からいものとなまもの | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

タイ料理が大好きです。

特に夫は「オレの前世はタイ人!」と言うほど。

 

なので住む場所が変わるたびに近所でネイティブが営業する

お気に入りのお店を見つけてはよく通いました。

夏になると自宅でもタイカレーやガパオやヤムウンセンは定番。

おうちで作ればパクチーが山盛りにできる♪

男性は見慣れない食事に保守的な人が多いので、

マニアックな料理に喜んで付き合う夫でよかったと私は思いましたし、

夫はどんなに怪しい雰囲気のお店にも食欲に勝てずに突入する私を

「胃袋の相性がいいよね!」と喜んでいました。

それなのに。

 

数年前から私が辛いものにめっきり弱くなりました。

食べた後に必ずお腹を壊すように。

もともと特別辛いものに強いわけではなかったけれど、

標準的なものは喜んで美味しくいただける身体だったのに。

食後の不調のみならず、辛さに対する耐性もがくんと落ちました。

美味しいと思えない、というか辛さが辛い(からさがつらい)。

タイ料理だけでなく、愛するガチンコ四川料理もアウト。

 

ちょうど筋腫で体調が悪くなり始めたころからでした。

その時は介護もあって睡眠時間も極端に短かったので、

理由は筋腫だけではなかったとは思います。

全般的に体調が悪かった。

元気がないからこそ好きなものを食べて幸せな気分になりたいのに。

ご飯の選択肢が減って悲しい……。

 

がっかりすることは続いてお刺身が食べられなくもなりました。

辛いものと同じ反応で、そうなると食べたい気持ちもちょっと減る。

自宅でのお刺身は夫だけに出していましたが。

見るとやっぱり食べたいなー、ひとくちちょうだい?

「いいよ、好きなだけお食べ」

ううん、ひとつでいいの。

……美味しい……美味しいお魚は正義……、

と舌は感じていてもそんなつつましやかな量でも、

翌日お腹に事件が起こってしまう。

たったひと切れのマグロにものすごい敗北感を味わいました。

こうしてどんどん生のお魚から(私だけ)足が遠ざかっていって。

大好きな青魚を酢や昆布で〆てもただ見ているだけ。

なんじゃこの理不尽な片思いのような状態はと切なかったです。

 

先月、多分私のお腹事情に遠慮していた夫が

久しぶりにタイ料理屋さんに行きたいと言いだしました。

猛暑が妻への配慮に勝ったのですね……分かります……。

それになんだか私もタイ料理食べたい気分かも、暑いから?

「へえ?珍しいね。じゃあ行ってみよう」(←嬉しそう)

そこで出かけたいつものお店、食べると美味しい!美味しいよ!

でも以前よりもパンチが弱いような?

料理しているのは変わらずタイ人の同じママだし、

客層も相変わらず国籍カオスのディープ度。

ねえねえ、なんだか普段ほど辛くないような気がするんだけど?

「え?そんなことないよ。ちゃんと辛いよ」

そうなんだ?ちょっとは辛さの耐性が復活したのかなー?

 

そんな嬉しい食事の少し後で、運命の出会い。

いつものお魚屋さんに見目麗しいカワハギがいるー!

あぁお腹がぴちぴちに張っている、あなたいい肝持ってるでしょ……。

「あ、今日のカワハギいいよー、好きでしょ」

好き好き大好き……だけど大丈夫かな……。

まあ夫も好物だし困らないかと奮発して1匹まるっと買って帰って。

内臓嫌いの私が唯一生食する肝も神経締めが上手いのかブリブリで、

普段は炊かない真っ白なご飯と一緒に美味しくいただきました。

美味しいって嬉しい……幸せ……。

 

このタイ料理もカワハギも食後に特に困った症状は出ず。

遂に辛いものも生ものも

普通に食べられる身体に戻ったのかなと思います。

ここ5~6年敬遠していたものを自然に食べる気になって、

それがきちんと大丈夫なタイミングに合うことが本当に不思議。

本能は私よりも私のことをよく知っているのかも。

筋腫だけが原因ではなかったとは思いますが。

とにかくひとつ体調を崩すとあちこちに不具合が出るものなんだなと、

そして回復には結構な時間がかかるものなんだなと

改めて気がついた次第です。

この先は年とともに食べられるものの範囲は狭まる一方のはず。

今のうちに美味しいご飯を食べるのも作るのも楽しまなくては。

 


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