宇宙刑事レイカース3 無限融合(アトミックショック) 第44話 | 宇宙刑事レイカースFUN

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「俺の名は、モビー 私立探偵のモビー

 今 俺達は、地球に戻り次第 実行する『学生達の救出作戦』の、最後の打ち合わせをする為

 月面基地の個室を借りて、ミーティングを始めるところなんだ

 でも、『学生達の救出作戦』・・・もっと良い名前考えた方が良いなって俺は思うよ」

いつものようにモビーは独り言で、たまに出る モビー特有の『こだわり』についての語ってくれた


桜大門・モビー・レミーの三人がいるミーティング・ルームは、月面に駐屯地している艦隊の作戦を打ち合わせする為の部屋で、テーブルの中央には『鬼岩島』付近のCG映像が3Dのフォログラフィーで投影されており 三人は、鬼岩島を囲むように席に着いた

「じゃ、作戦を確認する

 繰り返しなるけど 今回の作戦は、モビーとモビーの乗る『フロッグポッドMG05』が、主人公で

 俺とレミーは モビーが、ダーク・ロアに見つからず鬼岩島に行き着く為のオトリにすぎない

 って事を、忘れないでほしい」

桜大門は、そう言うとレミーと二人で モビーの顔を見てニコッと笑った

「わかってるけど お二人さん、相変わらずプレッシャーかけるね」

「安心して 私達も、オトリはオトリで命がけで全力でやるから」

桜大門も、レミーの言葉にうなづいた

「まず、 『ビッグ・ダイモン』は、高度7,000メートルで鬼岩島に向かいミサイル発射ポイント上空で停止

 その場で機体を維持する」

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桜大門が『ビッグダイモン』の名前を言うと同時に、フォログラフィーに『ビッグダイモン』のCGが現れた

「ミサイルは、起点となる発射ポイントからの標的までの位置を正確にインプットされるから

 ここが狂うと、みんなハズレてしまうの」

なるほど、恐ろしくアナログなシステムを採用しているようだった

「第一波攻撃で発射される 特殊ミサイルは20発」

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「鬼岩島基地の、バリア発生装置の数と一緒だね」

モビーの言葉にうなづいた桜大門は

「鬼岩島付近の映像をダーク・ロア要塞に把握されないように

 銀河連合艦隊の協力を得て、ダーク・ロアの監視衛星を一斉に破壊する

 それを合図に、ミサイルによる第一波攻撃でバリア発生装置を全て破壊して

 『ダーク・ロア要塞』を丸裸にする」

と言った
                
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「上空からの攻撃では破壊出来ないから、発射されたミサイルは海面スレスレを飛んで

 ほぼ、水平の角度でターゲットを破壊するわ」

「バリアの消滅が確認出来次第、俺とレミーは『グランドダイモン』で出撃する」

「飛行機付き戦車の事だね」

レミーは、モビーに「そろそろ『グランドダイモン』の名前覚えて」と言おうと思ったが、言い出したらキリが無いのでやめた

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すると、今度はフォログラフィーの鬼岩島にグランドダイモンの姿の映像が現れた

「鬼岩島の、このポイントに着地次第 敵の攻撃を避けながら ポイントBを目指す」

「着地ポイントと このポイントが、この前 鬼岩島に行った時のデーターを元に割り出した、もっとも防空設備が少ない地点と

 ダークロア要塞を肉眼で確認することが出来て、グランドダイモンが装備している火器が

 要塞を射程距離に捉える事が出来る最良のポイントなの」

「このポイントを押さえることが出来たら、『グランドバスターキャノン』で要塞を直接攻撃する」

「戦車の攻撃ぐらいで、あの要塞を破壊出来るのか?」

「多少のダメージを負わせることは出来るだろうが、破壊は出来ないだろうな」

すぐに、レミーが補足説明をした

「破壊出来なくても良いの、オトリだから  敵の注意を、私達に向けられれば良いのよ」

その瞬間 モビーは、さっきレミーの言った『命がけで全力でやる』の意味がわかった

「そんなことしたら、二人が要塞からの一斉攻撃の標的に成るだけじゃないか!」


しかし、桜大門とレミーはニコっと笑って

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  「良いの良いの、それが目的だから」     「良いの良いの、それが目的だから」


と、同じ事を同時に言った


「それが目的だからって・・・・」


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「大丈夫、当たらなければ良いんだから・・・ うん、全部避けるから 安心して」

どう考えても、不可能な事だが この二人が言うと、簡単に出来てしまいそうだから不思議だと、モビーは思った

「要塞からの攻撃だけじゃなくて、迎撃戦闘機の攻撃にも対応しなければならないから

 要撃開始と同時に、スカイダイモンはグランドダイモンと分離して、迎撃機の攻撃に備えながら

 空から要塞を攻撃する」

今度は、フォログラフィーにスカイダイモンのCGが現れた

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「グランドダイモンとスカイダイモンで、徹底的に要塞を攻撃すれば必ず・・・」

