徳村慎
魔法使いガルムスがみぃなちゃんと焚き火にあたっている。
岩のゲハニタスクが叫ぶ。
「コラ! ガルムス! みぃなちゃんを離せ!」
魔法使いガルムスは、岩の叫び声に驚く。
「お前は、ゲハニタスク!、、、死体から生き返った岩はお前のことだな!」
ネコロビには、みぃなちゃんの衣服が少し乱れているように見えた。
もしかして、、、?
ガルムスは、やはり、みぃなちゃんに大人の関係を迫ったんじゃないのか?
ネコロビはキレた。
「ああああああ!」
魔法使いガルムスを殴りつける。
ツチコロビもやって来て、ガルムスを殴る。
その時だった。
みぃなちゃんを連れて岩のゲハニタスクが去っていったのは。「さいなら〜。みぃなちゃんは、もらったぜ」なんて言いながら、遠くに逃げていく。
ネコロビはショックでぶっ倒れた。
そして夢のような世界に入っていく。
ネコロビの体から魂みたいなのが抜けて、体であるネコロビが追いかけていくのだ。
でも、追いかけても追いかけても、追いつかない。
それどころか、次々に魂は抜けていく。
ということは、魂は1つじゃないんだな。
宇宙まで行ったり、別の街に行ったり、遊園地で遊んだりした。
いつのまにか年を越していた。
2021年になっていたのだ。
いや、それは夢の中での出来事だ。
実際には年を越したわけじゃないのだ。
なんで恋人と別れなきゃならないんだろう?
何が悪かったのだろう?
volca sample2を買いたいと思ってたのが悪かったのか?
恋人と結婚しないならvolca sample2は買えるじゃないか。やったね。
1つ悪いことがあると、1つ良いことがある。
人生そんなもんだ。正負の法則って言うらしい。
恋人は恋人で僕から自由になれるんだ。
お互い良かったじゃないか。。。。
2021年の1月2日には完全に別れてしまうなんて。誰が予測できた?
まあ、予測はしていたのかもしれないが。
ネコロビは僕だ。僕はネコロビだ。そして僕とネコロビは同一人物であり別の人物でもあるのだ。
今朝見た夢は、学生になって学校に戻るために走っているような内容だった。長距離を走っていた。マラソンのような夢だった。
ネコロビは、ガルムスと仲良くなった。
少年ネコロビと魔法使いガルムスとツチコロビは、みぃなちゃんを求めて岩のゲハニタスクを追いかけるのだった。。。
Garmus does not die.(ガルムスは死なない。)
ネコロビは死んだ。
アーサー王の死だな。
高層ビルの立ち並ぶ大都会で、僕は猫に転生したネコロビを見た。
ついてきにゃ。
こっちだにゃ。
猫は歩いて行く。
いくつもの横断歩道を渡る。
そして、とある古ぼけたビルに入って行く。。。
僕は追いかける。
猫は水槽の前で立ち止まり、手を舐(な)めた。
水槽にはみぃなちゃんが入っていた。
酸素吸入器を付けた裸のみぃなちゃん。
そして、その水槽の中には地球が浮かんでいた。
岩のゲハニタスクが死んだのもその地球でのことだ。
件(くだん)という妖怪について、思い出したのも、ゲハニタスクが死んだからだ。
いや、岩は死んで人間に生まれ変わって、心臓の悪い子供として生きて死にかけて。ようやく高卒で入った観光ホテルで長い月日が流れて課長になって。
それから、退職して、オ○ニーと競馬のゲームしか興味が無くて。そして人間としての人生も終わって。。。
ハエが彼の死体にたかって卵を生みつけて。
魔法使いガルムスは、彼らのことを小説に書き上げる。そしてその原稿を古民家で発見して、僕が、アメーバブログにアップしてるのだ。
それは誰にも読まれないのだろうか?
それとも僕自身が読み返すのだろうか?
おやおや、じゃあ、読み返している君は、未来の僕じゃないか。
昼寝でもするか。それは、もったいない気もするなぁ。。。
猫がやってきた。
この猫がネコロビなのか、どうなのか、僕は知らない。けれど、ガルムスは、この猫がネコロビなのだ、というメモを原稿に挟んでいたのだ。
黒猫のネコロビ。
おいで。
黒猫はいつのまにかパンダのぬいぐるみになっていた。。。
(了)
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最後まで、読んでいただきまして、、、
ありがとうございます😊😃😆