「芝居四方夜和座」第一回「踊り夜」 | 歌舞伎観劇日記

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歌舞伎にはまっています。
初心者ですが、できる範囲で通いつめています♡
ただのつぶやき感想の観劇記録です。


歌舞伎座ギャラリーの新シリーズ、「芝居四方夜和座」の第一回「踊り夜」に行ってまいりました。


もうすっごーーーい楽しかったです!


すっかりファンになった菊之丞さんと勘十郎さんがお出になると聞いて、すぐさま参加を決意。


会場に着くと、ここでは今まで見たことがなかった所作台が敷き詰められていました。脇には常磐津の演奏の準備が!えええ、そんな本格的なんだ!とびっくり。考えてみればお二人がCDの音で踊るわけがありませんが、舞踊初心者の私には嬉しい驚きでした♡


司会の戸部さんが演目の紹介をしてくださって、式場幕が引かれて素踊りの『戻籠色相肩(もどりかごいろにあいかた)』が始まりました。


うわっ!近い!!というのが第一印象。


禿(中村梅さん)を運んで来た籠の担ぎ手が実は、石川五右衛門(勘十郎さん)と真柴久吉(菊之丞さん)という設定。最初はそれを隠して、お互い廓での話をしたりして、その後名乗りがあってちょっとだけ立ち回りもありました。何度か公演で見たことがあります。


歌舞伎役者がやるように、ちゃんと台詞もあります。毎回新鮮にびっくりしますが(そろそろ慣れてもいいのに)、おふたりとも台詞も立派なんです〜!カッコいい!


まず踊った菊之丞さんが男らしくかっこいい踊りで(すみません、素人丸出しの感想で。。。!!)、間近で見て惚れ惚れしました。途中で遊女になったりして、その対比が面白かった〜。私は菊之丞さんがすっと立っているその立ち姿がとっても好きです。


勘十郎さんの踊りは、ぎゅーっと目を惹きつけられるところがあって、ほんと面白い!指先と表情をつい見てしまいます。表情が豊かで、見ていて飽きないです。


中村梅さんは、先代の芝翫さんのお孫さんだとお友達に教えてもらいました。すらっとした美しい女性で、とっても可愛い禿でした。(それでも私はやっと男性の日本舞踊に慣れて来たばっかりのど素人なので、本物の女性が入ると妙に生々しくてドキドキしてしまいました!)


途中で勘十郎さんと菊之丞さんの二人でひとつの羽織を羽織って、一本の三味線を弾くところがあって、ユーモラスで楽しい〜。お二人とも表情がくるくると変わって。


お互いの正体を名乗るところからはガラッと変わって、緊張感が走ります。見得をするときのお顔も力がみなぎっていて全然違う。二人とも立派な武将と大泥棒の顔になります。担ぎ棒を引っ張ったら中から刀が出て来てびっくり。


(私は何度か見ているはずなのに、こんな場面あったかいな、と新鮮にびっくり!)


最後の見得もかっこよくて盛大に拍手をしてきました!


そうそう。附け打ちさんも入ったんですよ〜!常磐津の方々が入っていらした時には拍手が起こっていたので気づいたのですが、附け打ちさんはいつの間にかいらしていて、舞踊が始めってからかーん!と響いてちょっと飛び上がってしまいました。


所作台をふみ鳴らす足踏みの音も大きく聞こえて大迫力でした。近くだとあんなに響くものなのですねえ。素人だとあんなに綺麗に音が出ないものなんでしょうね。


あーーー、贅沢な素晴らしい機会でした!堪能しました〜♡これから戻駕を見るときには毎回立ち戻ってくる舞踊となりそうです。


10分の休憩の後、まだ汗も引ききらない3人と戸部さんが登場してのトーク。


これがとーーーっても面白かったんです。


勘十郎さんってあんなにざっくばらんで飾らない方なんですね〜!大爆笑を巻き起こしていました。


戻駕の名乗りの場面は、長らく含まれていなかったものを勘十郎さんのお祖父様が復活させたものだそうです。その時の二人の役者さんが今の藤十郎さんと富十郎さんで、小学校低学年の勘十郎さんが禿!


その時のお二人のセリフがずーっと頭に残っているそうで、毎回驚いている舞踊家さんの台詞のうまさもそう聞くと納得です。


あの名乗りの場面がないと、この踊りは「見ていてもつまんないでしょ!」なんて言ってしまって、その正直なコメントに会場では笑いが起きてましたが、私は「舞踊家でもつまんない踊りとか言ってもいいんだー!」ってブンブン頭を振りたかったです!!


その他、戸部さんが面白い質問をしてくださってとっても興味深くって勉強になりました。歌舞伎舞踊ってなに?とか、勘十郎さんと菊之丞さんの舞踊家と振付師と演出家としてのお仕事のことなどなどです。


特に高知の逸青会でお二人で踊った「二人椀久」について、戸部さんが個人的な興味として(爆!)聴いたくださって、そのお話が面白かった〜!その時は尾上流の振りで踊ったそうですが、勘十郎さんが「藤間流は雰囲気を大切にしているが、尾上流は気持ちのつながりが無いと踊れない」とおっしゃっていて、右近さんの自主公演で壱太郎さんと右近さんが踊ったラブラブの二人椀久を思い出してほほぅと面白く感じました。DVDが届いたらまた見なきゃ〜!勘十郎さん、最後に椀久が憐れで涙が出ちゃったそうですよ。


と、勘十郎さんの話を中心にちょっぴりだけ書きましたが、菊之丞さんのお話も楽しくって、もっともっと聞いていたいと思いました。


今度はお二人で四谷怪談を素踊りでなさるそうです。うわ、見たい!と思いましたが、京都の春秋座なんですね。。。行けない。。。残念!東京でもやってくださーーい!


春秋座の案内はこちらから


とても楽しい踊りの夜でした♡また是非お二人の踊りを見たいです。(勘十郎さんのミクちゃんの踊りの素踊りを見たい。。。)


次回はなんだろう〜!楽しみです!!