「あの、怪獣のロボットが出てくるんじゃない?」

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「そう、絶対出てくるわね 奴らの切り札だからね」


妙に二人が嬉しそうに話すので、モビーは気になった

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「何か、二人とも嬉しそうに見えるんだけど

 そいつ『ロア何とか』って言う、目茶苦茶硬い金属で出来ていて 強いんじゃないの?」

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「間違いなく強いだろうね きっと、激しい戦いになる」

桜大門の意見に同意するように、レミーはニコニコしながらうなづいていた


「やっぱり、二人とも喜んでるよね? 苦戦するかもしれないのに」


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「だって、苦戦しても激戦になった方が良いじゃない 花火は派手な方が目立つでしょ?」

「空に大きな打ち上げ花火がいっぱい上がっていれば、誰も『線香花火』の火花に気が付きはしないよ」

この二人は、本気で命を懸けて自分のミッションを成功させる為のオトリになる気である事をモビーは悟った

「二人とも、本物の大馬鹿者だな・・・ 」

二人の気持ちを知ったモビーも、本気でミッションを遂行する気持ちになっていた

「で、俺は何をすれば良い?」  宇宙刑事レイカースFUN


「敵の重機動メカが出撃してきたら、こちらも『レイカースロボ・ビクトリー』を発進させる

 しかし、これも『フロッグポッドMG05』の発進を奴らに気付かれないようにする為のカモフラージュだ

 発進の手順は まず、ミサイルの第2波攻撃を開始 それと、同時に『ビクトリー』を発進させる」

「ダーク・ロアに、ミサイル攻撃は『ビクトリー』発進のカモフラージュだと思わせるの」
作戦は、徹底して『フロッグポッドMG05』の存在を気付かれないようにカモフラージュの為のアイテムを、念入りに仕込んでいた

「カモフラージュの為のミサイル攻撃だけど、どうせ発射するなら破壊しておきたい

                           施設をターゲットにするけど、何か有る?」

レミーの質問に、モビーはいくつかの施設を上げた

「いくつか大きなレーダーが有ったから、それと・・・海岸に向かう唯一道の、大きな橋 かな」

モビーの提案に対し桜大門は一部だけ同意をした

「橋は、破壊しよう だが、レーダーは壊さない方が良いな」

「何で? こっちの動きがバレ無い方が良いんじゃねぇ?」

「いや、監視衛星が壊されレーダーまで使えなくなったら 奴らは、警戒を強める

                それだったら、適当にレーダーによる情報を与えた方が良い」

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「こちらに有利な形に勘違いされるように、少し手を加えた情報をね」

「例えば、発射したミサイルの内 数発は強力な妨害電波の影響で不発弾になったようにして

                                                  海に落とす」

もちろん そのミサイルは この後、投下される『フロッグポッドMG05』をミサイルの不発弾と勘違いさせる為の、布石である

「『ビクトリー』発進後、すぐに第3波のミサイルを発射・・・

 と同時に『フロッグポッドMG05』をビッグダイモンから、切り離し海に自然落下させる」

モビーは「やっと自分の出番が来たか」と思ったが、危うく大変な事を聞き逃しそうになったことに気が付いた
               
 
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「えっ!? ビッグダイモンから切り離す? 自然落下させる? ・・・って、言った?」

