狼たちの午後 | まーのブログ

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1972年の真夏のブルックリンで実際にあった銀行強盗立てこもり事件を描いた作品。監督はシドニー・ルメット、主演はアル・パチーノ、共演はジョン・カザール、チャールズ・ダーニング、ジェームズ・ブロデリック等です。

 

(1975年度:アメリカ)

 

ベトナム戦争、人種差別問題(この物語の前年にアッティカ刑務所暴動事件が発生)、同性愛問題など、当時のアメリカの社会情勢を背景にした社会派サスペンスです。でも、重苦しい内容ではありません。ちゃんとした計画性があったのか、とツッコミたくなる強盗犯グループのドタバタぶり、人質との間に芽生えた奇妙な連帯感、主犯のソニーが銀行の外に堂々と現れて警察とやりとりする珍妙な姿など、並みのコメディーでは敵わないユーモア性を有する作品となっています。そして極め付けはソニーの犯行動機。ゲイの恋人の性転換手術費を用意するためだったとは(笑)。時期的に言うとアメリカン・ニューシネマの終焉を飾った名作です。アル・パチーノの熱演が素晴らしいです。ちなみにソニーのモデルとなった犯人は懲役20年の刑に服することになりましたが、本作の収益の一部を受け取り、彼の恋人は無事「女性」になれたんだそうです。心温まる?エピソードですね(笑)。

 

(ムービープラスで再鑑賞)