「おはよう」でしょうか?
「こんばんは」なのでしょうか?
本日もご訪問
ありがとうございます。
「楓坂四駒堂」
木曜版です。
松本零士氏 追悼のため
予定しておりました
ドラマの時間「舞いあがれ!」
次回26日更新日曜版にに回し
急遽、今回のコラム後半は
「雑誌といた時間」緊急版
に差し替えます。
手代・彦六
では、普通でない
「普通の人々」から…
訃報が入り
ばたばたして
手を抜いたという…
そういう訳でも
ありませんけどね…
少しシュールな線を
狙ってみたのですが…
う~ん
~ドラマ黄金時代の女神たち
最終章
桃井かおり
その20
とうとう20回目…う~ん。
よくよく考えると、ファンの方は先刻承知のことばかり…
興味のない方には「何じゃらほい?」という感じなんでしょうが…
この時代(7.80年代)のドラマの熱気を振り返ってみるべえ…
ま、そんなノスタルジー以外の何物でもない企画なのですが…
ともかく「桃井かおり」は私にとっては特別な女優さんなんで…
最終章…後がある訳でもないので…もう少し続けます。
さて「歌手」を演じた「桃井かおり」。
まず映画…1987年の「自由な女神たち(松竹)」
お馴染み、プロデューサー及び演出家の「久世光彦」の2作目の映画監督作品。
脚本は「向田邦子新春シリーズ」の「金子成人」
そして音楽はもちろん「小林亜星」
テレビの箱を飛び出して…って感じですね。
「松竹」なんで「鎌田行進曲」とか、あるいは「寅さん」「幸福の黄色いハンカチ」?
そんな作品へのオマージュも感じさせるコメディ作品。
何と言っても「桃井かおり」と「松坂慶子」の組み合わせ。
それまで共演はほとんどないと思います…多分。
「青春の門(1981.2・東映)」では1作目と2作目のすれ違い。
「キネマの天地(1986)」ではからみはなかったと思うし…。
ふたりとも脂の乗り切った頃…
素の部分でも相性が良かったのかも知れません…?
初めてとは思えない、息ぴったりのコンビネーション…。
このツーショットを観るだけで、かなりのお宝映画だと思います。
DVD、ないかもなあ…。
かつては夜の御徒町では同僚だった二人。
ま、安キャバレーの歌手…リリーさんみたいなもんですね。
そして、いろいろあっての草津温泉での再会。
整形によって別人のようになった「松坂慶子」。
整形前は「片桐はいり」って…いいのかなァ…今ならアウトかな?
ともかく、唄って、泣いて、笑ってのドタバタ劇。
「松坂慶子」…愛らしい泣きっぷり。
コメディエンヌの素質は甲乙つけがたく…
二人とも唄います!
心から楽しそうに…。
デュエットのすばらしさ…これ聴くだけでも元が取れます。
「竹下景子」との「危険なふたり」シリーズでも思ったのですが
こうしたバディもの…「桃井かおり」というずば抜けた個性を放ちながら
相手の個性を一切殺さず、見事に生かして溶け合ってしまう。
この絡み方の妙は何なんでしょう?
どこかで自分の演技を俯瞰で見ている自分がいるんでしょうね。
演出家の目線の…。
「加藤治子」…もちろん出てます。
「久世」作品常連の「イッセー尾形」も…。
「笠智衆」も出てました。
1987年2月…この時の併映は…この頃ほとんど2本立てですからね。
「つかこうへい」の「青春かけおち篇(松原信吾)」。
こちらは「風間杜夫」と「大竹しのぶ」
この「自由な女神たち」には「平田満」。
「蒲田行進曲」では「ヤス」は「小夏(松坂慶子)」と結ばれましたが
こちら、良い感じになるのは「桃井かおり」の方。
ともかく「桃井かおり」も「松坂慶子」も唄って踊って楽しそう…。
世の中的には、ちょうどバブルの始まった頃…。
地方の温泉町にも、そんな活気が感じられる…そんな映画でした。
さて…次はドラマ…1988年(よみうりTV)。
「喝采」
「桃井かおり」が演じるのは…
かつて一世を風靡したヒット曲があったものの…今は落ち目…低迷が続いている演歌歌手「円たまみ」。
それを献身的に支える初老のマネージャー「兵吉(小林桂樹)」。
ひとことで言えば、この二人の愛の物語。
♪喝采と言えば、「ちあきなおみ」が唄って大ヒットしたあの名曲…
あれも主役は女性歌手…。
もうひとつ…「喝采」と言えば…古い話ですが…
1954年のハリウッド映画。
これもショービジネスの世界を描いた愛憎劇。
「ビング・クロスビー」「ウィリアム・ホールデン」そして「グレース・ケリー」
「グレース・ケリー」…この時24才?
