本日二度目の更新です。
ちょっと前からキョンシー映画に再び興味が湧いてきまして、YouTubeでキョンシーに関する動画をよく観てました。
キョンシーとはご存じの方も多いとは思いますが、1980年代に大ブームを巻き起こした中国版ゾンビ。
清王朝時代の服を着て、お札を額に貼り付けて、ピョンピョン飛び跳ねてるあのお化けたちです(*^_^*)
小学生の頃キョンシー映画を観て、夜怖くて眠れなくなったり(笑)
雑誌の付録についてたお札を貼り付けてキョンシーごっこをしたり(笑)
子供達中心に大人気となったあのキョンシー、今になってなんで再び興味が湧いたのか。
懐かしいものを観直したくなった発端は、最近お気に入りの作家森福都さんの中国時代小説からでした。
森福都さんは中国時代劇ミステリーを書かれています。
今回読んだ作品は、宋の時代のお話。天子から勅命を受けて秘密裏に地方役人の悪事を暴いていく巡按御史。
一見10代半ばの少年に見受けられる主人公趙希舜(ちょうきしゅん)と彼に仕える美声の優男傅伯淵(ふはくえん)
都の帝の末息子である希舜は身分を隠して地方を廻り、そこで起きた事件の解明をしていく調査員のようなもの。
巡按御史の存在は地方役人にも知られているので、見目麗しい伯淵が希舜に替わって役人の前に姿を現すこともある。
中国版水戸黄門と言った方がわかりやすいかもです(笑)
いくつかの事件の中で扇子が重要な物証として出てきたのですが、それを「日本から渡ってきたもの」と書かれていたので「え?扇子って中国のものじゃないの?Σ(゚◇゚;)」と不思議に思ったのです。
楊貴妃など中国美人が手にしているような扇、あのイメージがあったから、中国から日本に渡ってきたものだと思っていたけれど、コンパクトに折り畳める仕組みの扇子は日本からの逆輸入だったのか!!\(◎o◎)/
っていうか、宋の時代の日本って何時代なの??(◎_◎;)
中国史は日本の歴史よりも古くて長いので、いまいち何時代が何年とかわかってなくて、これもネットで調べてみました。
中国王朝の順番の覚え方があるのをご存じですか?
日本の童謡「もしもし亀よ」の歌のリズムに合わせて歌うと覚えやすいそうです(*^_^*)
「殷、周、秦、漢、三国、晋(もしもしかめよ かめさんよ♪)」
「南北朝、隋、唐、五代(世界のうちで おまえほど)」
「宋、元、明、清、中華民国(歩みののろいものはない)」
「中華人民共和国(どうしてそんなにのろいのか♬)」
漢字表記が違えど「しん」と言う呼び名が3つもあるのがややこしい(^▽^;)
これはおおまかなくくりなので、宋の中でも南宋時代と北宋時代と分かれたりするそうです(;^_^A
中国史に詳しくない方でも一番有名でわかりやすいかなと思うのは三国志、ゲームや映画小説マンガなどになっているので、劉備玄徳や諸葛孔明などの名前は、どこかで聞いたことがあると思います。
その頃の日本はまだ弥生時代、邪馬台国卑弥呼の時代でした(文明発達度の差ありすぎん?)
ちなみに私は映画も原作も見たことないのですが、今人気の「キングダム」は周の末期時代のお話だそうです。
(正確には周ではなく春秋戦国時代にあたるそうです)
遣隋使が飛鳥時代、遣唐使が奈良時代なので、宋の時代は平安時代から鎌倉時代あたりでしょうか?
言われてみれば、平安貴族が扇子で顔を隠していた絵画を見たことあるなあ…
中国からやってきた扇が日本で形を変えて、中国にも扇子として渡ったということなのかな…
中国史と日本史の関りについて興味深く読んでいて、この宋の時代の人達の服装とか文化とかどんなふうだったんだろう?と更に興味が湧いてネットで調べたりしていくうちに……
あれ?子供の頃に観たキョンシー映画の時代って、いつの時代のものなの??
