朗読・小泉節子「思ひ出の記」なんぼ面白いです! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

「絶望名人カフカ」頭木ブログ

『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

小泉八雲の夫人の
小泉節子さんの
「思ひ出の記」
最近、朗読で少しずつ聞いています。

これがとても面白いです。

小さな小さなラジオ放送局

とてもいい場所を見つけたと八雲が言うので、
夫人がついて行くと、
ちょっと小高いだけで、
何も見るものはなく、
あたりはただ薄暗いだけ。
いったい何かと思ったら、
八雲は耳を指さして、
「なんぼ面白いでしょう。いかに楽しいでしょう」
周囲の田んぼの中で、
たくさんのカエルたちが鳴いていたのです。

西洋化していく日本への八雲の苛立ち、
執筆時にはその世界に入ってしまうエピソードなど、
いろいろ興味深いです。

こういう人だったのかという驚きもあり、
あらためて小泉八雲を読んでみたくなりました。

これはたぶん、
文章で読むより、耳で聞くほうが、
より心にしみると思います。
無料で聞かせてもらえるのですから、
ありがたいことです。
朗読して録音するって、
かなり大変だろうと思うのですが。