「カルートス将軍 格納基地より重機動メカ『メタル・ドラゴ』が発進しました！』
モニターで自軍の不利な戦況を見てイライラしていたカルートスだったが、メタル･ドラゴ発進の報告を受け 少し肩の荷を下ろせた気がした
「ガルバスめ！ 遅いわ！」
ダーク･ロア機甲軍が誇る陸戦用重機動メカのメタル･ドラゴの実力は、過去に戦った事の有るカルートスが一番良くわかっていたので鬼岩島に上陸したグランドダイモンの始末はガルバスに任せることにした
そして、カルートスは妖鬼兵に自分の怒りを向けるべき獲物を捕捉する為の次の指令を出した
「監視衛星が使えなくてもレーダーが有るでしょう！
レーダーで、ミサイルを撃ち込んで来た宇宙刑事の戦闘母艦の位置を探しなさい！」
カルートスは、要塞基地を破壊された恨みを果たす為にビッグダイモンの位置を特定しようとしたのだった
しかし、鬼岩島基地が発信している強力な妨害電波とアンチレーダー粒子の影響で 簡単には、ビッグダイモンを見つける事は出来なかった
「俺の名は、モビー 私立探偵のモビー
今、俺は・・・・ 悪い、独り言を言ってる暇なんか無かったんだ！」
モビーは、ビッグダイモンの胴体に牽引されているフロッグポッドＭＧ０５の操縦席から、ビッグダイモンを遠隔操縦して作戦通りにミサイルの第二波攻撃を開始した
「カエルちゃん！ミサイル発射！！」
「あいよ！おやびん！」
相変わらずの口調で返事をすると、フロッグポッドＭＧ０５はミサイルがを発射した
ドシューン 
ドシューン
モビーは、ミサイルの弾道がプログラム通り鬼岩島に向かっていることを確認すると作戦通り次の矢を放った
「続いてレイカースロボ・ビクトリー射出！！」
「ガッテン承知！おやびん！！」
カエルちゃんの返事を聞いたモビーは
「きっと、俺がコンピューターの言語システムをいじらなけれ『ＹＥＳ ボス！』
なんて答えてたんだろうなぁ」と、思った
「カルートス様！ 敵戦闘母艦を発見しました！」
「そうか！ ただちに迎撃ミサイルを発射！ 叩き落としてくれるわ！！」
ダーク･ロア軍・銀河連合軍 双方の強力なジャミングの為に、誘導ミサイル攻撃が出来ない事をカルートスは忘れていた
「将軍！ 敵艦からミサイルが発射されました！」
「何っ！」 
先手を取られたカルートスは、焦った
「早く、迎撃ミサイルを発射しなさい！！」
妖鬼兵は、急いでこちらに飛んでくるだろうミサイルをロックオンしようとしたが、自軍の妨害システムに阻まれ手こずっている内にミサイルは鬼岩島間近に迫ってしまった
「まっ、間もなく着弾します・・・ あっ！ミサイル後方に巨大ロボットが・・・」
グオーン！ 
「巨大ロボットだと！？ ミサイルは、こちらの気を逸らす為のオトリだというのか！？」
監視衛星等の監視システムを全て失い、レーダーのみによる索敵だったためミサイルと巨大ロボットの差異に気が付かず、敵の援軍に気が付かなかったカルートスが、怒りながら叫んだ時 十数発のミサイルが鬼岩島基地の施設に命中し島中で爆発が起きた
ドドドーン！！ ドドドーン！！ ドドドーン！！
「おのーれ！ レイカースめ！！」
モビーは、この時が来ないこと心のどかかで少し望んでいた
しかし、来ないということは〝作戦が途中で失敗した″ということを意味していた
それは、学生達の救出が出来ないということで 桜大門とレミーが生きて帰れない可能性も有るという最悪のシナリオになることなので絶対に有ってはいけないと理解もしていた
幸運にも、作戦の前段階は大成功のようだった
その為、ここまで自分達が立てた作戦が パーフェクトに実行されてきた代償に、この時もパーフェクトにやって来たのも事実だった
モビーは、大きく溜息を一回つくと諦めを付けた