と疑問がそっちに広がり、YouTubeで動画を観た瞬間「うわあ懐かしい~~~(//∀//)」とそっからキョンシーに関する動画ばかり見るようになってしまいました(笑) ←前置きが長い(^▽^;)
まずキョンシーについて、最初にも書きましたが、亡くなった人の遺体が動きだす中国での都市伝説みたいなものです。
清朝時代、出稼ぎや旅先で亡くなった人を故郷まで運搬するのが困難だったので、道教の道士が遺体に術をかけてキョンシーにし、自分で歩かせて故郷まで連れ帰ったそうです。
欧米のゾンビと違う点は、死後硬直している遺体なので関節が曲がらず、歩けないからピョンピョン飛び跳ねている。
道士のお札を貼られている間は、道士の命令に従って動いているので大人しい。
だけどお札が剥がれると、人間の生き血を求めて狂暴化してしまう。
そしてキョンシーに殺された者も、その毒が全身に回ってキョンシーになってしまう。
そういったところもゾンビと同じですが、日光に当たると皮膚が爛れ崩れてしまうので、夜しか動けない。
そういうところはヴァンパイアみたいですね(笑)
詳しい解説動画があったので貼り付けておきます。
この動画にも出てきましたが、キョンシーブームは2本の映画から始まりました。
香港で撮影された元祖「霊幻道士」と、それをオマージュして台湾で撮影された「幽幻道士」
どちらも大人気でその後もシリーズ化されて、霊幻道士の方は現在も続編が公開されているそうです。
キョンシーファンの間では「霊幻道士」派 or 「幽幻道士」派に分かれるそうなんですが、両方を子供の頃ビデオに録画して何度も観返していたぐらい好きだったので、どっち派とも言い切れない(笑)
両方それぞれに違う良さがあるので、私は選べないです(^▽^;)
まずは元祖キョンシー映画となった「霊幻道士」
主役はラム・チェインという渋くてカッコイイおじさん道士です。
二枚目半でいたずら好きの弟子チュウサムと、三枚目のおっちょこちょい弟子モンチョイの三人が活躍します。
街の有力者の先祖の墓を掘り起こし、改めて別の場所に埋め直す予定だったのだけど、その遺体がキョンシーとなって息子と孫娘を襲い、人々を恐怖に陥れます。それを退治したのがラム道士たち。
とても狂暴で恐ろしい顔のキョンシーが怖くて、それに立ち向かう道士たちのカンフーアクションがとってもカッコイイ!!(当時は香港アクション映画が絶頂期)
何でもできちゃうカッコイイ師匠とポンコツな弟子たちのやり取りが面白くて、怖いけど面白いカッコイイの三拍子が揃った、ホラーアクションコメディー映画でした。
↓最近お気に入りでよく見ているキョンシー研究所チャンネルによる解説
所長さんがキョンシー愛に溢れている上に、とても分かりやすい丁寧な話し方なので、すごく面白いです。
話し方がとても上手なので、もしや学校とか塾の先生をしていらっしゃるのかな?
私個人的には霊幻道士1は繰り返し何度も観ていて記憶に残っているけれど、2以降はあまり覚えてなくて(^▽^;)
2は1980年代の香港にキョンシーが出没したという内容で、車の上をキョンシーが飛び跳ねているシーンが印象に残っています。
だから一回は見たのかな?それともCMの予告映像だったのかな。
霊幻道士は現在13まで製作されているのですが、主人公のラム道士役の方が44歳という若さで病死されてしまい、その後は弟子のチュウサム役の方が道士役を引き継いで演じられているそうです。
歴代の霊幻道士の映画は、Amazonプライムでも観れるみたいなので、時間がある時に順番に観ていこうと思ってます。
この前復習がてら字幕版でしたが霊幻道士1を観返しました。今観てもめっちゃ面白かった(*≧∀≦*)
霊幻道士も幽幻道士も、映画の中の舞台は清朝末期(1900年頃)の中国なんだそうです。
だから車や電気がなくて、馬車や人力車だったり、家の中にあるシャンデリアも、電気ではなく油に火をつけて明かりを灯していたみたいです。
(そのおかげで最後キョンシーを倒せた)
服装も和洋折衷ならぬ中洋折衷、大体の人はチャイナ服だけど洋服の人もいる。
西洋風のカフェもある。初めて飲むコーヒーに戸惑うラム道士とモンチョイが可愛い(笑)
清朝末期は日本史で言うと明治の終わり頃なので、日本の明治大正時代の雰囲気と似ているかもしれません。
そしてもう一つの「幽幻道士」日本ではこちらの方が有名かもしれません。
「霊幻道士」が大人向けのキョンシー映画で「幽幻道士」は子供向けのキョンシー映画。
美少女道士テンテンを始めとする子供達が大活躍するお話です。
私も子供の頃大好きで、何度も繰り返し観てました(*^_^*)
孤児4人の男の子を連れた旅芸人の親方が、街に向かう森の中でキョンシーを運ぶ道士と出会う。
いたずら好きの子供達は興味津々でキョンシーに近づき、額のお札を剥がしてしまい、暴れ出したキョンシーを親方が倒そうとするが、影をキョンシーに踏まれて動けなくなってしまう。
