「雨の日は好き。」
そう呟かれて、なるほどと頷いていた。
いつもの喧騒が、どことなく落ち着いて見えて
窓の外の世界は、灰色にトーンダウン。
急いでばかりだから、ほんの少しだけ腰をおろ
して、しばらくの時間を楽しもうか。
なにをするわけでもなく、往き交う人や車の列
を眺めるだけで、
過ぎてく時間だけが、スローモーション。
心地よさと一緒に。
外は、ちょっと寒いのかな。
雨粒のくっついた窓が、うっすらぼやけてる。
手のひらで、きゅきゅっ。
ことばの代わりに、ハートのなぞり書き。
やがて消えてしまうから、今度は言葉にして。
「あなたといる、雨の日は好き。」
