いつか読書する日 | まーのブログ

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お互いの恋心を長年に亘り胸にしまってきた男女の日常を描いた映画です。監督は緒方明さん、脚本は青木研次さん、主演は田中裕子さん、岸部一徳さんです。

10代の頃に交際していたものの、お互いの親同士が遭遇した事故が原因で別れた男女。独身の美奈子(田中裕子)は、牛乳配達とスーパー勤めに精を出す日々を送り、槐多(岸部一徳)には死期が間近の妻がいる。槐多の妻・容子(仁科亜季子)は、二人が想い合っていることを悟り、自分が死んだら一緒になってほしいと懇願する。しかし、過去が拭い去れず、煮えきらない二人…。

メインストーリーの他にも、認知症老人や育児放棄の母を描いたサイドストーリーが盛り込まれており、社会性も充分な内容です。個人的には少し鬱な気分にさせられましたが、見応えのある作品でした。よく練られた脚本と演出に応えた主演二人の演技が素晴らしいです。特にタイトルの意味が判明する終盤の展開が巧みでした。地味な映画ではありますが、こういう作品が現代の日本映画の良心ではないでしょうか。