徳村慎
出てこいお前ら怖ないぞ
金切り声で
叫んだ叫んだ
子供が一人
笑う子供がもう一人
夜の8時半にもなって
叫ぶ子供が出歩いている
なんの苦しみがあるのだろう
なんの痛みがあるのだろう
普通じゃないことは
わかるけど
親は悲しんでいるのかな
アーティストなら
天才と
呼ばれるかもしれないけれど
ただの子供なら
異常だと
言われるだけの
存在か
なんの苦しみがあるのだろう
なんの痛みがあるのだろう
今日も世界には
当たり前に
救われない誰かがいて
世界のあちこちで
叫んでいるのだろうか
大人は子供が思うより
はるかに無力な存在で
大きくなった子供なのだ
僕を、彼を、誰かを
もっと許してあげようよ
夜は不安に満ちていて
叫ぶ心が芽生えてくる
おやすみなさい人間よ
おやすみなさい地球の子供