第一幕レポ@「空ヲ刻ム者」松竹座での大千穐楽 | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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先日のレポに書いたとおり、口上はおそらく猿之助さんのサプライズのいたずらだったのでしょう(笑)
面白くてたまりませんでした音譜 

そして千穐楽の本編が始まりました・・・ 

浅野さん扮するオババは見るたびに元気になっていて、何回も見ている贔屓さんたちにとってもすっかり人気者でしたね☆
千穐楽ではオババが猿若さんに「私、ずっと思ってたんだけど、あんたピーターに似てるって言われない?」ってニコニコ 「おのれ・・・千穐楽まで取っておいたな!」みたいに返してらっしゃった猿若さんもさすがの返しでした(笑)

千穐楽って面白いな~♪

佐々木蔵之介さんも随所で千穐楽ならではのアドリブが生きてました(笑)
蔵之介さんのアドリブが面白くて、蔵之介さんはこういう面白さの役者さんなのではないか、と思ってしまったのでした。
農民に、見たことのない方が左端にひとり。すると蔵之介さんが「あなたは今日初めて見ますね」なんて(笑)
いつもの方はどうされたのかな・・・?

そして口上のレポで書いたのですが、なにやら青いアイシャドウみたいなお化粧をされた寿猿さん!
(お若い頃の忌野清志郎さんみたいなお化粧でした)
登場されたらいつもよりナヨナヨと歩いてらっしゃって、しかも女言葉だったんです!
拵えは一緒でしたが、あれは尼さん!千穐楽のサプライズでしたよ~。前の記事にも書きましたが、「境内の掃除をしてもらうわ、念入りにね!」が忘れられません(笑)

「蔵之介さんの靴・・・」と、先日ブログのコメントで教えていただいて、「どんなんだろう?」と思って私も足元を見てみました!
すると、足袋に草履みたいなのを履いてらっしゃる役者さんと、足袋型の靴(スニーカーみたいな!)を履いてらっしゃる役者さんがいらっしゃるのですね!足元を見てしまうと笑ってしまいそうになって(「ああ、あれは靴だわ、靴!足袋ではなくて」と思ってしまってツボに入りそうになったんです)、足元を見るのをやめました(笑)

※蔵之介さん、立ち回りの兵士の方々、右近さんは足袋型の靴タイプでしたね。
DCIM5231.jpg
お足元ご無事が一番ですからグッド! いいんですよ~ビックリマーク

福士誠治さん扮する伊吹は、無邪気で十和への憧れでいっぱい音譜の仏師のはしくれ。
「十和様の鐫(のみ)さばきはまるで舞うようです」と嬉しそう♪
それって私が「門之助さんは舞台の上に咲く大輪の花のようですラブラブ」と言っている気持ちとおんなじなんですよね。それに気づいてから観た千穐楽では、伊吹の気持ちは自分の気持ちのようでした(笑)

猿三郎さん扮する玄和は、第一幕で私が一番好きな登場人物でした。
「彫ることでその答えを追い求めるのだ。その姿勢の中に己の仏性を見るのだ!」この台詞、かっこいいー!!と思って覚えてました。あとひとつ、「石や、木や、土の中に仏を見出し、それに形を与える」みたいな台詞も好きでした~。森羅万象がなんとやら、とおっしゃってましたが、この台詞は長めなので覚えられませんでした、情けなやあせる

まっすぐで熱い心のお父さん、玄和さん。かっこいいな~と思って!
(猿三郎さんのブログを今日になって拝見したところ、なんと現在は手術のために入院されているのですね・・・どうぞ術後の経過の良好なことを、そしてお早いご快復をお祈りしております)

猿之助さん扮する十和は仏師ですが、どんな仏を彫ったらいいのかが分からなくて、訊かれてもこの幕では答えられないのです。

一馬(蔵之介さん)が村を出る時に、十和(猿之助さん)が「できるかな、俺に?」ときいて、「できる!今日はそれを言いにきた」と言うところ。見送る猿之助さんの目が少し潤んでいるように見えました。

笑三郎さん扮する母親の菖蒲(あやめ)は、自分が病気で死ぬのは「縁起」だと言うのです。
ん?縁起って?

