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前回の(その2)に引き続き

5話~8話の後半の感想。やっと書けました。

後半はさらにシリアスに切なくなってきます。

 

かなり長文。すみません。

この先、短くしていくかもしれません。

 

【全体の感想】

高校生たちの、将来何者になれるのかという漠然とした不安、心と体の成長、アイデンティティの確立・・・

 

ただでさえ繊細な思春期をむかえたその時期に、『自分は普通とはちがう』そんな純君のヒリヒリするような想い。

 

そんな純君を、全力で理解し守ろうとする2人の人物。三浦さんと亮平君。

この2人がいたから、純君は最後の結末に行きつくことが出来たんですね。

 

最後も、純君がゲイであることに変わりはない。

だけど、自分もたくさん傷ついて、周りも傷つけて・・・最初の純君と、最終回の純君は確実に違っていました。

 

自分から逃げることをしなくなった。

ゲイである自分を認めたり、許したり、そんな新しい生き方が出来るんじゃないか・・・

物語はそこで終わっています。

 

この物語の世界に一気に引き込まれました。

最初はアレ変わった物語だなっていうところから始まり、切なさに涙し、友情に感動し、爽やかな最終回を迎えました。

 

見終わった後の清涼感がすごい。青春群像劇であり、同性愛の深い話であり、友情の大切さの話であり、女性本来の明るさ、強さ、優しさはどれほど人(男性)を救うことができるのか・・・そんな事を色々と考えさせられる話でした。

 

主人公の純君、三浦さん、亮平君、特にこの3人が良かったです。

 

私は、BLや同性愛に全く偏見はありません。

だけど知ろうとする事も一度もありませんでした。

自分の周りにいないものと決め込んで、理解しようという考えすら無かった気がします。

関連するニュースは、あふれていたのに・・・

 

思い出してみると、かつて私の顧客にも、同じような方がいました。女性なのに男性として生きてる方。痛々しさは感じた気がします。

でも、仕事として淡々と対応しました。

私の対応は多分柔らかいはずだったと思うけど、傷つけては無かっただろうか。

 

これは、もしかしたら腐女子やBLだけでは無く、他の事にも通じるのかなって、自分を省みました。

自分は常に安全なところにいて、自分と違う人を簡単に見極めてしまうような、そんな考え方を自分はしてきたんだなと知れた事だけでも、今回、このドラマを観て良かったと思います。

 

これからは、辛い思いを抱えていたり、普通とは違うと感じながら生きる人の事を理解しようとする心持で生きていきたいなと思います。

 

 

お借りしました

 

 

 

 

 

【純君・三浦さん・亮平君】

 

純君・・・泣くシーンが美しかった。彼が泣くたびに胸が苦しくなる。涙をそそります。

飛び降りる前に泣くシーンの美しさが本当に印象的でした。

 

どのシーンがというよりも、このドラマの主人公らしく全てのシーンにおいて最高の純君だったから、観る人が純君の心を分かろうとして素直に泣けたんだと思います。

 

 

 

Instagramより

 

 
 

 

三浦さん・・・この物語のヒロイン。物語が進むにつれて、彼女の素晴らしさにどんどん惹きつけられました。

彼女のまっすぐな想い、その明るさ、賢さ。

 

終業式のスピーチ、感動的でした。このシーンがこのドラマの最高の見どころでしたね。

実は、今回感想を書く為に、昨晩2回目観ましたが、彼女がスピーチを始めるあたりから、もうウルウル。

 

面白く楽しい話から、真剣で嘘偽りない事実に切り込んでいく、誰をもひきこむようなスピーチ。

そして言葉の選び方がすごい。

 

「最強 無敵の全能感!」(恋が実った当初の嬉しさを表現)

 

「彼は自分を守ってるんじゃなくって、私達を守っているんです。彼は自分が嫌いで、私達が好きなんです」「でも私は、彼のことが本当に好きで。。。」

 

「もう菩薩だわ・・・」って思いました。

 

