2/21(水)東京建物Brillia HALL へ行ってきました。
この日は、有休を取って、朝早くからへ行き、名古屋から遠征しに来た友人と一緒に久しぶりにランチをした後だったので、時間に追われる事なく、劇場へ向かいました。
随分昔に、日生劇場で松本親子が演じていた「夢の仲蔵」を見た事がありますが、正直記憶が定かではないただ、十代目松本幸四郎さんが(当時は、まだ染五郎さん)が踊った「道成寺」が印象深かったです。
オープンしてすぐに、座席についての悪評が凄かった東京建物Brillia HALLですが、多分改修してからは、初めて行きました。最も、私の座席は2階D列真ん中あたりだったので、改修された部分ではありませんね
しかし、私の座席、本当にど真ん中で、見やすかったです
シーンによっては、藤原さんにセリフを捧げられてる気分でした
詳しい記事は、こちら(一部しか読めませんが…)
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さて、今回のキャストは、この方々。
中村仲蔵:藤原竜也
初代市川八百蔵/酒井新左衛門:市原隼人
中村伝蔵:浅香航大
志賀山お俊:尾上紫
中村伝九郎:廣田高志
七代目中村勘三郎/中村任三郎:植本純米
瀬川錦次:古河耕史
五代目市川團十郎ほか:深澤 嵐
蕎麦屋の万蔵ほか:斉藤莉生
金井三笑:今井朋彦
コン太夫:池田成志
市川團十郎:髙嶋政宏
ほか
一言でいえば、実に痛快だったし、ぐっと胸に来るものがありました。
実力があっても、血筋が一番の歌舞伎界で生きていくのが、どれほど大変かもそうですが、今でいうなら教育虐待とも言われかねない育ての母親の厳しい指導も…将来を思っての親心だったと思いますが…
年齢を重ねたせいもありますし、今まで演じた事がない歌舞伎の世界のせいもあるけれど、どこか藤原さんが蜷川さんに見出だされて生きてきた演劇人生に重なる部分もあったりして、泣きそうになりました
一旦は自殺まで図った仲蔵が、再度奮起して、芝居に向かう熱量の凄さと同時に、どこまでも純粋な思いが、ひしひしと伝わってきました。超早口の「外郎売」は圧巻
蜷川さんが見ていたら、どんな感想を持たれただろう…
今まで色々な舞台で藤原さんを見てきたけれど、初演の「ハムレット」と同じくらい、私の中では、甲乙つけがたい。スタンディングオベーションせずには、いられなかった
テレビでは、たまに拝見してるのですが、市原さんの舞台は初めてでした。
二役演じられていましたが、佇まいが実に良かったです
ふとした仕草や目線で、気持ちを表現されていたし、笑いを誘う場面もあったり…
もっと舞台に出たらいいのに…もったいない。
浅香さんは、男の嫉妬が生み出す、何とも言えない毒々しさやら、陰険さを醸し出してましたね。血筋と根回しだけで生きていけるほど、世の中甘くはないですよね、まして芸能の世界ですから…
冒頭登場した尾上さんが、とても印象的で、一気に現実から舞台の世界に引き込んでくれました。登場シーンは少なめですが、どのシーンも目をひく方でした。
久しぶりに拝見した今井さんは、やっぱり上手です。
ちょっとイヤミな所も、確信犯的な部分もあって…
人間なら誰しも持ってるだろう部分を誇張させたような人が金井三笑だけど、引き際を心得てるし、別の土地で生きようとするしたたかさも、あっぱれ。
蜷川さんの逸話を元にして、藤原さんに灰皿を投げたシーン、本当に笑った
藤原さんがそれに対して、文句を言うから、更に笑った
池田さんは、一部の人だけに見える守り神みたいな役かつストーリーテラーだったけど、
面白かったし、解説のシーンは本当にわかりやすかったなぁ。
ちょいちょいアドリブをかましていたけれど、それも楽しかった
そして、仲蔵の才能を見出だし、引き立てた團十郎を演じた高島さん。
サンシャイン劇場でみて以来かな?
体が大きいし、いかにもって感じでした。所々、コミカルなシーンもありつつ、板挟みになって苦悩する部分もありつつ、親であり師匠とは、難しいものでしょうね。
ましてや、血筋が繋がっていなくても、継がせたくなる事も正直あったりするでしょうね。会社経営ならば、将来を考えて、そうできるかもしれないけれど、歌舞伎界はそうもいかないんでしょうね。私は、生の歌舞伎を見た事がないくらい疎いですから、全然わかりません
歌舞伎の世界を描いてるけれど、普通の社会の至るところで、似たような事はありますよね。その中でも、懸命に踏ん張ってる人には、誰かしら、手を差し伸べると思いたい。そういう世界であってほしいですよね。
一緒に舞台に立つ仲間と共に、舞台を見にくる観客を、誰よりも味方にさせちゃうようなお芝居をこれからも観たいとしみじみ思いました。
歌舞伎の世界のお話だけど、元気をもらえたお芝居でした。
公式HPは、こちら。
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