「最強コメディエンヌ伝説」④
ドラマ好きのみなさんならお分かりのことだと思いますが、
かなり以前からの傾向として、期待される若い女優さんがいよいよ「主演ドラマ」を!
という段階で、取り敢えず一つ目のステップと言うか、二つ目のステップと言うか、通過儀礼と言うか…
「ラブコメ」あるいは「コメディタッチ」の作品が用意されますよね。
多くの場合、コミック原作だったりします。
「視聴率」もそこそこ固いということなのでしょう。
喜怒哀楽と言った感情表現のはっきりした演技が要求されがちなので、むしろ経験値の少ない女優さんにはお芝居のハードルは低いのかも知れません。
そして、これはある種のテストマッチという意味合いがあるのかも…。
つまり各局のドラマ制作者はそれぞれの若手女優の資質を測る機会でもある筈ですね…
今後、どの路線に向かうべきかと言ったような…。
ここで思いついたまま、女優さんたちのそんな作品を列挙してみます。
今や若手と呼ぶのを躊躇してしまう方も含みますが…(もちろんいい意味で)
「上野樹里」(「のだめカンタービレ」)
「綾瀬はるか」(「ホタルノヒカリ」他)
「長澤まさみ」(「プロポーズ大作戦」他)
「杏」(「デート~恋とはどんなものかしら」)他)
「北川景子」(「家売るオンナ」他)
「新垣結衣」(「全開ガール」他)
「戸田恵梨香」(「SPEC」他)
「黒木 華」(「重版出来!」他)
「吉高由里子」(「東京タラレバ娘」他)
「波留」(「世界一難しい恋」他)
「黒島結菜」(「アシガール」他)
「吉岡里帆」(「レンアイ漫画家」他)
「上白石萌音」(「恋はつづくよどこまでも」他)
「浜辺美波」(「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」他)
などなど、適当ですけど書ききれません。
では、「コメディエンヌ」としての資質の高さが感じられる…という視点でもって…もちろん個人的な評価ですが、二人の女優さんをピックアップしてみます。
まず「広瀬アリス」
最初に刮目したのは「玉川区役所 OF THE DEAD(2014年)」
「テレ東」の「ドラマ24」枠のゾンビもの。
因みにですが先に触れました「麻生久美子」の「怪奇恋愛作戦」の前クールだった筈です。
「ドラマ24」見てんですよね…結構。
あまりに荒唐無稽なんでドラマ(監督はあの「河原雅彦」)の詳細省きますけど、
「広瀬アリス」が演じるのは、ゾンビ対策で常に竹刀を持ち歩いている区役所職員!
同僚役の「林遣都」との脱力感のあるコンビネーションに良い味出てて…。
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その後の「妄想彼女(2015年・フジ)」
「釣りバカ日誌~新入社員浜崎伝助」の「みち子さん」
朝ドラ「わろてんか(2017年・NHK)」の「秦野リリコ」役
「探偵が早すぎる(2018年・日テレ)」などなど。
更に「七人の秘書(2020年・テレ朝)」のような群像劇においても、きらりと光るコメディエンヌ振りを発揮してましたよね。
何なのでしょう?とてもうまく言えませんが…
運動神経の良さって言うか…
表情を含めた表現技術において、すげぇ体幹の強さを感じる訳です。
「三谷幸喜」の舞台も経験したことですし、願わくば、近い将来「ブロードウェイ・コメディ」の神髄に挑戦してほしいと思ったりしています。
さて一推し本命です。
しかしその方向性も含め、未知数の部分か多いのも事実です
とは言え、時折垣間見える、そのキラリと光る「コメディエンヌ」としてのセンスが気になって仕方ありません。
ご存じの方もおられると思いますが…
10年ほど前、「週刊スピリッツ」に月一連載されていた
「佐々木倫子」の「チャンネルはそのまま!」という漫画があります。
このドラマ化決定でヒロイン「雪丸花子」に抜擢されたのが…
「芳根京子」。
HTB(北海道テレビ放送)の開局50周年記念のドラマ。
よくぞこの「チャンネルはそのまま!」を!
北海道ゆかりのスタッフ・キャストで固める中、よくぞ「芳根京子」を!
思わず「HTB」えらいぞ!!と叫びたい心境でした。
結果としてこのドラマが放送翌年の2019年、「日本民間放送連盟賞」のグランプリを受賞することになるのですが…。
漫画好きの方ならお判りでしょうが、お気に入りの漫画が実写化された場合、
そのキャスティングに 「絶対違うだろ!」思うことはかなり多い筈。
私の場合、これがもし「芳根京子」でなかったならば、かなりブーたれていた筈です。
「表参道高校合唱部(2015年・TBS)」、
朝ドラ「べっぴんさん(2016年・NHK)」、
そして「東村アキコ」の「海月姫(2018年・フジ)」と注目し続けてきた彼女でした。
おっとりと言うか、のほほんというか、育ちの良さと言うのか…
前も書いたと思いますが「コメディエンヌ」にとって不可欠な資質・品の良さ。
更にシリアスな役も手堅くこなす安定感。
「コタキ兄弟と四苦八苦(2020年・テレ東)」これも「ドラマ24」枠。
「古舘寛治」「滝藤賢一」という手練れを相手に無難なコメディエンヌ振り。
「半径5メートル(2021年・NHK)」…何だかいろいろあったみたいですけど、ともかくまた一皮むけた感じですね。
はたしてどちらの方向にその才能を伸ばしていくのか?
次回作が常に楽しみな数少ない女優さんです。
余談になりますが、コメディエンヌに限らず女優がスキルアップしていく上で、共演する男優というのは重要な役割を果たしている筈です。
今回の二人に共通しているのが「滝藤賢一」
そういう点でも優れた役者さんなんでしょうね。
さて、2回ほど間をおいての次の「女優遍歴」は久々時代をかなり遡り、題して「黄金の日々」。
ドラマの黄金時代のあの女優達を絶賛する予定です!
◇お知らせです!
予定通り次回7月15日より毎週木曜の週一の更新になります。
コラムですが以前にお知らせした「全力漫画少年」を次回から始めます。
で、4コマは新タイトルを二つ。
第1木曜 「にっぽんむかつき話」
第2木曜 「何のこれしき!」
第3木曜 「歌謡サスペンス劇場」
第4木曜 「普通の人々」
で、時々やってくる第5木曜は秘密兵器?を用意しています。
「歌謡サスペンス劇場」ですけどね、
「ヒット曲」「サスペンス」「起承転結」という結構ハードルの高い「三題噺」仕様です。
ま、只の思いつきなんで、どうなることやら…。
次回7月15日は第3木曜日ということでいきなり1回目です。
テーマ曲ですけど♪この空を飛べたら…詞・曲 中島みゆきですね。
歌は加藤登紀子。
ま、そういうことです。
「普通の人々」ですけど…映画通の方はご存じですね。
1980年「ロバート・レッドフォード」がアカデミー作品賞と監督賞を獲得した映画の邦題です。
もちろん映画とは何の関係もなく、時々普通でなくなる「普通の人々」のスケッチという感じです。
どうでもいい豆知識をひとつ、
この映画「普通の人々」においてある女優がデビューしています。
「エリザベス・マクガヴァン」
「ダウントン・アビー」の伯爵夫人「コーラ・クローリー」ですね。
そんなこんなで次回からも宜しくお願いします
楓坂四駒堂 手代 彦六拝