「上州土産百両首」観劇レポ@新春浅草歌舞伎 | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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絵師のはしくれ、西本竜雲のブログです。自分で描いた歌舞伎役者絵をこちらでご紹介させていただきます。ほぼ毎日歌舞伎関連のことを綴ってます♪★励ましのお便り、歌舞伎の役者絵(油絵)のご依頼等はryuun . kabuki . pictures@gmail . com まで♪←スペースなしで

「義賢最期」で涙にくれた私は、すぐお化粧室に行ってお化粧直しを・・・ 
なんてったって次の演目は門之助さんが出られる演目、お見苦しい様で客席に居るわけにはまいりませんものキラッ

「上州土産百両首」。これ、観劇レポが書きにくいお話です(笑)

面白かったところ、思ったことなどをつらつらと書いてゆきます。

ネタバレ大いに含みますので、観劇まで色々知ってしまいたくない方は読むのをやめておいてくださいねラブラブ

・坂東巳之助さんの演じる牙二郎。これってすごく難しいお役じゃないですか?
「生きるピュア」みたいな人間なんです。ドジで間が抜けているけれども、とても素直で実直な人。
いっぱいつまずいて笑われてましたけど、私自身がけっこうおっちょこちょいな人間なので、よくつまずいたりするところなどは「そうなんですよね、何もないところでつまずくんですよ」って妙に共感してしまいました。おっちょこちょいな人間は一通りやらかします。おっちょこちょいでない人には分からないでしょう(笑)

・自分の紙入れ(財布)がなくなった!と探す正太郎の仕草が可笑しかったですw 
猿之助さんはこういうお芝居が上手いですよね(笑)

・牙二郎が、お互いの財布を盗んだ正太郎に「意見しにきた」「中身の大小にかかわらず、人の物を盗むのは良くない」って言うところは笑えました(笑)あなたもスリですからw と。でもずっと聞いていると真っ当な意見なんですよね。

・中村亀鶴さんの演じる、唯一の悪役の身ぐるみの三次。
牙二郎の必死の意見を聞いていても「けっ、やってらんねーや」って感じで聞いている様子や、市川男女蔵さんの演じるスリの兄貴分が涙でむせび泣いているのを見て「兄貴もだらしがねェや」なんて言っている様子など、どこを切っても『ワル』です。
「盗人だけの世の中になれば、カタギの奴らは日陰者だぜ」みたいな台詞がありましたよねw

亀鶴さんのニヒルなお役は似合っていると思います合格

・牙二郎と正太郎が別れる段。
いつまでもグズグズと、「でもアニキと別れたくねェよ~」「一緒に行きたいけど・・・」「オラ、こっちに行かなきゃいけないのー?」と、グズグズグズグズしている牙二郎に笑いました(笑)『まだ言うか』って感じで!あばよ、って言うまでにどれだけ時間がかかったのさ、と(笑)

・猿之助さんのこういう拵えは「龍馬伝」の今井信郎(龍馬を斬った男)を思い出して、良かったですね合格
「そうなんだよね~。今井信郎は猿之助さんだったんだよね~」と思いながら見てしまいました(笑)今井、かなりかっこよかったですよね。こういう感じのお芝居、本当に似合ってらっしゃると思います。

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

・スリの親分=男女蔵さんと三次=亀鶴さんをもてなす、料亭「たつみ」の給仕さんたちw 
市川喜昇さんと片岡愛一郎さん!三枚目の化粧で・・・喜昇さん面白かったです。
「いやだわ~~お客さん!田舎者は本気にしますよ!!」って。「いい男~~ハート」なんて言って去ってゆきますが、亀鶴さんの「化け物屋敷か汗」って冷たく言い放つところも可笑しいw 

・スリの親分=金的の与一(男女蔵さん)は、カタギになってマジメに働いている正太郎を見てむせび泣き・・・!! かなり涙もろいお役。涙もろくて人情味あふれるスリって・・・そのギャップが思白いです(笑)

・正太郎を婿にしたいという願いが叶って大喜びのお父さん=寿猿さん。
娘さん役が中村梅丸さん。やっぱり可愛らしい。ほんとに若い頃の永作博美に似てるな~って思いながら見てました。

私は女形は可愛らしい人がいいなと思うので、今回の浅草歌舞伎の若手だとこの梅丸さんと米吉さんが可愛いと思いますね♪

・正太郎にたかる三次。悪いですし、どこまで人間のクズなんだろう・・・という本物の悪役。
正太郎の都合はお構いなしです。刀を抜き合ってのシーンですが、正太郎(猿之助さん)がとうとう刃物を三次に向けるシーン、良かったですよねぇ♪ 
「ああ、斬り合いが始まっちまいますよ!」ってところで幕。見入っていたら幕なので、慌てて拍手する観客。この演出は、なかなかニクいものですね。

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・ここで隼の勘次の家=門之助さんがお勤めになられるお役の住居ですよ~音譜ラブラブ
ここがウキウキワクワクの幕間なんです(笑)ドキドキしてきた頃に、幕が開きます!