「ヒッチコック」の「ダイヤルMを廻せ!」「裏窓」に立て続けに出演した年。
この「喝采」で生涯唯一の「アカデミー主演女優賞」。
きれいでおました…ほんまに…。
このドラマ「喝采」の原作は「阿久悠」の短編小説。
「阿久悠」ですから、前記ふたつの「喝采」は意識してた筈。
特に映画は…。
脚本は「青い鳥」「眠れる森」の「野沢尚」。
いわゆる音楽業界もの…
歌謡曲、演歌の世界と言えば、「演歌の竜」こと伝説の音楽ディレクター「馬渕玄三」をモデルにした「艶歌」を始めとする「五木寛之」の作品群が映画化、ドラマ化されて有名なんですが…。
「阿久悠」こそ、長くこの世界に生きた人…やはり、よりリアリティがあります。
一発屋の女性演歌歌手…モデルっているのかなあ?…と
あれこれ考えましたが…いたとしても、おそらく参考程度かな…。
かつての大ヒット曲♪堕ちたらあかんよ~夢地獄
凄いタイトル…。
そして復活を賭ける新曲が♪燃えつきるまで
このドラマの挿入歌は、おそらくこのために「阿久悠」と「川口真(作曲)」によって創られたオリジナル。
♪さよならをもう一度(尾崎紀世彦)、♪東京物語(森進一)のコンビですね。
CDになってないよなあ…。
歌手「桃井かおり」…たっぷり聞かせてくれます…かおり演歌?の神髄を…。
かつての栄光が忘れられず、旬が去ったうらぶれ感を漂わせながら、やはり歌に賭けるしかない現実…。
バツ1だか2だか…微妙な年頃の娘のいる母親でもあり…
背負ったものは軽くはない訳で…。
そんな役を半端ないリアリティで演じて見せてくれました。
詳しい筋立てには触れませんが…
何と言っても相手役…
家庭は後回し…この「たまみ」にひたすら尽くすマネージャー役の「小林桂樹」。
やはりこの人は凄い!
柔和な顔に潜む、ある種の凄み…この人ならではのもの…。
たった一度、絶対に手を出してはいけないタレントである「たまみ」と関係を持った過去。
それを悔い、あるいは詫びるつもりなのか、一途な献身。
もう一度、スポットライトを浴びさせるために何もかもを犠牲にして…。
「阿久悠」らしいダンディズム。
「小林桂樹」
私、「社長シリーズ(1956~・東宝)」から観てますけど、もう輝かしい実績のある名優中の名優。
このドラマでも、見事にこの初老の業界人を演じています。
こうした名優相手だと、更に際立つ「桃井かおり」の役作り…。
繰り返しますが、これはメロドラマ。
大人の男と女の純愛物語…ふたりが演じるこの不器用な純愛が愛おしくてたまりません。
だからこそ…「桃井かおり」の歌が一層、酔わせます…
ひたすら心に沁みます。
「ギャラクシー賞」…当然です…。
共演の「すまけい」…「阿藤快」「加藤善博」…もう亡くなったんですね…。
もう一度観たい…
どうしてももう一回観たい…そんなドラマです。
以下次週…
2月13日に亡くなられた「松本零士」画伯?が
表紙イラストを担当した「COM」1971年12月号です。
ちょっと見にくいでしょうが…
センターの美しい女性は「カゲロウ(蜻蛉)」でしょうか?