道士がお札を貼り直してキョンシーは大人しくなったものの、影をキョンシーに踏まれると不幸になると親方に伝え、魔よけのお札を渡して去っていく。
街に着くと、劇場主に一方的に契約を破棄されてしまい、博打でお金を稼ごうとも一向に勝てない親方。
子供達を食べさせていくためにと、劇場前で子供達の曲芸を町の人に見せていると、児童虐待と疑われ警察に連れて行かれてしまう。
親方が警察に捕まったのは、あのキョンシーが影を踏んだからだと子供達は仕返しすることを考え、夜中街にやってきたキョンシー隊から1対のキョンシーをマンホールに落としてしまう。
そのキョンシーのお札が剥がれ、下水道を通って親方のいる牢屋に現れる。
警察たちも立ち向かうが、狂暴で強いキョンシーに太刀打ちできず、親方はキョンシーに噛まれて亡くなってしまう。
悲しみに暮れる子供達は、金おじいさんという道士と孫娘テンテンが住んでいる儀荘(身元不明の遺体を安置しておく場所)で暮らすことになる。
父親代わりの親方にもう一度会いたいと必死に願う子供達に、まだ法術が未熟なテンテンが死者の国へ行ける術をかけるものの、その術は失敗してしまい、親方は狂暴なキョンシーに変貌してしまう。
親方キョンシーにテンテンと子供達が立ち向かうというお話です。
霊幻道士に出てくる狂暴なキョンシーも怖いけど、こちらの親方キョンシーもすごく怖いです。
観直してみたら、生前の親方はとてもいい人で、最期も人を助けるためにキョンシーに立ち向かってやられてしまったとても立派な人でした。
そんないい人が凶悪で恐ろしい姿になってしまい、子供達の声も聞こえないぐらいに変貌してしまうのが悲しい(T_T)
美少女テンテンの可愛さが当時とても話題になってました(*^_^*)
孤児の四人は、チビクロ、チビトラ、デッパ、スイカ頭と変わった名前(笑)
テンテン役の女の子とスイカ頭の役の子は、実の兄妹だったというのは有名な話です。
幽幻道士2で、ぽっちゃりしていて普段はドジなスイカ頭がテンテンをかばって親方キョンシーに噛まれてしまい、命は助かったけれどだんだんキョンシーになっていく。テンテンが親方キョンシーにさらわれてしまい、スイカ頭はテンテンを助けに一人森へと向かう。
泣きじゃくるテンテンを励ましながら守っている姿、実の兄妹だとわかっていて観ると、より一層2人の強い絆に涙涙(T_T)
なんとか金おじいさん達の元に帰ってきた2人だけど、親方キョンシーも追いかけてきて、特殊霊魂になった子供達もやられてしまう。
キョンシーの毒が回って理性を失いそうになるスイカ頭は、皆を傷つけるのを恐れて自殺を図ろうとするも死にきれない。
最期は皆を助けるために、自分の体にダイナマイトを巻いて、親方キョンシーに飛び付いて自爆してしまう。
泣き叫ぶテンテンの声に、観ているこっちも泣いてしまいました(ノД`)・゜・。
当時観ていた時は、彼らより少し上の年齢だったから、より親近感が増して好きになったのかもしれませんね。
キョンシーは目が見えなくて人間の吐く息の臭いを嗅ぎ付けて襲ってくるので、霊幻でも幽幻でも息を止めるシーンが何度か出てきます。
それを見てこっちまで息を止めて見入ってた記憶があります(^▽^;)
キョンシーが突然現れて襲ってきたらどうしよう、どこに隠れようと妄想して眠れなくなったことも(笑)
可愛らしいテンテンがすごく人気でしたが、近所の友達はチビクロが大好きでした(笑)
私が幽幻で大好きなのは、めっちゃめっちゃカワイイベビーキョンシー(≧▽≦)
「パパーおうちに帰ろう」と突然現れて、キョンシーをどこかに連れて行こうとする無敵キャラ。
顔立ちも仕草も声も何もかもがカワイイ、可愛すぎる~~(//∀//)
ベビーキョンシーが観たくて幽幻を観ていたと言っても過言ではない(笑)
ベビーキョンシーは他の大人キョンシーとは違い、幽霊みたいに自由自在に出現して消えたりします。
幽幻2でベビキョンの悲しいエピソードが語られてました。
戦争に巻き込まれた父親と幼い子供が森の中を逃げ回っていた時、大木が倒れてきて父親が下敷きになってしまいます。
子供を逃がすために父親は「お前だけでも助かってくれ」とそこで命を落とします。
残された幼い子供は泣きながら森を彷徨い、崖から落ちて死んでしまいました。
それで幽霊ベビーキョンシーとなって、父親を捜しまわっているのではという話です。
無邪気に「パパー抱っこしてー」とキョンシーに駆け寄るのには、そんな切ない理由があったのですね(T▽T;)
すごく好きだった幽幻道士、でも私の記憶では2で止まってる……(;´Д`)
あれ?私続編の3って観たっけ?ツギハギにされたスイカ頭キョンシーを観た記憶はあるけど、どんな話だったか全く記憶にない(゜´Д`゜)
という事で、幽玄1・2を観たあと、続けて3を観ました。
ところどころ断片的にうろ覚えで印象に残ってたけど……最後まで見るとなんで3の記憶がなかったのか、なんとなくわかった(笑)
2までのテイストがそこからガラッと変わってしまい、キョンシーに襲われる恐怖感が全く感じられなくなってた!!!
