ご訪問
ありがとうございます。
当ブログ「楓坂四駒堂」は
日・木曜、週2回更新でおます。
で、今回は日曜版
そのNo.35です。
今回は
「何のこれしき!大江戸篇」
です。
おい!おい!
季節外れも甚だしい!
春もまだまだ浅いと言うのに
怪談ですと…あははは。
蔵出しではなく
昨日描きました。
只の発作的な
気まぐれです…。
第2章
「豊饒の海へ」
青年誌は荒野をめざす
序2
♪愛してるって ひとこと いえな~くて
つ~らい想いに 泣いたのさ~
※詞・橋本淳
雑誌「COM」の話を続けますが…
前回、♪想い出の渚(ザ・ワイルド・ワンズ)に少し触れたので…寄り道です。
漫画ネタに音楽ネタをぶっこむ
この尻滅裂ぶり…!あー支離滅裂か…。
冒頭のフレーズは1967年2月リリース…
「ザ・タイガース」のデビューシングル♪僕のマリー
シンプルな名曲ではあるのですが…
ま、今思えば他愛無いメルヘンティックなラブソング。
完璧に、女子中学生・高校生をターゲットにした楽曲ですね。
その後の「ザ・ゴールデンカップス」もそうですが
こうした歌謡曲っぽい日本語の歌を唄うことは
当時、ロック志向の強かった彼らの本意ではなかったとは思います…。
しかし、制作の思惑はズバリあたって、「ザ・タイガース」は瞬く間にトップスターに…。
何より「沢田研二」はうまかった…。
後にも先にも、日本語の曲をこれほど官能的に、魅力的に唄う歌手を私は知りません。
♪ジュリーがライバル…なんて!「石野真子」の歌じゃあるまいし…。
彼の登場によって、私は歌手になるという長年の夢を断念しました…
真っ赤な嘘ですよ!おとうさん!
そうですね…「沢田研二」
強いて…強いて匹敵するボーカリストと言えば「吉田拓郎」「桑田佳祐」「玉置浩二」くらいです。
歌唱力などという些末な評価ではありませんが…。
♪マリーが ぼく~に恋~をする
甘~く 悲しい 夢~をみた~
新発売の「チョコボール(森永)」とGSと「COM」…
17才の冬、私の高校2年はそんな中で終わります。
さて、その「COM」です。
やはり、他の漫画雑誌とはひと味もふた味も違います。
その中心の「手塚治虫」「石森章太郎(後、石ノ森)」「永島慎二」
もちろん既によく知ってる漫画家なのですが…
「火の鳥」を始めとする作品群が、まるで新鮮
例えば見たこともない「石森章太郎」。
既に「少年同盟(1962 ・少年)」「さるとびえっちゃん(1963~・週刊マーガレット)」そして「サイボーグ009(1964・週刊少年キング他)」で人気を博していた「石森章太郎」が「COM」で描いたのは…
セリフの一切ないリリック(抒情詩)のような…
「ファンタジーワールド・ジュン」
ご本人の意図はともかく、実験的な漫画表現への挑戦などと評判になり…
様々な効果…背景…そして構成…コマ運び。
特に若い漫画家志望の読者にはかなりの影響を与えたと思います…。
この「ジュン」をめぐる師匠と愛弟子の確執…
確執と言うより、一方的なもののようでしたが…
これは「手塚治虫」という人の類まれなる漫画家としての矜持。
「らしい」と言えば、らしいエピソード。
たとえ弟子であろうが、漫画家すべてがライバル。
独善あるいは幼児性…もちろん揺るがない自身の才能への自信。
第一人者としての絶対的なプライド。
熱い人だったんだと思います。
自分の主催する雑誌で、弟子である「石森章太郎」の「ジュン」が「火の鳥」以上に絶賛されるのが許せない…。
この「ジュン」に対する容赦ない罵詈雑言…
驚いたのは「石森章太郎」
その後、自分の非を認めて謝罪するのも、実にこの人らしいのですが…
新たな才能が出てくるたびに、ライバル心、嫉妬心を燃やし、それを自分の作品にぶつける…そんなエピソードはその後も度々、聞いたりしました。
正直、そういう大人げない「手塚治虫」って好きでした。
そして「永島慎二」。
貸本の「刑事(東京トップ社)」誌上での、「漫画家残酷物語」は何作かは読んでいましたが、「COM」の前身である「アトムクラブ」に発表された短編の数々をこの時点では知りません。
「COM」での「かたみの言葉」「人形劇」「青春裁判」
そして…あの「フーテン」
「漫画家残酷物語」の頃より、更に洗練された画のすばらしさ。
そして人間たちを愛しむ、リリカルで温かな目線。
私の感覚では初めて「青春」を描いた漫画家でした。
その才能を、一番理解していたのは「手塚治虫」だったかも知れませんね。
あるいは、同志とも言える「さいとう・たかを」だったかも…。
そこには、二人の巨匠には絶対に描けない漫画の世界がありました。
これらを読み重ねていくうちに、私は完全に信者になっていきました。
おそらく、その後のすべての作品を(柔道一直線・梶原一騎・少年キングを含め)
ほぼリアルタイムで読み続けてきました。
私にとってはいまだに唯一の「漫画の神様」です。
もう少し「COM」…続けます。
以下、次週へ…。
「くちづけ篇」
その3
♪人前で~ 「くちづけ」たいと~
心から そう思う
せつないだけの 恋唄~
※詞・阿久悠
前々回、「阿久悠」について…
直接的な愛情表現があまり好きじゃないんでしょうね…
とか書きましたが…あははは
ま、つまり…これは…例えば「なかにし礼」や「橋本淳」に比べると…
どちらか言えば、ダンディズム・硬派というイメージがあるのです。
あくまでも、私のあまりに個人的な感覚ですが…。
とは言え、これだけの「詞」を遺した「阿久悠」ですから
「くちづけ」などいくつでも出てきます。
まず…そんな中から冒頭に挙げたフレーズ。
1972年、「阿久悠」としては♪この愛に生きてに続いて…
「内山田洋&クールファイブ」に提供した2枚目のシングル
♪恋 唄
♪この愛に生きてはやはり…何と言うか、硬派な不倫ソング…
あるんかい!そんなの
ま、「前川清」なんでやたら力強いんですけどね。
これも硬派な色気だったりして…。
そこが「桑田佳祐」も惚れた、この人(前川清)の真骨頂。
で、続くのがこの♪恋 唄…
作曲が「彩木雅夫」「鈴木邦彦」とそれぞれ違うんで…
こちらは歌謡曲っぽさを少し抑えたバラードに…。
こんなにも美しく「不倫」を唄い上げられると…いいのかな…って。
歌に魅せられて不倫する人などいないでしょうが…
背中、押されちゃったおとうさん、いたかも…ですけど…。
知らんがな!
