ひなみそ | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

干し肉に続いて味噌に挑戦しようと思い立ったのが2月。

美味しい食材屋さんの特売日を待って大豆を1㎏入手しました。

 

「あれ、かのこさんお味噌仕込むの?」

そうなの、初めてだけど上手くいくかな?

「ウチのお客さんでも自家製味噌やってる人多いですよ。

失敗した話はあんまり聞かないから大丈夫よー」

そうだといいんですけどね、でも楽しみ。

「で、麹は?注文になるんですけど」

あ、ここでも頼めるならそれはいい麹でしょうとも、お願いします。

「頼んでから仕込むから2週間かかるけどいいですか?」

え、受注生産制なんですか?

寒くなくなっちゃうのがちょっと不安だけれど、

どうせならいい材料で作りたいしいいかな。

「米?麦?」

あー、初心者だけど麦味噌が好きなので麦で、って無謀ですかね?

「そんなことないと思いますよ、じゃあ発注かけておきますね」

 

帰ってすぐに大豆を戻す気満々だった気持ちは削がれたけれど、

麦麹を待つ楽しみが増えました。

その間に我が家にある道具類が間に合うものなのかをチェック。

なんと言っても保存容器。

理想は陶器の味噌甕だけれどなかなか高価だし重いし、

一度試して毎年作る目途が立ってから導入したいかも。

代用品は現在お米の保管用に使っている容器がちょうどよさそう。

ということでお米は空のペットボトルに引っ越してもらうことに。

いちばん大きな鍋でなんとか大豆1㎏は煮られそう。

いちばん大きなボウルで材料すべてを混ぜられるかは非常に微妙。

ダメだったら分割するしかないかな?

大量の茹でた大豆をつぶす作業は考えただけでも大変そう。

ウチのすり鉢では埒が明かないだろうから、

風情がないけどビニール袋に入れてうどんのように踏むしか。

 

そんなことをもにょもにょ楽しく考えながら2週間、

麦麹がやってきました。

本当はこの穀物に麹菌を植え付けるところからやってみたくて、

色々調べてみたのですけれど(ネットは便利)。

温度管理がめちゃくちゃシビアそうで、

ずぼらな私には無理っぽいな麹菌殺しちゃうなと諦めました。

でもそもそもお味噌って昔は各家庭で作っていたものですよね?

そんなに匠の技が必要な工程が入るかな?

もうちょっとお勉強して準備して

来年は麹菌を麦と合体させるところからやってみたいと思うけれど、菌の世界も嵌ったら戻れなくなりそうで怖い(楽しそう)。

 

とりあえず今年は大人しく。

大豆を一晩かけて戻して翌日大鍋で静かにゆっくり茹でて。

その間に麦麹と塩をよくよく混ぜて。

大量の大豆をムラなく潰すのが思った通り結構難儀。

そもそも1㎏もの大豆を茹でるのが初めてで分かっていたけど、量!

凄い分量、そしてもちろん重い。

二重にした大きなビニール袋に入れて最初は上品ぶって

麺棒でもきゅもきゅ叩いてみたけれど。

こんなちまちまやってられるか!終わりが見えないんじゃ!

ということであっさり宗旨替えして足踏み方式にチェンジ。

これも油断すると豆の圧でビニールが破れるので慎重に。

なんだかんだ1時間ほど豆の上をぐるぐる回っていました(疲)。

 

無事潰した大豆と混ぜた麦麹と塩が特大ボウルに納まって、

ひたすら混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ。

結構粉物を練っている方だと思いますが、

こんなに大量の食材の扱いは多分初めてで。

量がとても増えるとまた違った大変さも出てくるものなのですね。

もっと手が大きかったらいいのになって思いました。

 

しっかり混ざったところで味噌玉にして容器に投入。

これがやりたかったんです。

空気を入れないように容器に味噌玉を投げつけると聞いていて、

なにそれ楽しそう!と思っていたのに。

最初は円柱縦長プラ容器が順調に味噌玉で埋まっていって。

調子に乗って「とうっ!」と投げたら床にぐしゃあ……ってアレ?

「ちょっと、なにしてるの?

その距離で外すとか、コントロールの悪さも大概」

通りかかった夫が大爆笑するほど味噌の赤ちゃんが床に散乱。

違うのあのね、容器の隙間ができないように隅を狙うせいだから!

「それにしても酷いよ?片手を容器に添えるとかしないと、

身体の軸がぶれて的を外すのよ」

なぜか投球フォームのダメ出しが始まりました……。

泣きながら床に触れていない味噌になる予定のものを救出し、

気を取り直して玉投げ再開。

この後もう一度ぐしゃあ事件が起ったのはここだけの話。

 

目算通り容器の上数センチを余して材料がすべて納まりました。

蓋をする方法も様々あるようですが今回は板酒粕を張るのを採用。

途中数回隙間ができていないか確認して、追加で張りました。

これであとは放置するだけ、上手くできるかは神のみぞ知る。

冬くらいになるでしょうけれど味噌開きが楽しみです。

本当はもっと早くに準備して寒仕込みにしたかったけれど、

3月に仕込む例もないわけではないしまあよし。

ちょうど準備していた時にお雛さまが出ていたので、

私の初めての自家製味噌の名前は「ひなみそ」。

美味しくなりますようにとお雛さまにも頼んでおきました。

 


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