いまはむかし | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

夫と一緒に母校の学園祭に行ってきました。

私たちの知り合ったところ。

訪れるのは本当に久しぶり。

最後に足を踏み入れたのは30代のころに

資格試験のために成績証明書を取ったとき。

その時は大規模改装工事中で、

大学というよりなんだか要塞みたいだった。

完成形をちゃんと見たいと思っていたのに、

実際目にするまでに長い時間が過ぎました。

 

引っ越してきて近くなったので夫とも

「中見てみたいよね」と言っていたのだけれど。

今どきの学校はセキュリティが

しっかりしているのですね。

あてもなくふらっと行っても門前払い。

まあでもその方が安心だもんね、

学祭の時にでも行ってみればいいよね、

なんて言っていたのに去年までは

学祭はコロナで在学生のみでの開催、

一部リモートのウェブ開催という状況でした。

 

それが今年のお知らせでは一般のお客さんを

入れるとのこと、但し事前にネットで要予約。

よし、久しぶりの母校訪問してみよう!

となって予約をしましたら。

今どきのこういうシステム、分かっていたけど

入場時に携帯の画面で認証なんですよね……。

今回は夫のサブ機で事なきを得たけれど、

もういよいよ「携帯不所持に人権ナシ」感が

我が身にひしひしと感じられます。

携帯は一人一台持っていること前提で

社会は動いているのですね。

大学を卒業したのは30年前、そのころはまだ

携帯電話は学生には贅沢な品物でした。

そう考えると隔世の感がありますね。

 

夫と私が知り合ったのは10代の終わり。

それからずっと一緒にいて、

学生時代の思い出の共有率はとても高い。

当然共通の友人も学生時代の知り合いが多く。

良くも悪くも若いときの気持ちが

ふたりの間で新鮮なまま保たれてしまっている。

子供がいないのも若干関係があるのかも。

時にはちゃんと「時が過ぎていますショック」を

受けて自分たちの立ち位置を自覚しないと、

本当に痛くて困ったおじいさんとおばあさんに

なってしまいそう。

気を付けないと。

 

そんなおばあさんな気持ちで若い子の祭典に

お邪魔しました。

気温の高めな気持ちのいい秋の快晴。

チェックゲートの直前で夫に予約画面を

表示された携帯を渡されます。

……いつも思うけれど携帯電話って重いなあ。

この重さが外出時の荷物に常にプラスされる

ことも、私が携帯を持ちたくない要素の

結構大きなひとつかも。

画面を係の学生さんに確認してもらって

構内に入ると中はとても賑やか。

 

ステージからは音楽が聞こえるし、

催しや屋台の呼び込みもとっても元気。

なんとなく学祭に一生懸命になるような

テンションって今の学生さんたちには

あるのかな?

学祭なんて寂れていく文化なんじゃない?

なんて思っていたのですけれど、

そうじゃない子たちもいるのですね。

というかみんな人当たりがとってもよくて、

多分私たち自身が学生だったときよりも

うーんと感じがいい気がする。

それともこれも老人の目で見るからなのかしら?

最近若い子はみんなかわいい。

一生懸命な学生ちゃんたちはとてもめんこい。

途中うっかり関係者以外立ち入り禁止エリアに

侵入してしまったときに声をかけてきた子も

すごく感じよく誘導してくれて、

そのスマートさにほとほと感心しました。

今どきの若い人たち、洗練されているなあ。

 

母校なのに迷ってしまったのはなにもかも

すっかり建て直してしまったから。

建物のレイアウトも違って、私たちが

通っていたころの面影はどこにもありません。

かなり古くておどろおどろしい校舎だったので、

今の明るくて清潔で機能的な建築のほうが

圧倒的によいです。

昔時間が空けばみんなが溜まっていた

サークルの部室なんて、その不潔さ故

今だったら足を踏み入れるのさえ躊躇しそう。

昭和の終わりは公衆衛生観念も

随分違ったんだなーとしみじみします。

 

教授になっている元同僚を訪ねたら、

案内に出てくる学科の窓口の若い職員さんも

めちゃくちゃ親切で優しい。

もう本当に若者たちの人当たりの良さと

コミュニケーション能力の高さがスゴイ。

肝心の元同僚は先生自ら作品になっていて、

うんうん母校に来たなという感じです。

まさかの実写でチェキのシールとして

商品化までされていてたまげました。

知り合いが学生に愛されていてほっこりします。

 

肝心の学生たちの作品展も見ましたが、

これに関していい感想が出てこないのは

私たちが年を取ったからなのかな?

私たちの時もこんな感じだったのかな?

今のモードをまっさらな視点で楽しめないのが

年寄りのダメなところなのかもしれませんね。

 

考えてみれば3年生以下の学生たちにとっては

これが初めて外部からお客さんを入れた学祭。

先程誘導してくれた学生さんも

「こんなに人が来てくれてびっくりしました」

と嬉しそうに話してくれました。

よく友人とも話題になりますが、

このコロナで本当に若い人たちは気の毒。

いちばんいろいろなことを好きなように試せる

時期をたくさんの制約に縛られている。

早く若い子たちが憂いなく若い時間を謳歌できる

日が来てほしいと痛感した母校訪問でした。

 


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