ぼんち | まーのブログ

まーのブログ

映画レビュー、グラビア画像、アニメ画像、音楽映像などをアップしております。

まーのブログ

大阪・船場の老舗・足袋問屋の若旦那の半生を描いた作品で、原作は山崎豊子さん、監督は市川崑さん、主演は市川雷蔵さん、共演は山田五十鈴さん、毛利菊枝さん、船越英二さん、中村玉緒さん、若尾文子さん、京マチ子さん、草笛光子さん、越路吹雪さん、北林谷栄さん等です。

1960年度:大映)

これ以降、かなりネタバレしているのでご注意してください。昭和初期、何かにつけて仕来りに縛られていた船場を舞台に、若旦那の女性遍歴が描かれていきます。若旦那と個性的な美女たちとの絡みが見所ですが、旧態然とした船場の世界にも興味を惹かれました。若旦那のお祖母さんとお母さんが嫁をネチネチと管理します。たまらず体調不良という口実で実家に逃げた嫁。そして嫁が実家で子供を生むやいなや、即離縁させてしまいます。家風を無視して仕来りを破ったからです。そして妾に対しても仕来りがあります。妾が男の子を生むと五万円、女の子だと一万円を手切れ金として渡すのがルールでした。ちなみに妾(若尾文子)は五万円あれば一生困らないと言ってました。そしてお祖母さんは今度は妾に女の子を産んでほしいと願います。女の子なら優秀な男を跡取りとして婿に迎えられるという考えです。本当に驚きの世界です。そんな世界で放蕩に放蕩を重ねる若旦那でしたが、結局は女たちに振り回された半生なんですよね。若旦那と関係を持った女たちが仲良く入浴して楽しそうに談笑するシーンは印象的な名場面です。ラストで昔から仕える使用人が呟く「船場で生まれなければ立派なぼんちになれたのに」というセリフが余韻を残します。さすがは山崎豊子作品といった面白さでした。