そしてその左に…小さくその彼女を絡めとった蜘蛛の姿が…
この蜘蛛が何だか自画像っぽく…これってご夫婦(奥様・牧美也子)の馴れ初めを洒落で描いたイラストかも…?
当時はそんなことを考えてました…。
ふー…
本名の「松本あきら(晟)」時代…
「少女クラブ(講談社)」の「銀の谷のマリア」はともかく…
私は1961,2年の「ぼくら(講談社)」連載の「電光オズマ」をリアルタイムで読んでいます。
記憶が定かではありませんが…初めて「宇宙戦艦大和」が登場した作品だと思います。
その後、著作権をめぐってすったもんだがあった「宇宙戦艦ヤマト」。
ルーツはこれなんだと思うんですけどね。
ともかく…もう約60年にもなるんですね…。
私たちはどれだけ多くの作品を楽しんできたことか…
「松本零士」で想い出すのは…ご存じの方も多いとは思うのですが…
あの「石ノ森章太郎」と同年同月同日生まれ。
二人そろって「手塚治虫」のアシスタントを務めた時期もあるそうです。
「SF作品」などではお互い切磋琢磨した良きライバルだったかも知れません。
「石ノ森章太郎」が亡くなったのが1998年。
気のせいでしょうか、それ以降、積極的な執筆活動からは遠ざかったような気が…
ともかく70年代後半からは「アニメ作家」という面も大きくなり、数々のヒット作品を
産み出す訳ですが…。
やはり、私にとっては漫画家「松本零士」。
「ヤマト」「999」「ハーロック」ももちろんですが…
例えばこの「COM」に掲載した連作「四次元世界シリーズ(1969)」。
更に「無限世界シリーズ(1970)」
少し後になりますが、「ビッグコミックオリジナル(小学館)」で不定期に掲載された「ザ・コクピット・シリーズ(1975~)」
これらのこの人ならではの航空機等のメカ描写…
例えばコクピットの中の計器類の数々…もう、それを見るだけでワクワクしました。
繊細で大胆なペンタッチは、全国の漫画少年、多くのマニアを酔わせました。
おそらく日本で最初に、数多くのマニアックなファンを得ていたのは「松本零士」だったと思います…。
そしてもうひとつの「松本零士」 …
憶えてますか?おとうさん!
1970年に「別冊漫画アクション(双葉社)」で始まった…
「元祖大四畳半大物語」シリーズ…
何ちゅうタイトルなんでしょう!。
これは青年誌ということもあり、主人公「足立太」の切なくも赤裸々な女性遍歴も描かれているのですが…
これを発端にした、いわゆる「四畳半」シリーズ。
「男おいどん(1971~・週刊少年マガジン・講談社)」※「大山昇太」
「聖凡人伝(1971~・週刊漫画ゴラク・日本文芸社)」※「出戻始」
「大不倫伝(1972・平凡パンチ・平凡出版)」…好きでしたこのタイトル。
「ひるあんどん(1973・別冊漫画ストーリー・双葉社)」等々
大ヒット、大ブレイク…
「四畳半シリーズ」と言えば「松本零士」か「日活ロマンポルノ」か?
1971年、この「COM」12月号の表紙執筆当時
週刊誌連載が3本あったそうです。
何と言っても急な訃報で…ま、訃報って急なんですけどね…
うまく追悼の言葉をまとめられません…。
いずれ「全力漫画少年」でも時間軸に沿って、その作品は取り上げます。
漫画家同士というだけで…素敵なご夫婦と思ってしまいます。
そうでない漫画家のご夫婦もおみえのようですが…いや!知らんがな!
おそらくご葬儀では、「ワーグナー」の曲で見送られたのでしょうか?
「ワーグナー」と言えば…
「ニーベルングの指環」、未完に終わってしまいましたね…。
長い間、ほんとに数多くの作品で楽しませていただきました…。
おつかれ様でした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
「ハーロック」「トチロー」たちとともに、あの「アルカディア」の3号鑑に乗り、悠久の宇宙を心ゆくまで旅してください。
「銀河鉄道999」のパチンコ…
どこかにあったら打ちたい気分です…。
合 掌