今朝は銀座線が早朝から運転見合わせしていた影響で遅れているとかで…ツイッターを覗いても銀座線の状況でポジティブなことを書いている人はいないので(笑)私も今日は迂回ルートを考えて別ルートから行くことにいたしました
銀座線、来るだ来ないだと心配するのはいやですもの結果、空いててなかなか早く着けました
さて。先月書いた「名月八幡祭」のレポの続きです
本当に素敵な演目でして、竜雲も思わずチケットを追加してしまったのですよ(笑)
レポ1 ←リンクです
【前回までのあらすじ】
芸者美代吉(坂東玉三郎さん)と三次(片岡仁左衛門さん)はろくでなしですが似た者同士で、ある意味お似合いのカップル(しかも演じるのが麗しいお二人なので観ていてほわ〜んとしてしまいます)
縮屋新助(尾上松緑さん)は美代吉に片想いをしています。お金に困っている美代吉が結婚してくれるというので、何とかしましょうと新助さんは花道を駆けっていきました。
中村歌女之氶さん演じる美代吉のお母さんはとってもいい味を出していて「どうするんだい?」なんてノリで
困っている美代吉のところに、美代吉にゾッコンの藤岡様からの使いがやってきて…
お殿様は今後気軽に遊び歩けなくなるので、美代吉に手切れのお金100両を届けてくれたのでした藤岡様、優しい(藤岡様は中村梅玉さんなのですが、出番は先程の美代吉を諭す場面だけっぽい)
「ありがとうございます」と美代吉。
そこへ片岡仁左衛門さん…三次が包丁を持ってやって来ます仁左衛門さんはこのお役は悪役とはいってもチンピラみたいなヒモみたいなお役なので、大敵が刀を突きつけているのとは違う、やさぐれたやけっぱちな感じがするのが素晴らしい
恥をかかされたので美代吉を殺しに来た!というのですが、美代吉も大したタマで平然と(ああ、この平然としている玉三郎さんかっこいいよ〜〜)「さっきの5両だよ!」と小判を投げます。
「あっ、これは金」って片岡仁左衛門さんが一瞬にしてふにゃ〜っとクズのクズっぽさを出されるところが面白くって仁左衛門さん、ホントに自由自在だなぁ
美代吉に謝るのも「脅して悪かったねぇ〜〜〜」と軽いっwww そんなノリなの刀を突きつけるのなんて何てことないっぽいw
美代吉も「この人が私を殺す気なんてないよ」とカラカラッとして…
なんだか超越してるカップルです
お金が手に入ったことを喜ぶ美代吉は、三次と一緒に飲みます。
客席では「新助さんのことはどうするんだろう、新助さんが可哀想だなぁ」と思いますよね
「なぁに、工面できなくてそのままここには来れやしないよ」と笑う美代吉…かなりひどい女性ですが、美しくたおやかな坂東玉三郎さんと片岡仁左衛門さんのカップルなので、見ていてこれはこれで目が嬉しいと思ってしまう矛盾した思考のワタクシ…(笑)
でも竜雲はこの演目は新助さんの味方かなぁ。
純粋で一所懸命なので応援しながら観てました
そこへ花道から戻ってくる尾上松緑さん=新助さん。(ああ、新助さんかわいそうだなぁ…とこの後の展開が目に見えるような)
戻って来るなり、自分と結婚すると言ってくれた美代吉が三次といる光景…
「三次と手を切ると言っていたのに、こんなに仲良さそうに飲んで」
…ごめんなさい、ほんとに仲良さそうに飲んでるので思わず笑ってしまいました
やっぱりこの演目の仁左衛門さんと玉三郎さんはめちゃめちゃ仲よさそうなカップルだなぁ
麗しいお二人ががっぷりカップル嬉しい〜〜
しかしここからの新助さんが可哀想で可哀想で…
「結婚はなかったことにしてね、お金は用意できたから」
本当にかわいそう
泣く新助さん… 純粋で可愛く松緑さんが演じられていた新助さんの恋心… 踏みにじられてるの本当にかわいそうですよ
そこへ心配した魚惣さん(中村歌六さん)がやってきます。新助さんは、美代吉が結婚してくれて美代吉の家に住めると思っていたので、田舎の家や田畑を売って100両のお金を作ったと…もう帰る家がないと…泣く新助さん。
あんまりだ〜〜胸の痛む話だわ
新助さんは魚惣さんのところにしばらくご厄介になることになります。
幕。
そしてお祭の日
美代吉も手古舞の格好で(というか玉三郎さんが手古舞の格好できれい〜)お祭りに参加の様子。
賑わっているところに、「美代吉を見ませんでしたか…」と少し普通ではない様子の新助さん…
「あの女は蛇ですよ、鬼です」と…
こわい… もう気がおかしくなっているのですかわいそうに…
新助さんは手ぶらです。あれ〜新助さんが刀で斬りまくるお話ではなかったっけ?
