今月のこの演目に関しては、どれだけ最高であるかは皆様、想像に難くないところだと思うのですが
尾上辰之助さんの追善なので、と片岡仁左衛門さんが船頭三次芸者美代吉が坂東玉三郎さんという…お二人とも辰之助さん、そして松緑さんのことを可愛がっていてくださるのことの現れですね
そしてその二人のお役に翻弄される縮屋新助を尾上松緑さんが演じられてます
配役は分かっていながらも、片岡仁左衛門さんが花道から出て来られた時に「まじかー」と思いましたし、美代吉の玉三郎さんが出て来られた時にはほわ〜んとしてしまって、夢見心地でした
船頭三次はろくでもないヤツで(いわゆるヒモなのかな)美代吉に「お金頼むよ〜〜」って仁左衛門さんのあの素敵なお顔でベタベタ。すると「仕方ないねぇ」って何とかしてしまう美代吉
坂東玉三郎さんは美しく「そんな安いんじゃないんですよ!」と啖呵を切っても
こんな美女ならねぇ…そりゃそうでしょう、そうでしょう
と思ってしまう説得力ある美しさ
(ほわ〜ん)
玉三郎さんの美代吉は、悪い女というよりは享楽主義者で目の前のお楽しみ第一な考えの足りない女性なのかなって思えました。深く考えないので、自分の都合のためにはどんな悪女にもなれてしまうタイプ
美代吉に惚れて、何でも自由にさせているお殿様の藤岡様は中村梅玉さんで…このお殿様、めっちゃ優しいんですこんなに素敵なお殿様なら他の演目であれば美代吉も惚れちゃうね!と思うくらい優しくて素敵な梅玉さん
お殿様には「三次と切れてみせますよ!」と言うのですが、なんだか次の場面ではまた三次とイチャイチャ
「お殿様から真綿で首を締められているようだったわ〜」と三次に話す美代吉
こりゃ、全然 別れる気がないな…
ああんクズカップル、バンザイ
素敵なお二人がろくでなしのクズカップル
麗しい、麗し過ぎる…
救いのないクズっぷりなのです!しかし麗しい お二人がベタベタするだけで客席から漏れる「(๑´ω`๑)うふふ♡」という笑みこれは、見たらわかりますよ?うふふにならずにいられませんああ麗しい
幕。
中村歌六さんが主人 魚惣(うおそう)その妻は梅花さんです
そこへ縮屋新助(尾上松緑さん。田舎から出稼ぎに来ていた商人です)が国元に帰りますと暇乞いに来ました。
歌六さんがとっても江戸前で面白いです
祭を見て帰りなって縮屋新助に勧めます
「祭を見ないで帰られちゃー江戸の恥だ」って夫婦喧嘩をするくらい(笑)面白いw
縮屋新助は祭までいます、ということになりました。。
そこへ美代吉の舟が通りかかります。
新助さんに声をかける美代吉…三次と一緒に飲みに行くのだと魚惣さんから聞いて嫉妬で胸を焦がす縮屋新助…
これ、結末を知っているから思うのですが、
・新助がこのタイミングで魚惣に来てなかったら…
・美代吉の舟が通りかからなかったら…
「たられば」のお話ですが、舟は通りかかってしまい新助さんは美代吉への想いを募らせます。
美代吉を見ている松緑さんに少しお父様の面影を感じました。(お父様の方は映像でのみ知るばかりですが…)
幕。
美代吉の家。中村歌女之氶さんが美代吉の母役です歌女之氶さん、好きです〜
新助さんが家の辺りをうろうろしてると話題です
美代吉は今夜までに100両を用意しないと衣装を押さえられます!お母さんが何と言っても「宵越しの金は持たないんだよ」と悪びれたところもない美代吉ですが 麗しい玉三郎さんが言うので、私まで悪女美代吉に惚れて引っかかりそうな感じです
そこへ新助さんが来て美代吉は一緒に飲もうと言います。
そこへ三次が現れて「5両ばかり貸してくれ」と言います! クズだークズだー
流石の美代吉も気持ちが塞いでおり、仁左玉の痴話喧嘩仁左衛門さんと玉三郎さんが痴話喧嘩を…なんて麗しいのかしら
それを側で聞いている新助さん=松緑さんが気まずそうその気まずい新助さんが可愛いです
結局、美代吉は三次を突っぱねて「恥をかかせやがって!」と言って三次は出て行きます。
普通なら、ここは観劇していてクズ男が出て行ってホッとするところなんですが、片岡仁左衛門さんなので、かっこいいなぁという気持ちに支配されながら観ておりました(笑)
美代吉は三次を突っぱねた…そしてお金に困っている…
美代吉がうたた寝をしてしまっているので、そっと枕を用意してあげたり、自分の上着をかけてあげたりする新助さん「ああ、本当に好きなんだなぁ」と思えて、その純粋な想いに涙が出そうになりました。過激な恋愛が溢れる現代において上演されるこの演目この場面は清らかで美しいです枕を用意してあげて、自分の上着をかけることで精一杯の愛情が伝わってくる…美しい場面だと私は思いました。
松緑さん、ピュアな想いのお役が合いますよね〜
一途な新助さんは、美代吉と一緒になってここに住まわせてくれるのだったらお金100両は私が用意しますと言うのです
美代吉はどうやらその場の困難を乗り越えられればいいかなという軽い思いでオッケーするのですが、喜んで泣く新助さん
泣いてる新助さんに「早く行って」と言ってる時点で愛情などないのですが…(美代吉め、三次に対する態度とはやっぱり違うのよねしかし麗しい仁左玉カップルなので許すw)
「嘘じゃないよ」って言いながら、なんとなく「後で断ればいっか」と考えていそうな美代吉… 魔性の女ですが、美しい玉三郎さんなので…男一人が迷っても不思議はない、と変な納得をしてしまいます
新助さんは意気揚々と花道を駆けっていきました。美代吉と結婚できるという思いで…
松緑さんの新助が実直で一途で可愛くて泣けますピュアピュアですよ
あれ?ねぇねぇ、これって現代で言うところの結婚詐欺では
長くなったのでレポ2につづく〜
皆さま、今日も良い一日を〜