みんなで恐ろしい凶状持ちの話をしています。凶状持ちって、今でいう「殺人指名手配」のことですよね。

門之助さんは捕手(岡っ引き)の親分様キラッ いらっしゃるだけで舞台が締まりますらぶ1
そして私の目はハート・・・ハート  

相変わらずドジっぽい牙二郎が手下ですが、温かく話も聞いてやります。
牙次郎が「自分がその凶状持ちを捕まえたい」と語っている間も、最初は岡っ引き仲間の面々は「なに言ってんだ」って顔で聞いていますが、次第に神妙な顔になっていくところも好きです。

「わかった。お前がやりな」みたいに言って任せる親分さん(のお役の門之助さんハート
かっこいい~~顔文字恋の矢 

「俺にはお不動様が後ろ盾だよ~ウインクチョキ」って感じに得意げな牙次郎・・・
でもおかみさんが火打ち石をしてあげた側からつまずく(笑)そのタイミングが絶妙で声出して笑っちゃいましたw 

・牙次郎は正太郎アニキに会える喜びで駆けだしていきます。純粋で可愛い弟分の様、巳之助さん上手かったですね音譜 

・嬉しそうに見送ってやった親分(門之助さんハート)が、人相書きを見てはっとする様。
入る「チョン!」、瀧乃屋! 
一瞬のその表情が素晴らしい。さすが我が君様、門之助さん・・・キラッ恋の矢

ここで幕が閉まります。
その幕の間がやっぱり私は嬉しくて。こんなにいいお席で、こんなに近くの劇場で、美味しいお役の素敵な門之助さんを観ていられることに、私の目には涙がこみ上げてきました。嬉しい・・・本当に嬉しい悲しいラブラブ
目を閉じて、しばらく喜びに浸っていました。私には、本当に幸せな幕間なんですよハート

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「聖天宮」と書かれた鳥居。「しょうでんさま」と、劇中では呼ばれております。
調べたら、浅草の「待乳山聖天」(まつちやましょうでん)のことみたいですね。
浅草と言えば浅草寺と招き猫を祀っている今戸神社くらいしか知らなかったのですが、この聖天様もかなりの御利益みたいですよキラッ

・聖天様の前で再会した正太郎と牙二郎。
牙二郎が「恐ろしい凶状持ちを捕まえたいとお不動様に願をかけている」ことを話すと、深く被った笠を取る正太郎。ここで凶状持ちの特徴である額に傷が初めて見えるシーンはいいですね。

・で、驚く牙二郎を後目に、岡っ引き軍団が正太郎を捕えようとする。
「テメェの差し金か~!最初から捕まえるつもりで!」と激怒する正太郎。
「違うよ~アニキ~」とべそをかいている牙二郎の手に「御用」提灯(笑) 可笑し過ぎる!

それから正太郎と岡っ引き軍団の必死の捕り物攻防戦! 
牙二郎は何をしているんだろう?って見ると、どうしたらいいかわからないって感じですくんでるだけなの!!
「も~~!ダメなんだから~~むかっ」と思いながら見てましたが、ここで牙二郎が剛力で岡っ引きたちを難なくはねのけてしまえない人物なのが味噌ですね(笑)

・ここで初めて正太郎の気持ちが語られます・・・「危険を侵してまで江戸に入ったのは、お前にこの首にかかった百両をあげたかったからだ」と。「そんな気持ちも知らないでどうしてこんな奴らを連れて来たんだ」と怒って顔も見てくれない正太郎。

この辺りで会場がグスングスンタイムです。ちなみに私はじんわりきてるくらいです。

・「アニキは怒ってばっかりだけど、俺の心にもなってくれよ」と涙ながらに、捕まえるために来たのではないと言う牙二郎。せっかくの嬉しい再会がこんなことになって、もう生きている甲斐もない。と十手を投げる牙二郎。

会場のグスングスンが増えました。。。私もしんみりしておりました。泣いてはなかったけれども。

・そこへ現れる隼の勘次=親分=我が君 門之助さんらぶ1キラッ 
私は、しんみりしているんだか、素敵な門之助さんにときめいているんだか、よくわからない感じでした。 どうしたらいいんでしょうね、こういう時って(笑)

・お互いに「堪忍してくれ」と泣く正太郎と牙二郎のとこはぐっときましたね。

・「牙二郎、しっかりしねえか。お前はこいつの捕り親なんだぜ~」の門之助さんがかっこ良すぎる!!
うまい!! 門之助さんが親分で良かった~~キラッ 台詞が胸に染みました。心を射抜かれました。
言い回しも美しかった!!もう聞き惚れちゃって聞き惚れちゃってラブラブ
私は「瀧乃屋~~!!」と心の中で言っておりました。門之助さんがかっこ良すぎたので、それに見合うかけ声は、その時の私には到底できないと思いましたから。
やっぱり私がぞっこん惚れた役者さんは、日本一ステキです~~ハート!! 

・そして10年前とおんなじ月を見ながら並んで歩く正太郎と牙二郎。

正太郎もすごくいい人なのに、運命のいたずらで歯車を狂わされたばっかりに殺人犯になって・・・ 
こんなお話になってしまうとは。
猿之助さんは、こういうお役合ってらっしゃいますね。まるで当て書きされたかのようなはまりっぷり。
坂東巳之助さんも、全開の猿之助さんをしっかり受けとめ、純粋な弟分のお役、難しいでしょうによくお勤めでしたよね。

しかしお互いの友情には泣けますが、こういう終わり方でしんみりと終わってしまう新春浅草歌舞伎の昼の部。。。

門之助さんの出番的にはそんなに時間は長くないかもしれませんが、こんなに美味しいお役でラブラブ
こんなに素敵にお勤めでいらっしゃってハート 一途に門之助さんを愛する者としては嬉しいばかりですよキラッ 今も、美しい言い回しをされていた門之助さんのお声が心に残ってますキラッ 
竜雲は、やっぱり門之助さんにぞっこんですハート うまく書けませんけれどねあせる 

それでは、皆さん。おやすみなさ~いラブラブ

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