魚惣さんのところの人たちも新助さんを探します。(放っておいたら危ないので)
そこへ「くや、くや」とやってくる田舎侍。
中村橋吾さんです
お祭りを楽しみにやって来たが、お家のお宝の大事の刀が人混みでなくなってしまったら困ると
「後ろに差すと良いぞ」と教えてもらってそのようにして歩いて行きました。
あれ、刀? 刀が印象づけられるような場面です。
その後、ふらふらと美代吉を求めて彷徨い歩く新助さんは(危ないので取り押さえようとする)魚惣の人たちさえも敵のように思っています
あれ、そこへまた橋吾さん=田舎侍です。
新助さんはその刀を自然にスッと盗りました!
後ろのを盗られたので反応が遅れ、新助さんはフラフラと歩き…田舎侍も追っかけましたが
(しかし結局ラストで新助さんは刀を持ったままなので、田舎侍は取り返せなかったのだなぁ)
美代吉がとうとうやってきます。舞台の真ん中まで歩いて…
いきなり小屋に立てかけておいた筵がバサッ
筵の中から現れたのは新助さん!
私、驚いて客席で「ハァァ」と息を呑んでしまいました(玉三郎さんが斬られちゃうわ〜)
びっくりしたー!これはこわいっ
歌舞伎風に美しく逃げ惑うというよりは、もう少しリアルな感じで美代吉は逃げようとします。
この場面、前に観た時には本水の雨が降ってなかったかな確かそうでした。
今回は私たちの大切な歌舞伎の至宝、麗しい坂東玉三郎さんのご意向でかな、本水の雨ではなくて、雨の音とミストでの演出でした
玉三郎さんらしくて、これはこれで幻想的で素敵でした〜
美代吉が小屋の中で斬られたら、バーッと障子に血がかかります(BLOOD!!)
ああ、歌舞伎だわ〜〜
美代吉を斬った新助さんを、満月が照らします このおどろおどろした感じ、この美しさこの感じが歌舞伎ですねぇ
松緑さん、純粋ピュアピュアで可愛いお役だっただけに恨みに支配されてからがこわい
そして、なぜかここで祭の衆が新助さんをお神輿担ぎにして(胴上げみたいな支え方にして)
「わっしょい、わっしょい!」と連れて行くのです。ここは少し不思議なんですが、演出の一つだと思って「なぜ?」なんて考えなくていいのかな?
担がれた新助さん、花道七三で「アッハッハッハッハ… 」と大笑いして…大笑いの顔が涙で滲んで…担がれたまま花道を去って完。幕。
美代吉は殺されたけれど、三次は殺されなかったんですねラストはちょっと三次は蚊帳の外
新助さんも美代吉殺しの罪で罰せられてしまうのでしょう…
性悪女の美代吉を斬ってスカッと٩( 'ω' )وって後味にはならないのです(笑)
新助さん、かわいそうだなぁってやっぱり思います
しかし好きな演目です。
こんなに最高の配役でやってくれると…
竜雲までまんまとチケットを追加してしまいました(笑)
仲良さそうな仁左衛門さんと玉三郎さんのガチのカップル姿を見られるなんて
松緑さんの演じられるピュアな新助さんを応援しつつ、麗しいクズカップルに酔いしれるという…
サイコーですね(笑)
私のレポを読んで観に行ったと言ってくださった皆様、かたじけないですこれを観たら「麗しのクズカップル、ばんざい」になられる(なられた)ことだと思います(笑)
早くまた観劇したいなぁ
竜雲の次の観劇はかなり終盤なんです〜
それでは皆さん、今日は寒いですがお気をつけて。寒過ぎるので、竜雲はカイロを貼って働きます今日も良い一日をお過ごしくださいね〜