(6-10)お母さんとの会話
約束の日がきた。
お母さんに二人しか知らないエピソードを聞いて欲しいという理由から、最初に会った時の印象から話を 始めた。 |
彼女との出会いは十数年前で、1ヶ月だけアルバイト先で共に仕事をした。 初めて出会った瞬間に、恋に落ちた。 まさに彼女は一万人に一人の女性だった。 |
僕の想像上の話ではあるが、平均よりはるかに高いレベルの美人にとってその美貌が時には災いをもた らすことがある。 それは普通の真面目な男性から声がかからないことである。 |
その女性がテレビや映画でしか見ることのできない、つまり日常生活の中では一年に一回ぐらいしか見 ることのできない美人は、「自分とは不釣合いだ、こんなステキな女性は既に付き合っている男性がいる はずだ、声をかけても100%断られてばつの悪い体験をするに違いない」と、勝手に解釈され真面目な 男性は美人を敬遠する傾向がある。 |
逆に声をかけてくるのは、あまり真面目でない男性や酔っ払った中年の男性から軽いノリで声をかけられ る機会が多い為、声をかけてくる男性には神経質になる。 |
| この男性運の悪い女性たちは何時かは真面目で、心から愛してくれる理想の男性が現れると、平凡な女 |
| 性以上に 強く願うようになる。 |
| つまりハイレベルの美人に生まれた女性達は僕たちが想像するほど恋愛経験に恵まれていないという結 |
| 論になる。 |
普通の真面目な男性諸君、可能性は高くないかもしれませんが、滅多にに見ることの出来ない美人がい たら是非勇気を出してアプローチして下さい。 真面目な男性からの真摯な態度に彼女たちは飢えているので、あなたの真心が届いたら、生涯忘れられ ない恋を経験するでしょう。 |
短い時間だが話をした。 優しくて思いやりがあり、且つ頭の回転が速かった。 |
底なしの穴のような恋に落ちた。 彼女に出会うためにこの世に生を受けた。 そんな女性に思えた。 それなのに声をかけることは出来なかった。 |
一年後、偶然の出会いをした。 僕の誘いに、何とOKの返事を貰った。 |
そして付き合い始めて僅か半年で別れた。 それから十数年の年月が経ち一本のドラマから彼女についての記憶が猛烈に甦った。 10ヶ月後消息を調べた。 やっとわかったら死んでいた。 実家へ訪問してお父さんに会った。 その後付き合っていた当時の日記を郵送してくれた。 そして今、お母さんと会って話をしている。 二時間ほどして話は終わった。
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| 別れの時にお母さんから言われた。 |
「早く結婚しなさい。結婚はいいものですよ。一年中喧嘩ばっかりをしていても、この人と結婚して良かっ たと思うことが時々ありますから」、話を続けた。 |
「ただ娘が結婚した最初の男性も再婚した二人目の男性も別れてから未だに再婚もせずに、まだ独身な のが不思議だけど・・・」 「無理もありません、2人の男性はお嬢さんを失った心の傷を死ぬまで修復することは不可能でしょう。可 |
| 哀想ですが、一万人に一人の魅力的な女性を妻にしたのですから・・・」と心の中で呟いた。 |
話をしていてもまるで現実ではないような感覚になったが、お母さんとの話のやりとりから恋の物語に筆 を加えるステキな宝物を貰った。 本当に映画か小説の世界だった。 |
次回は(6-11)初めての手紙です。お楽しみに
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