♪折~れるほど 抱きしめたいと~
心から そう思う
はかないだけの 恋唄~
♪人前で 「口づけ」たいと
心から そう思う
せつないだけの 恋唄~
心からそう思っちゃ、だめじゃん!
と思いつつ…酔わせるんですね、この詞が…。
♪折れるほど抱きしめる…
時々見られる、この表現…
あ!想い出したわ
1979年リリースです。
♪もう泣かないで~ 悲しまないで~
折れるほど 抱きしめて~みても~
「アリス」の♪夢去りし街角
詞・谷村新司 曲・堀内孝雄
♪最後の言葉だ ありがとぉ!~ いうやつですね。
しかしどう抱きしめても、けっして折れそうもない相手の場合は…
わ!これ、何ハラスメント?
で…ついでに割合は少ないですが、
「阿久悠」のくちづけソングを何曲か…
♪女は不思議だ 「くちづけ」するより
綺麗な約束 ほしがるものなのか~
…破れかぶれだね~
本日、なんと2度目の「沢田研二」…
一連の「安井かずみ」作品の後です。
1975年、「阿久悠」と組んだ♪時の過ぎゆくままに(曲・大野克夫)
以降、♪立ちどまるな ふりむくな(1976)
♪さよならをいう気もない(1977)
♪勝手にしやがれ(1977)に続く、「ジュリー」のダンディズム路線。
同じ1977年にリリースした、21枚目のシングルがこの
♪憎みきれないろくでなし
咥えたタバコを吹き飛ばすパフォーマンスでした。
消防署からクレーム、入ったんでしょうか?
これは珍しく女性目線の曲…
くちづけよりも約束?…男って浅はかなのね…って感じでしょうか?
女性の視点に立った歌…
いくつも名曲を書いてはいる「阿久悠」ですが…
こういう手強い女性ってどうだったのか…?
よくわかりませんが…
少し戸惑いみたいなのが見えて、それが「阿久悠」らしかったりして…
長くなりついでに
その「阿久悠」のアイドル路線を少し…
♪「くちづけ~」の その後で
おしゃべりは しない~で
ちらっと、♪はじめての出来事の一節を紹介したことのある「桜田淳子」
♪去年の 「くちづけ」~
酸っぱい 葡萄だった~
だけども如何
もう今年は 甘いでしょう~
こちらは♪気まぐれヴィーナス(1977・曲・森田公一)
初めてのくちづけは、レモンばかりじゃないもんね…という心意気?
♪プピルピ ププピル~ア…って言われてもなあ…う~ん
まあ、「マスカット」あたりだとそんな気もなるんですが…
「デラウエア」まして「巨峰」となるとなあ…
あらぬ妄想が湧きたったりして…。
♪「くちづけ」するのなら~素早く盗んで
返事な~ど させないで~
泣いてし~まう~
こちらは岩崎宏美デビューシングル 1975年
♪二重唱(デュエット)・曲・筒美京平
ひょっとしたら、「岩崎宏美」ではこの♪二重唱が一番好きかも…です…。
続いても「岩崎宏美」
♪「くちづけ」をした あのひとは
ごめんといった
それきり 声もかけない~
1977 ♪思秋期 曲・三木たかし
そして…
♪誰も~みな そ知らぬ顔を~して行き過ぎ
あたたかい~ 「く~ちづけ」
それだけが頼りよ~
「頼り」とまで言ってしまう乙女心
1974年「伊藤咲子」3枚目のシングル。
♪木枯らしの二人 曲・三木たかし
こうみると…
「阿久悠」って純愛の人だったかも知れませんね…
♪木枯らしの二人 ♪乙女のワルツ
今でも大好きです!
さあ…
この時代のトップアイドルで…
「阿久悠」が1曲も書かなかった「山口百恵」…
次週、この「山口百恵」のくちづけソングを…
究極の私好みで取り上げますです…はい。