いい意味で完全に子供向け映画に全シフトした感じ、いっぱい新キャラ出てきたけど、なんていうか……
日曜朝の特撮戦隊ヒーローの悪役キャラ(ムササビ道士)と怪人(フルメタルキョンシー)かっ!!?
デッパとチビトラがいなくなったのはまあいいとして、いきなりトンボってキャラが増えてるし( ̄_ ̄ i)
映画3と同時期にテレビドラマの撮影も行ってたそうだから、それとリンクしているのかもしれないですが、子供達に人気だったから内容もアクションも子供向けになっていったのだなあ…と、なんとなく寂しい気持ちで3を観終えました……
幽幻道士は5まで製作されているそうなので、テレビドラマ版も観てないし、一応そちらも観てみたいなとは思ってますが、
私の中で霊幻1幽幻1・2を超える作品は出てこないかもしれません(思い出補正も含め)
大人になってから観るのだとしたら、霊幻の方がいいのかもしれないですが、その霊幻シリーズも昨今のものは評価が賛否分かれているそうです。
その理由としては、キョンシーが出てこなくなったから。
キョンシー研究所の所長さんが動画でお話されていましたが、現在の中国の映画検閲規制で「カルトおよび迷信を流布する内容は禁止」となっているそうです。
実在しないもの、科学で証明されないものは取り扱ってはいけないそうなんです。
死体が動くゾンビであるキョンシーはNGとなっているので、道士はキョンシーと戦えなくなってしまっているらしいです。
社会主義国はいろいろと難しいんだね…政治的なことでなくても、フィクションやファンタジーは淘汰されてしまうのか…
だからキョンシーは絶滅危惧種(^▽^;)
キョンシー研究所の所長さんは「キョンシー好きな人が、令和になった今でもキョンシーのことを語って、キョンシー映画の面白さを広めてもらえば、中国以外のアジア圏でキョンシー映画が製作されるようになるかもしれない」とおっしゃってます。
動画のコメント欄を観てると、若い世代の人達の中にも、霊幻幽幻を観てキョンシー映画好きになったという人もいます。
あの頃みたいなブームはもう起きないかもしれないけれど、キョンシー好きな人はまだまだ存在してるんだなあ。
ドラゴンボールで有名なマンガ家鳥山明さんもキョンシーファンなんだそうです。
言われてみれば、ドラゴンボールのキャラでチャオズっていう特殊霊魂に似た子供が出てきてますね。
元々ドラゴンボールは西遊記をモデルにして作ったものなので、主人公も「孫悟空」ですし(今や世界的にこの名前はこっちという認識になってると思う)
服装も名前もチャイナ系だし、天下一武道会はカンフー大会なところあったし。
それでもこのキョンシー研究所チャンネル観るまで、鳥山明先生がキョンシー好きだとは知りませんでした。
所長さんがその証拠をゲットした時の動画↓
あとひとつ、すごく気になってるのが、道士たちの使う道具だったり法術だったり…
なんか見覚えがある、なんかに似てる気がする……
ハッ!Σ(゚◇゚;)
牙狼の魔戒法師たちーーー!!!!
お札とか鏡とか魔道具全般、道士が使ってるものと酷似しているうーーー!\(◎o◎)/!
そう言えば、ホラーも夜しか人間襲わないし、元々ホラーを退治していたのは魔戒法師たちで、魔戒騎士はあとからできたものだし!!!
もしや…雨宮監督、霊幻道士から影響受けてません??(笑)
今になってキョンシー映画が牙狼と繋がってるかもしれないなんて思いもしなかった(^▽^;)
そこらへんも踏まえて、霊幻・幽幻シリーズこれからも観て行きたいと思います⸜(*ˊᗜˋ*)⸝