彼女は自分が腐女子であることを全校生徒の前で告白し、純君と出来る限り同じ位置に立って、純君がゲイであろうと、本当に好きな気持ちを理解してもらおうとしました。

同時にたくさんの生徒に対して純君の抱えてきた想いを伝えました。

 

人が誰かを救いたいと想う真剣な言葉って、やはり聞く人の胸を打ちます。言葉は届きます。

こういう事って授業では習わないけど、人にとって一番大切な事なのかもしれない。

ここにいた生徒達にとってもかけがえない経験になったと思いました。

 

純君を好きになって、純君が一番最初につきあって、そばにいたのが彼女で本当に良かったなと思えました。

 

好きになった彼氏が、ゲイであることを知って悲しかったのは事実。

でもすぐに自分の辛さより純君を全力で守ろうとした三浦さん。

 

あんな素敵な女の子、現実にはいるかな?と思うくらいすごい。

彼女の存在が、純君にとってどれほど救いになったのか・・・

 

最後の最後、自分から純君をふってあげた彼女。

新しい場所で、新しい生き方を試そうとする純君の背中を優しく押してあげる為に。

最後まで優しさのかたまりでした。

 

女性だからこそ持てる強さと温かく包み込むような優しさ。

少し自分をぶつけぎみなところもあったけど、彼女くらい真剣にぶつかっていく人じゃなければ、純君は、いつまでも自分自身から逃げる人生を続けていたのかもしれません。

 

 

Instagramより

 


 

 

 

小越さん演じる亮平君・・・とても重要な役どころでした。最初は明るくて軽口をたたいて少しエッチな男子という設定なのかな・・・って軽く観てたけど、ドラマにも純君にも、亮平君は不可欠でした。

 

出会いは、子供の頃。公園で出会ってから、ずっと純君のそばにいた亮平君。

子供の頃から優しい。みんなと遊んでたのに、一人ぼっちでいる純君に声をかけました。

 

純君が同性愛者と知った時も、誰よりも純君の味方でいようとした亮平君。

 

体操服を着替えるシーン。

純君が飛び降りようとする前の、亮平君の台詞と心の動きがすごかったですね。

 

生徒達の好奇の目から必死に純君を守ろうとしてる最中だったのに、小野君から「おまえ本当にあいつのこと気持ち悪いと思わないの」「おまえも仲間なの?」と聞かれておもわず「違うよ」といってしまった亮平君。

 

その一瞬の言葉の後、見つめ合う2人。これが、純君が飛び降る事を決めた言葉にも見えました。

それくらい純君の心ははギリギリで、そして亮平君が最後の砦だった。

「今日まで頑張れたの亮平のおかげ」

 

自分が発してしまった言葉の重みをすぐさま理解し、止めようとする亮平君。

さっきの「違うよ」から「どれだけ自分が純君に負けず変態であるか」を大声で伝えます。

 

このシーンの亮平君の必死さがすごい。泣きながら訴える小越さんの演技がすごいんです。

ただ純君を救いたい、その精一杯の想いが胸を打ちました。このシーンも、号泣につぐ号泣。

 

ここで純君を全力で守ろうとした亮平君と三浦さん。だけど守りきれなかった。

その思いを抱えたまま、物語は終業式へとゆっくり進みます。

 

終業式で、三浦さんのスピーチを続けさせる為に教師を全力で止めようとした亮平君。

最高の見せどころでしたね。

小越さん、いい役を演じられたなあと、本当に思いました。

 

 

 

本当に見ごたえのある作品でした。

小越さんの作品を観てここまで泣いたのは、この作品が初めてですね。

多分、この先、何度見ても同じシーンで泣いてしまう作品だと思います。

 

 

ツイッターより

 


 

 

 

番外編、号泣といえば、実は他にも、何度見ても泣いてしまうドラマがあります。

韓国ドラマ「ごめん、愛してる」というドラマ。

その最終話。いつ見ても同じシーンで泣けます。

号泣シーンを語りたいところですが、既に長文なので、いつか書いてみようと思います。

 

 

今日も読んで下さってありがとうございました。