「そろそろ、今回の作戦を本格的に始めますか・・・カエルちゃん」
モビーの言葉通り『ミッション・バイオレンス（格闘聖書）』は、ここからが本番で ここまでの、宇宙空間での艦隊戦や超時空母艦ビッグダイモンによる奇襲やグランドダイモンによる鬼岩島上陸作戦の全てが、カモフラージュの為のオトリでしか無かった
「カエルちゃん
俺、ジェットコースター系が大嫌いで遊園地行ってもゴーカートやコーヒーカップにしか
乗んないんだよなぁ・・・」
モビーは、一拍開けた後 大きな声で言った
「第３波ミサイル全弾発射！
その後ただちにフロッグポッドＭＧ０５を
ビッグダイモンから切り離すんだぁ！！」
「あいよ！おやびん！」
すぐに、ビッグダイモンから第３波のミサイルが発射されたが 作戦通りそのうちの３発が奇岩島には向かわず海面に落ちた
直後にフロッグポッドＭＧ０５改め『カエルちゃん号』がビッグダイモンから切り離された
「第三波 ミサイル発射されました！！」
「ジャミングは、どうなっている！！ 妨害出来んのか！？」
「多少は効いているのか！？・・・・ って
何を言ってるの！ ほとんどが島に届いていては意味が無いでしょう！！」
カルートスは、ミサイル攻撃に気を取られモビーの本当の目的には、全く気付くことは無かった
それどころか、どうしてレーダー感知システムや電波誘導システムが使えない中、レイカース側のミサイルが的確に要塞基地施設に命中しているのか不思議でしようが無かった
その頃、モビーの乗るフロッグポッドＭＧ０５改め『カエルちゃん号』はカルートスに気付かれることなく
高度7,000メートルから自然落下を、楽しんで・・・・
ぎょえ～！！
たじけで～！！
予定通り海面をめがけて落下していたが、楽しんではいないようだった
〔あとがき〕
いよいよ『ミッション・バイオレンス（格闘聖書）』の最も重要なミッションが始まりました
ところで皆さん 『ミッション・バイオレンス（格闘聖書）』の内容を覚えていらっしゃいますか？
最近、『宇宙戦艦ヤマト２１９９ネタ』や『あまちゃんネタ』が多いので（笑）忘れてしまわれても仕方が無いと思います（笑）
忘れられた方は、宇宙刑事レイカース３ 無限融合・第４４話を御覧下さい
↓ （クリックいただければ飛びます）
宇宙刑事レイカース３ 無限融合（アトミックショック） 第44話
・・・こんな作戦だったんですね（笑） 思い出していただけましたか？
宇宙刑事レイカースのスピンオフ作品の宇宙刑事レイカース３ 無限融合は、宇宙刑事レイカース２ 格闘聖書のストーリーを、主人公を変えモビーとレミー目線で書いています
本編（桜大門目線）での今回のストーリーが気になる方は、２０１１年9月２１日更新の宇宙刑事レイカース２〔格闘聖書〕第20話を御覧下さい
↓ （クリックいただければ飛びます）
更新したのは、もう1年も前になるんですね・・・ げっ！２年前だっ！
この時点で今回のストーリーは決まっていましたので、色々と伏線を忍び込ませていました
当時、よく意味がわからない部分が有ったと思われた方もいらっしゃったと思います
たとえば、宇宙刑事レイカース２ 格闘聖書第２０話で使用した ビッグダイモンからレイカースロボが発進するカットのこの写真・・・
写真
の右下を御覧下さい
桜大門もモビーも、気が付いていませんでしたが（笑）秘かに伏線を張って置きました（笑）
２年間、黙っているのが辛かったです（笑）
やっと、今回で大々的に飛び降りていただく事が出来ました（笑）
ちなみに、この写真は『怪奇大作戦』第一話『壁ぬけ男』へのオマージュを込めました
他にもポロポロ入っていますので、探して見るのも楽しいかも（笑）