(6-21)海の思い出
| 海水浴場の松原、欝蒼とした感じの林、松林の向こうに海の姿、寄せてはかえす波、穏やかな海、陽光 |
| がきついのに風が肌に少し冷たい。 |
| 秋風っていうのかな? |
ハイヒールに砂が入ったの。 砂を靴から出すときに手を貸してくださいました。 |
ささえて下さったの。 どきっ |
| だから手に手を重ねるだけで、死にそうに胸が痛むのでしょうか? |
| 大事にしていきたい。 |
女性が好きな男性に手を握られる心理を表現した内容である。 海水浴場の海岸をデートしていた時、ヒールに砂が入っった。 当然男性が砂を出すために、女性の手を支えるという自然な行為を強い印象としてと書いていた。 |
女性を好きになると本能的に体に触れてみたいという気持ちは男性なら常に思う。 恋人が困っているのをみたら合法的に手を握るチャンスである。 僕はパブロフの犬のように反射的に手を差し出した。 |
初めて触れた感触は可愛くて柔らかな手だった。 ラッキーと思った瞬間、まるで怯えている兎のように指先が震えだした。 その異常とも思える震えは、男性に手を握られるのを嫌っている無言の意志と判断して砂を出し終える やいなや手を離した。 |
次に彼女は腕を曲げ、胸の前で触れていた手をもう片方の手でゆっくりと包み込み、頬を少しピンク色に して俯いた。 |
初めて男性に手を握られたので、恥ずかしかったのだろうと思ったが、一分間近くも黙って俯いているの を見て、徐々に心配になってきた。 |
おいおい!ちょっと長すぎる。 何が起きたんや! |
| 親切心から手に触れたことで、精神的なダメージを与えたかもしれない。 |
| ごめんね、もう二度としないと申し訳ないという気持ちになった。 |
これからはアクシデントで手に触れる場合も事前に了解を得ることを胸に刻んだ。
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| なんて繊細な女性だ。 |
| もしかしたら結婚するまで手も握ることもできない関係になるのか? |
当然キスはだめだろう。 間違いない。 |
ちょっと手に触れただけでこの反応、偶然手がお尻に触れたらどうなるだろう。 弁解する時間も与えられずに平手打ち、そしてジ・エンド! |
うー、悲しい。 悲しすぎる。 |
このガラス細工のような感性の女性とこれからどう付き合っていたらいいのか、答えが見つからない。 難しい。 |
| 僕のそんな心配をよそに、日記は違っていた。 |
恥ずかしさだけではなかった。 好きな人に手を握られた喜びが、胸の高鳴りとなり、それが指に伝わり、手の温もりが余韻として長く残 っていたと読める。 |
| まるで幸福感に満ち溢れた文面になっていた。 |
| えっ、つまり精神的なショックは日記のどこにも書いていない。 |
| 今更遅いが、ムカッとした。 | |||||
| 「お前なあ、そんな紛らわしい真似をするな!一分間も俯いている姿を見て、どれだけ心を痛めたか、わ | |||||
| かっとるのか!」と声を大にして言いたい。 | |||||
| あまり男性には理解できない心理、好きな人だけにしか手を握らせない。 | |||||
| 好きな人に手を握られることは恥ずかしくもあり喜びでもあるという、デリケートな乙女心をこの日記で知った。 | |||||
彼女の手に触れたのは僅か2回しかなかった。 こんなことなら、つき合っている時にもっと手を握っていたらと後悔した。 |
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名言:どうしてもどうしてもさわりたくて、気が狂うほど、もういてもたってもいられなくて、彼女の手に触れ
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