取材3日目!突然のキャンセルも | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

東京での3日間の取材。
最後の11月10日は、
もともと予備の日でした。

部屋の片づけのためにとってあった日で、
もし取材が入るようなら、
その日でも可能です、ということで。

ありがたいことに取材が入り、
その前に、
まずは飛鳥新社の社長さんにご挨拶にうかがいました。

飛鳥新社は、私はじつは、倉庫のほうには、
ずいぶん以前に、通っていたことがあります。
その話は、また別のときにしたいと思います。

ともかく、倉庫にはなじみがあっても、
本社のほうは初めてでした。
まさか、本社のほうでお世話になろうとは思いませんでした。

社長さんは、とても気さくで、
とてもパワフルな方でした。
今回の本にとても力を入れてくださっていて、
価値を認めてくださっていました。
本当にありがたいことです。

営業の担当者の方や、
印刷所の方にも、
ご挨拶させていただきました。


そして、まず1件目の取材に。
夕刊Fです。
取材していただけるとは意外でした。
ここでも熱心にお話を聞いていただけました。


そして、次は、
ラジオの1時間番組の収録があるはずでした。
ところが、これはキャンセルになりました。

ディレクターの方までOKが出ていたそうなのですが、
パーソナリティの方が、
「私はネガティブなのはイヤだ」と強く反対されて、
それでダメになったとか。

まあ、そういう反応はあるだろうな、と思っていました。
むしろ、そういうほうが多いと思っていたので、
他での歓迎や理解のほうが意外だったくらいです。

しかし、ポジティブなものだけでやっていける、
このパーソナリティの方は、強いし、幸せだなと思います。
うらやましい気もします。

以前、ある大企業のエリートの方と話していたとき、
「なぜだかわからないけど気分が暗くて、
 自分が何に悩んでいるのか、自分でもよくわからない人もいる」
という話をしたら、
腹を抱えて笑って、
「自分で自分の悩みがわからない人なんて、いないでしょ!
『出世できない』とか『浮気された』とか、
 悩みっていうのは、ハッキリしてるもんですよ!」
と断言されました。

そのときも、「この人は、なんて幸せな人なんだ」と
ビックリしたものです。


少し空き時間ができたので、個人的に、人とお会いました。
私の1冊目の本のときから、
ずっと私のホームページに書き込みをしてくれて、
今回、Twitterやブログを始めたときにも、
すぐに気づいてくれて、
安部ねりさんの放送を私が録音しそこねたときも、
聞かせてくださった、ありがたい方です。
お会いするのは初めてでしたが、
12年前の本を評価してくださった方にしては、
とても若くて驚きました。
よほど若いときに、1冊目を気に入ってくださったということで、
驚きです。
短い時間で申し訳なかったのですが、
カフカや安部公房の話をしたりして、楽しかったです。


さて、夜は、
担当の編集者さんと、食事をしました。
久しぶりにお会いして(ずっと電話やメールだったので)、
あれこれとお話しできて、とても楽しい時間でした。
また詳しく書きますが、この方がいなければ今回の本はありません。
大恩人です。

この編集者さんも、私も、
つい暗い予想をしがちで、
「この本を出せないかも……」
「企画が通らないかも……」
「タイトルのOKが出ないかも……」
「装幀にOKが出ないかも……」
「宣伝してもらえないかも……」
「売れないかも……」
とことごくと悲観的な予想をしながら、
いっしょに本を作ってきました。

結果的には、暗い予想はすべて外れて、
びっくりするほどスムーズに、
願っていた通りの本を作ることができ、
こうして、たくさんの取材を受けるに至っています。

いやー、本当に夢のようです。


今回の取材で、ずっと同行してくださった、
Iさんも、すごくいい方でした。
いろいろと共通点が多く、
移動中の話もとても興味深かったです。
ずっとおつきあいしたい方です。

こういう方に出会えるというのも、
本当に今回は、
人に恵まれているなーと、
しみじみ思います。

なぜこんなにも人に恵まれたのか、
不思議で仕方ないほどです。

だからこそ、
本来ならほとんど注目されないはずの私のカフカの本で、
取材を受けたりもできるほど、
うまくいったのでしょう。


という次第で、
今回の東京での取材、
夢のような3日間は終わりました。