第三の男 | まーのブログ

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米英仏ソの四ヵ国による分割統治下にあった第二次大戦直後のウィーンを舞台にした名作サスペンスで、原作はグラハム・グリーン、監督はキャロル・リード、主演はジョセフ・コットン、共演はオーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ等です。

1949年度:イギリス)

親友ハリー(O・ウェルズ)を訪ねて来たホリー(J・コットン)は、彼が交通事故死し、更に違法薬品の闇取引の黒幕だった事を聞かされ愕然とする。ハリーの死には三人の男たちが立ち会っていたが「第三の男」の正体は不明。釈然としないホリーは真相追求に乗り出す…。

オールタイム・ベストに挙げられることもある名作中の名作ですが、ストーリーは至ってシンプルです。誰が観ても「第三の男」の正体は「まるっとお見通しだ!」ということになりそうなので、ミステリーとしては二流、いや三流と言い切ってもいいかもしれません。では何故名作なのか? クライマックスの下水道の追跡劇に代表されるスリリングな娯楽性と、少し斜め気味に撮影したユニークな構図や、光と影のコントラストを強調した映像美に代表される芸術性が見事に融合しており、チターによる独特のテーマ音楽がストーリーにベストマッチ。そして映画史に残る屈指の名場面の一つに数えられるラストシーンが決定打となり、誰もが認める名作に成りえたと考えます。クラシック映画をあまりご覧にならない方でも、一度観ておいて損はない作品です。