仁左衛門&玉三郎の舞台がみたい!! | ふうせんのブログ

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小林蕗子のブログです。2013年5月に始めたときはプロフィールに本名を明示していましたが、消えてしまいましたので、ここに表示します。。
主に歌舞伎や本のことなどを、自分のメモ的に発信したいなあって思っています。よろしく!!

歌舞伎座の2月大歌舞伎が始まりました。

 

 

コロナ禍がいつ終わるのか、まったく予測がつきません。
私も後期高齢者の仲間に入った今、今年の歌舞伎見物は海老蔵のものだけにしよう、と考えていました。
江戸歌舞伎の真髄・成田屋ファンの私としては、ファン魂として、これだけは何とかしたい。
けれども、1月の新橋演舞場は、劇場には行けませんでした。

そして2月、歌舞伎座の第二部、やはり観たいです!!
仁左衛門&玉三郎の舞台
『於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』
坂東玉三郎の「土手のお六」、片岡仁左衛門の「鬼門の喜兵衛」。
そして、二人による清元舞踊『神田祭』
まったく同じ二演目で、2018年3月歌舞伎座で観ているのですが、やっぱり今回も観たい!!

この二人の舞台は、孝夫・玉三郎の時代から、美男美女の誉れが高いばかりか、心意気が絶妙な夫婦役者として大評判!!
ところが、意外に公演数は少ないのです。
ですから、観られなかった名舞台は数々あります。
一番観たかったのは、『桜姫東文章』。
1982年2月京都の南座、1985年3月歌舞伎座。この二回だけでした。
この演目は、二人が、美しい白塗りの二枚目あるいは美女(僧・清玄と桜姫)と、悪役・汚れ役(釣鐘権助と風鈴お姫)を、見事に演じ分ける。しかも、二人の意気の合わせ方が見どころ。
この舞台はついに観ることは叶いませんでした。
(なお、僧・清玄と釣鐘権助を別々の役者で上演したのを観たことがありますが、これだと芝居の面白さは半減してしまう。そのことを付け加えます)。

そして今月、「土手のお六」「鬼門の喜兵衛」と言えば、夫々汚れ役、悪事を働く夫婦!
そして『神田祭』では、鳶頭の仁左衛門と芸者の玉三郎、美男美女が織りなす華やかな舞踊!
この両面が観られてこそ、仁左衛門&玉三郎の舞台!!
清元の『お祭り』が鳶頭の独白的な語りに、芸者がちょっと絡むのに対して、
『神田祭』は、〈祭りの情景描写というよりは、夫婦の人間模様のおかしみ、江戸っ子の粋な感覚、などが曲の主題となっています〉ということです。【清元「神田祭」の解説 https://oreno-nihonbuyou.com/kandamatsuri/】より
仁左衛門&玉三郎にぴったりの舞踊ですよねー。

二人の持ち時間2時間、短い時間ながら、役者としての真髄を楽しませてくれること、間違いなし!!

我が家の中川の感想は
〈今月の第二部、玉三郎と仁左衛門には、掛け声が欲しいと思った。

コロナをまったく意識させない演劇空間があったからだ〉と。
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今回『桜姫東文章』のことをことさら書いたのは、
去年12月18日の中村屋の密着番組【中村屋ファミリー2020】を、録画で観ていた時のこと。
去年3月明治座で、中村屋の勘九郎&七之助兄弟が『桜姫東文章』(坂東玉三郎・監修)を演じる予定で、その稽古風景がテレビに映し出されたのです。(なお、この公演は中止となりました)
勘九郎に稽古をつけているのは、仁左衛門。
―――
釣鐘権助そのものがそこに居る!
厳しい稽古、と言うより、芝居することの楽しさが伝わる!
仁左衛門の芝居は悪役でさえ楽しく演る。
仁左衛門の芝居への深い想い、真髄がこの稽古場面から伝わる。
いつも感服する仁左衛門の口跡の凄さが伝わる。
釣鐘権助のセリフ「稚児白菊は桜姫」。「やかましいやい!」。
ここに仁左衛門の絶妙な「倍音」のハーモニーが入るのです。
私はこの部分を何度も何度も繰り返して聴き込みます。

うーん、えも言われぬハーモニー。いや凄み!!
高音の響きの中に、低音が轟く! 「倍音」の力 
それが悪人権助の本性を物語る。
―――
こんなことをメモとして書いていながら、ブログアップできませんでした。
この時以来、「仁左衛門の悪役が観たい」の想いが募っていました。
もちろん、仁左・玉の舞台が観たい、という想いは強い!

久しぶりに仁左・玉が揃う舞台です。
2月の歌舞伎座第二部、後半の日程で1枚だけチケットを取っています。
緊急事態宣言が延長されている中、自粛するべきかと考えつつも、

行きたい!!
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中村屋ファミリーの第三部だって見たいですよ。

でも、コロナ禍の夜の部なので、高齢者には無理です。
十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言

『奥州安達原』(七之助の袖萩に、長三郎君の娘お君)、

『連獅子』(勘九郎の親獅子の精に、勘太郎君の仔獅子の精)。


コロナ禍、緊急事態宣言時の歌舞伎座の座組について、書きたいことはありますが、いずれまた。

 

※なお、敬称についてですが、プロの芸術家や文筆家の方は広い意味での公人ですので、舞台そのものや作品について記す時は、私は敬称を付けません。昔からの慣例です。プライベートな内容と思われる時は「さん」の敬称を付けます。よろしくご了承ください。