横浜市営地下鉄グリーンライン日吉本町駅を出で、東へ少し行き左折、すぐのY字路を右折、ひとつ目のT字路を左折して直進すると、駒林小学校に当たる。そこを学校の敷地に沿って左へ行き、3分ほどで右に天台宗・西量寺。
十数段の階段を登ると本堂がある。本堂と住宅は棟続きとなっており、境内と呼べるほどのスペースもなく、一般住宅の庭程度の広さ。周囲も住宅地なので、この本堂の造りだけが異質な存在となって見える。
創建年代は不詳だが、永享十二年(1440)と文明年間(1469-1486)の逆修碑があるという。応仁の乱前後の時期だ。
逆修碑は、生前に死後の冥福を祈って供養を行うことをいう。
『新編武蔵風土記稿』にも少しだけ記載がある。
「前に石階十六級あり、本尊は千手観音の立像にて長一尺許、古碑四基あり(後略)」
この古碑が逆修碑のことだろう。
本堂の脇に小さな「水かけ観音」像がある。開眼が平成九年とあるので、まだ新しい観音様だ。
私はここが学区の中学に通っていたので、この道は通学路ではないにしても、しばしば通っていたのだが、ここに寺があったという記憶がない。これだけ住宅地に馴染んでしまっていては、十代の若造には寺と認識できなかったのも、まあわからなくもない。
[横浜市港北区日吉本町6-16-31]