桜大門は、笑顔でうなづいた

                宇宙刑事レイカースFUN
「ちょっと待てよ! 高度7,000メートルから自然落下なんかしたら、

               海面に激突して、カエルメカともどもバラバラじゃないか!?」

「『フロッグポッドMG05』には、海面激突寸前にエンジンを始動させて制動させてから着水するように

 プログラムしてあるから、激突の心配はないわ」

「激突しなくたって、すごいGが掛かるだろう? それだけで、死んじゃうよ」

「敵に『フロッグポッドMG05』を、妨害電波の為に、計器が狂って海に墜落したミサイルの不発弾と

 思わせる必要が有るから、着水寸前までエンジンを起動することは出来ない

 まあ、すごいGが掛かかるのは間違いないけど、何とかなるもんだよ・・・ 俺も、先日試してみた」

「試してみたって・・・」

モビーは、慌ててレミーの方を見た すると、レミーは苦笑を浮かべながらうなづいていた

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「本当に、やったのか?」

「ああ、自分が出来ないことを、モビーにやらせたりなんかしないよ

 それに、コンバットスーツもプロテクトアーマーも装着しないで、音速を突破したモビーなら問題ないよ」

桜大門は無意識で、モビーが何も言い返せなくなるワードを口にした

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「ああ、そうだよな・・・楽勝だ・・・」

モビーは、もう諦めて腹をくくることにした 

レミーを見ると、彼女は微妙な表情をして目線をモビーから外していた

「モビーは、海面に着水後 潜航してこのポイント・・・

 学生達が、監禁されている施設の有る海岸の沖合いに向かってくれ

 到着したら、予定時間までそこで待機していてくれ」

「待っていれば、良いんだな」

「ああ、 時間になったら浮上して、砂浜に接岸して逃げてくる学生を収容

 収容が終わり次第、島を脱出してくれ」

モビーは、二人の事を信用はしていたが一応聞いてみることにした

「時間までに、学生達は監禁施設を脱出して浜辺まで逃げて来るんだな?」

桜大門は、うなづいて

「俺かレミーのどちらかが、必ず施設を破壊して学生達を逃がすから安心して待っていてくれ」

レミーも力強くうなづいていた

桜大門が、自分かレミーのどちらか特定しない所が この任務の困難さと、二人が命がけでいることを意味していた

                 宇宙刑事レイカースFUN

「わかったよ これで、行こう   それにしても、兄弟子らしい随時バイオレンスな作戦だな」
モビーの一言を聞いて、桜大門は閃いた
「それ良いね!いただきだ 今回の作戦名は『格闘聖書(バイオレンス)』だ!」

作戦のコードネームも決まり、後は作戦決行を待つだけの雰囲気になっが、モビーの顔色が急に雲った
「いや、ちょっと待って・・・ やっぱり、駄目だ! このままの作戦じゃ」


 「えっ? どこが?」    宇宙刑事レイカースFUN

 
桜大門もレミーも、モビーが何を気にしているのか良くわからなかった

「二人とも、俺の事を少しでも危険にさらさないように

 ダーク・ロアの注目を自分たちに引きつけようとしてくれてるのは、良くわかるんだけど

 やり過ぎだよ!」

「やり過ぎ?」

モビーは、うなづきながら
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「考えてみなよ

 ダーク・ロアの秘密要塞に奇襲をかけるにしたって、宇宙警察の400メートルも有る戦闘母艦が

 正面からミサイルぶっ放しながら突っ込んで来たら、目立ち過ぎだよ

 ちょっとした戦争のプロだったら、すぐに陽動作戦だって気付くんじゃないかな?

 特に、あの金ピカ野郎なら絶対に気が付くよ」

と、自信を持って言った

「金ピカ野郎って、あの鎧の指揮官のこと?」

「ああ、鬼岩島のロボット怪獣が有った基地にいたんだ」

鬼岩島奇襲作戦は、振り出しに戻ってしまったかに思えた

しかし、今度はモビーが笑顔で

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「お二人さん、そんなに心配しなくたって大丈夫だよ

 兄弟子達の『打ちあげ花火』を、もう少し目立たなくさせれば良いんだよ」

と、言った

「もう少し目立たなくするって?・・・どうやって?」

「そりゃ簡単だよ  もっと派手で大きな花火をを打ち上げれば良いんじゃない?」

桜大門の表情が変わった

  「二重トラップか?」   宇宙刑事レイカースFUN

「ああ 意外と一個目のトラップに気付くと、やってやった感が有るから 

                           二個目のトラップに気が付かないもんだぜ」

桜大門もモビーの言いたい事はわかったが、大きな問題が有った

「しかし、ビッグダイモンより大きな『打ちあげ花火』と言っても・・・」

確かに全長400メートルを超える超時空母艦のビッグダイモンの攻撃がかすむような、大きな『打ちあげ花火』など簡単に有るわけがなかった


その時、入口の扉が開き銀河連合艦隊司令のサワムラが入って来た

「その役目、私がやらせてもらおう!」



あとがき


今回の御話しは、前回の後半になります 

43話が、予定より大分長くなってしまったので2話に分けることにしました


鬼岩島奇襲作戦『格闘聖書(バイオレンス)』の内容は『宇宙刑事レイカース2・格闘聖書』を、御覧いただけた方ならお分かりとは思いますが


ビッグダイモンでミサイルぶっ放しながら(笑)奇襲攻撃をかけて グランドダイモンで上陸 重機動メカ・メタルドラゴが出て来たらレイカースロボ呼んで・・・・


と言う、宇宙刑事シリーズのひな型にそった(笑)ものです

25年前に大学のサークルで作った、自主製作『宇宙刑事レイカース2・格闘聖書』も同様の内容でしたが、学園祭で上映後の感想で

『学生が捕われているのに、問答無用でミサイルぶち込むんですね』とか

『マゼラン星雲征服出来るくらいの戦力が有るのに

                   ダーク・ロアは戦艦一隻づつしか出てこないんですね』とか

『ビッグダイモン有るのに、わざわざ戦車(グランドダイモン)に乗り換えて来るんですね』とか

当時も、マニアックなご感想を多数いただきました(笑)


「宇宙刑事シリーズのひな型にそっただけで

     ギャバンシャリバンシャイダー先輩方の宇宙刑事も、そうやって闘って来たんだから仕様が無いじゃん!」

と、言いわけを言ってみても・・・確かにその通りですね(笑) 


と、言うことで、ブログ版・宇宙刑事レイカースを描き始める時に(もう、4年も前になるんですね・・・) 

その辺も、ちゃんと納得出来るようにサイドストーリーを固めようということにしました


その気持ちが、強くなり43話が長くなってしまいました(笑)

説明っぽい回で、申し訳御座いませんでした m(_ _ )m