詩『過去』詩『過去』徳村慎暗闇の中で目が覚めて軍靴(ぐんか)のような心臓の音に悪い夢だったのだと思い返す上司にいじめられた過去大学を中退した過去彼女を奪われた過去いろんな過去が押し寄せてこんな世界から消えてしまいたくなる過去が透明な青い化石になって宇宙探検の時代のビーグル号が発掘する頃には美しく輝いて見えるのだろう僕の過去はまだ時々生き血を滴(したた)らせている君の過去はどうだろう?