キューバ革命の立役者であるチェ・ゲバラの半生を描いた作品の前編で、監督はスティーブン・ソダーバーグ、主演はベニチオ・デル・トロ、共演はデミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ等です。
(2008年度:スペイン・米・仏)
アルゼンチン人のエルネスト・チェ・ゲバラは、バティスタ政権の打倒を目指すフィデル・カストロと意気投合。約80名の同志と共にキューバに渡り、政府軍との戦いに身を投じていく…。
革命に突き進むゲバラと、その数年後に国連で演説するゲバラ。二つの時代を交互に描きながら、ドキュメンタリータッチで淡々とストーリーが進行していきます。革命パートでは、政府軍との戦闘シーン以外にも興味深いことが描かれていました。それは読み書きが出来ない兵士に勉強をさせたり、一兵士の不満を聞いてやり、些細な問題を解決したりするシーンです。映画的には地味な描写ですが、そんな細部まで描いている点にリアリティーがありました。そして市街戦のシーンが意外と迫力がありました。一方、合間に挿入される国連演説パートは、せっかく緊張感があって面白い革命パートを分断してしまっています。個人的には時間軸をいじらずに普通の構成にしてほしかったです。その点には不満が残りますが、全体としては十分楽しめたし、すぐに後編が観たくなりました。ゲバラに成りきっているベニチオ・デル・トロが素晴らしいです。
(ムービープラスで鑑賞)