いとこ同士 | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

常夏の国に住む従姉妹のTちゃんから

一時帰国の連絡が来ました。

コロナの影響で帰ってくるのは久しぶり。

「かのこちゃんちの近所に用事があるの。

都合がよければ会わない?」

もちろん!喜んで!

 

その日はご無沙汰していた両親と弟までも

Tちゃんに会うために我が家に参集。

現れたTちゃんの背中にはラケットと大荷物。

ラケット?

「友達とバトミントンしてランチだったの。

そこで美味しそうな塩大福あったからはいこれ。

あ、叔父ちゃんはあんこ嫌いだったよね、

だからみたらし団子がひとつ入ってる」

ええー、父と会うのは久しぶりのはずなのに、

驚異の記憶力、すごいなー。

ていうか、一時帰国中にもしっかりバトミントン。

流石です、男前すぎ。

「途中で友達がデパートの洋服売り場で働いてる

情報貰って、会ってきたから遅くなっちゃった」

今日の用事はこれが3つ目なのね、

タフネス……。

 

Tちゃんは私よりもひとつ年上。

子供のころは住んでいるところが近かったので、

夏休みなどはお互いの家に泊まったり、

一緒に家族旅行に出かけたりも。

子供の時から賢くて優しくて楽しくて、

私にとってはおねえちゃんみたいな人。

そんなふうでいちばん近しい従姉妹でした。

大人になってからは会うのは数年に一度くらい。

それでも小さな時から知っている人というのは、

時間のブランクを飛び越えさせるなにかがある。

うんとご無沙汰していてもあっという間に

昔に戻って、昨日の続きのように話せる不思議。

 

「叔父ちゃんおばちゃんもお変わりなく。

ふたりともホントに変わらなくて若ーい」

と両親をいい気持ちにさせてくれて、

ふたりはにこにこです。

かわいい姪っ子が訪ねてきてくれるのって、

きっととっても嬉しいことなんでしょうね。

50手前の弟に向かっては

「Kくん久しぶり!相変わらずかわいい!」

と言い切って弟を照れさせています。

もう完全にTちゃんペース、手練れ感がすごい。

 

「あ、それでね、お土産。

コレこの間シドニーのマラソン大会に出たの。

かのこちゃん紅茶派だよね?」

えと、情報量が多すぎなのよ。

マラソン?出た?しかもシドニー?

「うん、私は10kmだけどTさんはフル走って

サブフォー達成して喜んでるの」

ご夫婦そろってご立派すぎ……。

「これはね、ベトナムのドライフルーツ、

ヘルシーだから良心が痛まないやつ。

これはね、今はまってるトリュフポテチ、

ヘルシーじゃなくて良心が痛むやつ。

これはポテチのお供ビール。

これは近所のパイナップルケーキ。

これはね、インド人の友達が教えてくれた

カレー、鶏肉入れるだけでお店レベル。

これもインドの友達が教えてくれた石鹸。

こっちの友人からのリピートリクエストが

いちばん多いやつ。

これで身体洗うと中年のおやじ臭も老人臭も

若い男子の青春の香りもちゃんと消えるの。

実家の両親も愛用してるよ」

次々に言葉と品物が飛び出してきて

その口上の巧みさにみんなで大笑い。

Tちゃん、ジャ〇ネットのT社長の後取れそう。

絶対に営業成績よさそう。

テーブルの上に異国の産物が山と積まれて、

一方Tちゃんの荷物はしゅるしゅると

小さくなりました。

というかいつもお土産の規模が大きすぎよ。

いったいどんな大量の荷物と共に

帰ってきているの?

「んー日本から戻るときの方が大荷物だから

ついつい向こうからもぱんぱんにしてきちゃう」

分かるけどその細腕で超重いスーツケース

引きずってるところ、想像できない。

 

一緒に食事をしながらも思い出話とお互いの

近況についての話に花が咲いて。

お正月の親戚一同のTちゃんちでの集い、

子供には楽しかったけどSおばちゃんには

今考えると地獄のような忙しさだったよね?

「うん地方からの叔父一家が泊りつつの

おせち料理同時進行でしょ。

その買い出しもすごい大量で大変だった」

子供のころは分かってなかったからなー。

私は結構休みの期間に預かってもらったし。

おばちゃんには足を向けて寝られない。

「でも楽しかったよねー。最年長のMちゃんが

みんなを楽しく安全に遊ばせてくれて」

そうなのよ、いとこたちはみんな優しかったね。

長らくご無沙汰のいとこたちもいるけど、

次に会えるのはいつどんな時なんだろう?

 

お喋りが全然絶えなくて、弟がTちゃんを車で

送ることにして私もそこに乗り込んで、

熟女たちのお喋り延長戦。

「あ、今朝この橋渡ってあっちまでぐるっと

走ってきたの~」

それ、かなりの距離じゃない?

ひとりでもみっちりトレーニング?

「うーん10kmはないと思う。

それと『ちゃんと走ってる?』って

Tさんからチェックが入るの、ははは」

その夫チェックに応えられるTちゃんが

かっこよすぎなのよ……。

 

物心がつく前から知っていて、

でも近年は頻繁に会うわけでもなくて。

会うたびに新しい「知らなかった!」の

発見がありつつ安心感もあって。

この感覚に「血縁」が関係あるのか

どうかはわからないけれど、

昔馴染みって独特にいいものだなと

しみじみ思った一日でした。

 


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