これも、
カフカ人気があればこそで、
喜ばしいことです。
映画や演劇などにも、
カフカをテーマにしたり、
取り入れたりしたものが多数あるようです。
最近の「恋の罪」という映画にも、
カフカの『城』が関係しているとか。
以前から、
カフカはこんなに人気なのでしょうか?
それとも、
最近、カフカを読む人が増えてきたのでしょうか?
私はこれからカフカがますます読まれるべきと思っていますが、
自然とそうなってきているのなら、
嬉しいことです。