アメリカ人青年のトム・リプレーは大富豪のグリーンリーフ氏に依頼され、彼の息子フィリップを連れ戻すためにイタリアに来た。だが、親の財力で遊び呆け、傲慢な態度をとるフィリップに殺意を抱く…。監督はルネ・クレマン、主演はアラン・ドロン、共演はモーリス・ロネ、マリー・ラフォレ等です。
（1960年度：フランス・イタリア）
ヨット上でフィリップを殺害し、彼に成りすまし、フィリップの財産も恋人も奪う完全犯罪を計画したトム。とんでもなく卑しく、とんでもなく悪知恵が働き、とんでもなく行動力があり、とんでもなく美しい…。それがトム・リプレーという男で、まさにアラン・ドロンにとって一世一代のハマリ役です。緻密な演出構成によるストーリー展開。太陽が燦々と降り注ぐ海や、風光明媚なイタリアの風景、街並みを映し出した映像美。ニーノ・ロータ作曲の甘美なメロディーのテーマ曲。そしてラストのどんでん返しの鮮やかさ…。名作たる要素をすべて兼ね備えた超一級サスペンスです。
（NHK-BSで再鑑賞）