(【縁起】えんぎ、梵: pratītya-samutpāda, プラティーティヤ・サムトパーダ、巴: paṭicca-samuppāda, パティッチャ・サムッパーダ)とは、仏教の根幹をなす発想の一つで、「原因に縁って結果が起きる」という因果論を指す。---Wikipediaより※


今になって調べてみたら、「全てが過去の因縁に拠るものだ」という因果の思想みたいです。
仏教の根幹をなす思想、、、なるほど。十和のお母さんの自分の死の受け入れ方は、仏教そのものだったのですね。

母が死んだと十和が言った時に、父親の玄和は「(自分の彫った仏像が菖蒲さんを)安楽に導いてくれたと信じたい!」と言っていました。想いをこめて彫った仏像だったんですよね。そしてその想いを信じて、具合の悪い中でもその薬師如来像に毎日手を合わせていた菖蒲さん。素敵な関係ではないですかキラッ
ちゃんと心と心で結ばれています。

十和はそれも分からず、母の死も受け入れたくなくて、「仏教などやめた!」ということになったのです。
(十和から見ると『父親の玄和は、病の母の傍にも居てあげなくて仏ばっかり彫っている!しかも貴族から依頼された仏を!』ということです)

中納言からの依頼の仏像を壊した十和を許せない役人。腕を出せ!と刀
この場面のところで、役人役の猿若さんと欣弥さんが腕まくりをするんです。本当に斬る気満々だなぁと、その腕まくりを見ていつも思ってました(笑)

伊吹は十和にこれからも十和の彫った仏が見たいので、自分の腕を差し上げます!と。
好きっていうのは、そういうもんだ。。。 
好きな人が笑っていてくれればそれでいいものです。伊吹にとっては十和がキラキラして仏を作っているところが大好きだったのでしょうね。もちろん十和の彫った仏も。

身代わりに伊吹が腕を斬られました。
大切な伊吹の腕を傷つけた怒りを抑えきれずに役人を殺してしまう十和。その時の十和の、猿若さんと欣弥さん相手の1対2のタテが好きでした。見てて燃えるんですよ、2人相手にするのとか(笑)

人を殺めてしまった十和は村を出ることに・・・ 

新橋演舞場では「行け!逃げて生きてくれ」(という意味の台詞)を玄和が言って、十和は花道から旅立ってゆきました。松竹座バージョンでは、十和は玄和と並んで「俺はどこまでも抗ってやる!でももう鐫は持たない!」というような台詞を言って、オババが「旅に出た一馬と十和が出会うのはまだ後の話。さぁ!旅は始まったばかり。これからだよぉ~!」みんな舞台にいるまま幕でした。

照明が松竹座の最初の頃と変わりましたか・・・楽日前日に観た時には、十和以外の役者さんは青緑のライトの中で、少し幻想的な感じで幕でした。(松竹座の最初の頃の公演では幻想的な照明ではなく、皆さん、普通のライトの中で歌舞伎みたいに幕でした)

このように第一幕は「つづく!」みたいな感じで終わってしまうので、「そうね、導入の幕ね!」という感じでした(笑)

実際に二幕からスーパー歌舞伎常連の面々が総出演になるので、そりゃ~そこから盛り上がりますよね。
盛り上がり度は 『第3幕>第2幕>第1幕』そういう作りになっていました。

三気の御守りを売ってらっしゃった松竹座の方たちも「次の幕からパワーアップします。ぜひこれをつけて舞台のパワーをいっぱいもらって!」な~んて言ってらっしゃいました。それから、三気の御守りのところに猿之助さんの写真と直筆メッセージがあって、確か「見るだけじゃなくて買ってね!」みたいなのだったかな?(うろ覚え)。 売店のスタッフさんが「猿之助さんに、この写真はお守りを買ってくれた人は撮っていいけど、買わない人の撮影はお断りだと言われてます」っておっしゃってました(笑)

私は結局、三気の御守りは買わなかったなぁ~。もし門之助さんが「買って」って言ってくださったのなら即効買ってましたけど(笑)←私なんてそんなものニコニコ

しかし私、何回も観に行ったのもありますが、しっかり心に刻もうと思って心して観ましたので、けっこう色んなことを覚えてるものですね~。忘れないうちに書いておこうと思ってます。

さぁ、旅はこれからだよぉ~!
もう少し、竜雲のレポに付き合ってもらおうかね
(←超パクリ)

というわけで、第2幕に続く~

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