国民医療費は2011年度の概算で37兆8千億円と試算されている。
この概算とは、実際の医療費推計には1年半を要する。
これでは遅過ぎて、何の対応策も練れない。
そこで、労災医療費などを抜いた速報値として概算が示されている。
実際の医療費は概算値より2%ほど多くなる。
従って、2011年度の医療費は38兆5千億円と見込まれている。
これは前年の3.1%増であり、約1兆1千億円の増額となる。
さらに国民生活総生産(GDP)に占める割合が8.2%と経済成長率マイナス0.76%を大きく上回っている。
この国民総生産の比率を世界的に見ると、アメリカが17.6%と突出しており、2番がオランダの12.0%、フランス11.6%、ドイツ11.6%、カナダ11.4%、スイス11.1%、デンマーク11.0%と、OECDの各国の比較では日本は16位と低い方になる。
これに対して日本医師会などはローコスト、ハイパフォーマンスなどと言っている。
要は、診療報酬を上げろとなる。
医療費が伸びる要因は、何と言っても超高齢社会が大きい。
2012年は団塊の世代が65歳に突入すると何度も書いているが、10年後は75歳になる。
70歳以上の年間医療費は80万6千円と69歳以下の4.5倍になる。
ただ、長期展望で考えると高齢者医療費は長くは続かないと考えられている。
せいぜい2025年をピークに、高齢者全体の数も減少傾向にある。
2011年度の医療費の伸びを分析すると、1番が技術の高度化で2.0%、次が高齢化で1.5%弱となっている。
マイナス要因として人口の減少で0.2%がある。
実は、この一番の技術の高度化が予想もつかない脅威となる。
特に、個別の患者に対応する再生医療や特有の分子を狙い撃ちする標的医療などはかなりの費用を要する。
どこまで公的保険で賄うのか。
高額医療は個人負担となるのか。
お金の無い者は見捨てられるのか。
さらに、この医療費議論は調剤薬局チェーンの台頭にも及んでいる。
早い話が儲け過ぎと批判が出ている。
何と言っても不景気知らずだ。
この批判が次回の調剤報酬改定に影響しない事を望むが、どうも風当たりはアゲンストだ。
中医協の審議でどこまで頑張れるのか。
個々の調剤報酬が医療にどの様に貢献しているのか、今こそエビデンスを示す必要を感じる。
これはかなりの茨の道だ。
さらに、スイッチOTC化も検討課題となっている。
生活習慣病薬などはスイッチしたいところだが、そうなると医療機関が困る。
そんな矢先のエパデールではないのか。
これが大きな"ありの一穴"になる事を願う。
2025年までの13年間は医療関係者にとって”激変の13年間”になりそうだ。
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