さて前回ハゲハゲにしちゃったワイルドハンチ。
このまま使うか色塗り直すか考えていた時に
内部に浸水している事が発覚しました。
拾ったルアーはもちろん、中古で売られているルアーにもこういうパターンはあります。
振ってパチャパチャ音がするほど大量に浸水しているとなると。それはもう穴があいているとしか思えませんがw 接合部分の接着が甘かったり、ぶつけて剥がれるケースもあり。ぶつけていなくても劣化によりクラックが入り、そこから内部空気の膨張と収縮を繰り返すうちにこうやって水が入り込む事があります。
でコレが原因で内部のウェイトやラトルがサビて固着し、ルアーがまともに泳がなくなるんです。
(・∀・)今回はルアー拾イストのムーさん流「ルアー内部に入った水を抜く」方法を教えたいと思います。
まず用意するのはコチラ。
細めのドリル。
プラモ作る用の細いセットとかでぜんぜん良くて、突っ込む棒のサイズしだいだけど、1.0~1.5mmくらいがイイんじゃない?
勇気を出してドリルで穴開けよう!
目立たなそうな位置が良いと思うので、肛門あたりがオヌヌメです。
ただルアーは部屋が分かれている事があるので、浸水している部屋を間違えないように。
穴を開け終わったら、ドライヤーでルアーを温めます。
試しに背中側を3分ほど温めました。
ご覧のようにさっきの水滴は見えなくなりましたが。
お腹側はこのように蒸発した水分で曇ります。ここ重要。
たかだか1mm程度の穴しか開けていませんから、そう易々と水分は抜けません。
ドライヤーの熱だけで抜き切ろうとぜず、ここは様子を見ながら2~3日。なんなら1週間放置くらいのつもりで水分が蒸発しきるのを待ちましょう。
時折ドライヤーで温めて放置して、また温めて放置して。内部が曇らなくなったら水分が抜けきったという事になります。
隙間に大粒のしずくが残っている時もあるので、振ってみるのも大事です。
ちなみにコレは時々ドライヤーあてながら、丸2日様子見ていました。
水分が全部抜けきったら、穴を塞ぎます。
使用するのは100均のヘアブラシ。これが穴塞ぐのに最適かなって。
ブラシの毛を1本切り取って
それを穴に差すんです。
で差し込む前に塗るのが
瞬間接着剤。
接着剤なら何でも良さそうな気がしますが、あんまベットリしたのだと馴染みが悪そうなので、瞬接が丁度良いのではないかと。
まず穴に入るか試し差しをし、どこまで入るか確認してから、必要な位置に瞬接を塗る。
あとはエイヤッと差し込むだけです。
ヘアブラシの毛はたぶんナイロンだと思います。弾力があるのでムギュッと差し込むくらいが丁度良いのではないかと。
乾いたらカッターなりニッパーなりで飛び出た部分を切り落とします。
で今更の話ですが。何かにぶつけてヒビや割れが発生していて、そこから浸水しているとわかるモノであれば、まずはそこから修理しないとならないのですが。今回のようにどこから浸水したのかわからない場合。
接合した合わせ目や薄いヒビですね。肋骨上に見える線は劣化によるヒビです。そこから徐々に浸水した可能性が高くなります。
ドコって特定出来ないので、次が最後の防水対策になりますが。
その前に、ちょっと色入れたかったんで色塗ってみました。
はい。背中だけ黒くスプレーするんじゃ味気ないと思ったので、油性ペンで横にブツブツ模様も入れてみました。
だから塗り直さなくて良いルアーならこの作業は不要です。
あと透けていない色のルアーは浸水わからないので、塗料剥がすか諦めて下さいw
では仕上げに入ります。用意するのはコチラ。
牛乳じゃないです。紙コップに入れた水性クリアー塗料です。
乾く前は白濁した液体なので、白く見えます。
なぜ水性なのかと言うと。実はルアーに使われている素材はABS樹脂である事が多い中、ポリスチレン(PS)樹脂が使われている事もあり、これがめちゃ溶剤(シンナー)に弱いんです。
見てどっちか判断できないので、どちらにせよ水性塗料を使った方が安全だという事。
例えばポリスチレン製だったとして、それが溶剤でどうなるのかと言うと。表面に亀裂が入ったり、細かいヒビが入ったり、白濁したりします。その悲劇の経験者ですw
ちなみにポリスチレンって何?って(・∀・)発泡スチロールの発泡してないヤツだよぅ!
発泡スチロールを見つけたら油性ペンで字書いてごらん、その字の部分溶けて凹むから。除光液とかかけてみてもいいよ、溶けるから。
(・∀・)ちなみにABSとはアンチロックブレーキシステムの事ではなく、アクリロニトリルブタジエンスチレンの事です。仕事柄プラを塗装する事が多く、PS樹脂の扱いにはほんと手間がかかります。ABS樹脂は嬉しいw
そしたらこの液体の中にターミネーターするだけです。
ダダンダンダダン!ダダンダンダダン!
(浸し終わったら塗料は元の入れ物に戻しましょう。)
え?水性クリアースプレーじゃダメなのか?ってね。ぜんぜんOKです。
ただドブ漬けの方が失敗のリスクが少ないし、容赦なく全体コーティングできるっしょ。
しばら~くこんな感じでタレるので、この垂れた部分の塗料をつまようじなどでちょんちょんして取ってあげないと、このまま固まったら困るのでw
気温や湿度によりますが、15分くらい面倒見ていればタレも落ち着くでしょう。
フックアイが塞がりやすいので、つまようじを繰り返し通して垂れる塗料と戦いましょう。
で乾いたらこんな感じになります。
(・∀・)ちゅるり~ん♪
ツヤ感に満足出来なかったら、吊るす向き変えて、もっかいドブ漬けするといいよ。
どうしても重力の都合上、上が薄く、下が厚くなっちゃうので。手間かけられる人は乾くまで串焼きみたいにクルクル回してるといいかもw
ツヤが出ると
肛門に差したブラシもよく見えるようになるので、こんな感じになります。
これがルアー拾イストの楽しみ方と修復法です。
こんなドクターストーンの世界から出てきたようなルアーがココまで復帰するなんて思わなかったろ。
(´ー`)さぁみんなもダメモトでやってみよう♪