取材の記事の原稿が、ひとつ届きました! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

取材の記事の原稿が、ひとつ届きました。
掲載前に、確認してください、とのことです。

見てみると、
自分のセリフの中に、
言っていないことがけっこうあります。

こういうのを怒る人もいるそうです。
「自分はこんなことは言っていない!」と。

その気持ちもわかります。
私も「う~ん」となりました。

ただ、自分が言ったことがそのまま載るだけなら、
それこそ、ブログなどでいいわけで、
取材というのは、
取材してくださった方が、
こちらの本をどう読んだのか、
こちらの話をどう聞いたのか、
それが混じってくるものだと思います。

両者が混じるところが、
取材の醍醐味かなと。

私は取材を受けているとき、
同じ質問に対しては、
同じ答えをしていました。
途中で、
「これじゃあ、どこも同じ記事になってマズイかな?」
と心配になりました。
かといって、ぜんぜんちがうことを答えるわけにもいかず……。
でも、
「きっと、記者さんの切り口によって、
 ぜんぜん別のものになるだろう」
と思って、考えすぎずに、
あとは相手にまかせるつもりで受け答えしました。

やっぱり、それでよかったようです。
取材ごとに、きっと私はちがうことを言っているでしょう。
人格も多少ちがって感じられるかもしれません。

それもまた面白いですね。

まだひとつ目なので、
他の取材がどんなふうになるのか、
これから楽しみです。