教師を目指すことにしたのはいいけど、教員採用試験の勉強にやる気が出なかった。どうしても楽に稼げるパチスロをしにホールへ足が赴く。名古屋と神戸の遠距離なのでばれないだろうと言うのもあった。本当にどうしようもないクズ人間だ。
彼女は電話が好きで、毎日仕事終わりになると最寄りの駅から彼女の家までの帰り道に電話がかかってくる。仕事が終わる時間によるので、電話が何時にかかってくるか分からないから19時には犬のように家で待機して電話を待っていた。「今日は何してたん?」と聞かれると毎回嘘をついていた。なのでその年の教員採用試験はもちろん死亡したのである。彼女には次があるから頑張ってと励まされた。
彼女と付き合ってから2週間に1回は旅行に出かけていた。彼女に日払いのバイトしかしてないのに何でそんなお金の羽振りがいいのか聞かれたが、大学時代に貯金をしていたからとまたまた嘘をついていた。
2011年3月11日。東日本大震災があった日
。自分は朝から呑気にパチンコを打っていた。牙狼のレッドレクイエムという台で初当たりが恐ろしいほど連チャンし、約5万発出ている途中に大きな揺れを感じた。あまりに恐くなったので確変中だったが隣のおじいちゃんにあげて、すぐ交換して外に出て、車の中でテレビをつけた。そこにはおそろしい光景が目に映ったことを今でも忘れない。
東日本大震災が起こった日から、恐くなってパチンコ屋に行くことを辞めた。自分の最後の日を想像したから。そして、この年の4月からある中学校の非常勤講師として働き始めるのだった。
続く。。。