第百六十社・洗足池弁財天 | 百社詣で・百寺詣で

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 先の妙福寺から洗足池を反時計回りに歩き、ほぼ真北にある出島様の場所にある洗足池弁財天。赤い太鼓橋を渡るとすぐに右に折れて赤い鳥居、そして赤い社殿が目に鮮やかである。祭神は市杵島姫命。市杵島姫命は宇賀神、宗像神、弁財天でもある。

 

 

 掲示によれば、「古来より洗足池の守護神として池の北端の小島に祀られていたが、長い年月で池の中に没してしまっていた」とのこと。昭和の初め頃になって、数多の人の夢枕に弁財天が出現し、これが契機となって社殿建立の話が具体化。そして昭和九年(1934)七月に洗足風致協会の手によって築島遷宮となったという。

 

弁財天付近から洗足池を望む

 

 この洗足池弁財天は厳島神社とも言う。弁財天は市杵島姫、イチキシマだ。厳島神社はイツクシマである。

 広島・宮島の厳島神社の社伝には、推古天皇元年(593)に当地の豪族だった佐伯鞍職が勅許を得て市杵島姫命を祀る社殿を創建したのがはじまり、とある。そのことから厳島は市杵島から転じたものではないかという説がある。

 洗足池の小島に浮かぶ弁財天、確かに厳島神社と呼ぶに相応しいロケーションではある。

 

歌川広重『名所江戸百景』千束池袈裟掛松

 

[東京都大田区南千束2-23]