徳村慎
2019.7.19.
又吉直樹『火花』1/6。
うーむ。面白い。芸人は、こういうことを考えるんだろうな、という面白さ。頭の中を覗くような面白さ。
新しいことを批評するのは老人のやることで、批評は漫才師に必要無い、とか。
平凡、非凡アピール、技術アピール、バランス。
これは、面白い。
那智黒石も、そんなものだ。
平凡な彫刻、非凡アピールの彫刻、技術アピールの彫刻、非凡と技術の両方のバランスが取れてるだけの彫刻。
漫才師と那智黒石に通じる部分があるなんて、不思議だ。
そして、平凡であるがゆえに非凡になってしまった、ような。結局、父の彫刻を超えることは非常に難しいのかも知れない。いや、超えるというのとは、少し違うのかなぁ?
批評は、しない方が良いのか。
批評をするのは老人。。。
じゃあ、僕は老人なのか。。。
ってか、図書館読書日記は、別の人生を生きるのと、、、僕の思考や思想について語る場なので、小説を批評しているわけではない。
……と思う。(笑)
『火花』を読んで、私小説みたいなものを読んだり……出来れば書いてみたいと思ってしまった。しかし、書けないよなぁ。。。
だいたい、那智黒石の私小説なんて、読みたい人が居ないよなぁ。。。居たとしても、書けないけど。
コミックエッセイも憧れる……漫画が描けないけど。ネタも無い。。。
*
ネットで私小説についていろいろ調べる。
中上健次、西村賢太、坂口安吾、、、詩の谷川俊太郎。私小説の書き方について調べていたら詩の書き方が関連して出て来た。図書館でまた探してみたい。
2019.7.20.
ほとんど本を読まなかった。
読書でなくてテレビで映画『万引き家族』を観た。
疑似家族が崩壊する、という映画のように思えた。そして、疑似家族の方が本当の家族になっていたような感じなのだ。
僕の家族は、内容が合わない様子だった。僕は2時間半を楽しめた。ただ、結末はあれで良かったのかなぁ?……よく分からない。
カンヌの最高の賞を受賞しているらしいのだが。
うーん。良いんだよ。良い映画だと思うんだよ。でも、なんというか、うーん。
2019.7.21.
『火花』3/7。
先輩芸人のお金で呑む主人公。その先輩芸人は、彼女のような存在からお金を借りたり、消費者金融からお金を借りている。。。
僕だって家族におごってもらって呑んでいる。家呑みだけど。
芸人のことを小説にするのは、なんだか売れない小説家や芸術家を描く太宰治の文学のようだ。『火花』は太宰文学のような伝統があり、それでいて、お笑い芸人という新しい仕事を語っているのだ。
妙にリアルなところは、私小説じゃないのか?……と思わせるが。
2019.7.22.
アニメ『弱虫ペダル』の「ヒメなのだ」を観る。
小野田(主人公)が田所(先輩。スプリンター)を引っ張って歌いながらどんどん追いついて行く。集団まで戻った。
それを知ってニヤッと笑う総北のメンバー(金城、鳴子、今泉、巻島)。。。
王者箱学と京都伏見が、先頭を走って行き、スプリント勝負。箱学の新海と京伏のキモッと喋る御堂筋。箱根の直線鬼新海がついに前に出た。
ウサギを轢き殺した過去を乗り越える。
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『火花』1/2
蠅川柳は、確かに面白い。なんでだろう?
そこに上手さがある。
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『火花』2/3
負けても負けではない。それが世間的には恐怖になり、排除する対象となり、嘲笑の的となる。
ありがちなことかも知れない。
最初から勝ち負けの方向性が違う人は、恐怖なのだろうか?……ひょっとして僕も、誰かの恐怖の対象なのか、と考えたが、誰の目にもつかない場所にいる僕は、嘲笑すら与えられない人間なのかも知れない。
負けても負けではない。『年収90万円で東京ハッピーライフ』が頭に浮かぶ。もはや勝負にならないのだ。幸せの度合いから言えば、幸せ過ぎるほどの幸せを年収90万円でも実現出来ると世間が知ったら、恐怖を感じて排除しようとして、嘲笑の的にして、片付けたくなるかも知れない。
それを言ってしまうと、今日なんか、午前中は工房のソファで眠ったもんなぁ。仮眠を取って。罪悪感もあったけど、眠るのは気持ち良かった。『火花』を工房では1ページも読まなかった。読みたい時に読む、という贅沢。運命的な順番というものがあるのだと思う。『弱虫ペダル』をある程度観てから、読むことに運命的な意味があるのだろう。
運命的なもの。それを考えるなら、3:30頃に目が覚めて夢日記を書いたりして、トイレに行ったり扇風機をつけたりして。少しだけYouTubeで音楽聴いてみたけど、心に響かなくて。また眠って6:00頃薄っすらと目覚めて、また8:00まで寝て。そういう眠りの浅さが工房での仮眠につながっているのかも。
だとしたら、前の日とかそのまた前の日とか、ずっとつながっているんじゃないかなぁ?……運命的なものって。
『火花』は低収入なのを否定的にとらえている。『年収90万円で東京ハッピーライフ』のような底抜けの明るさが無い。それは、師匠と呼んでいる先輩の借金が膨らんでいく暗さなのだ。酒を飲むのが、否定的にとらえられている、というか。
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『火花』読了。
うーん。まあ、うん。
師匠が巨乳になっている。男が巨乳なら面白い、という発想なのだが、セクシャルマイノリティーとかジェンダーとかそういう問題があるのだとすすり泣きながら説明する主人公。(笑)
根っからの漫才師かぁ。
僕は、もう根っからの芸術家ではない気がしてきた。中途半端に彫刻を作り、工芸品を作り、父を超えられず。Amebaブログには、全く才能の無い文章を書いていたりする。
でも、それ以外がやれるか?……という点で、僕は芸術家なのか?
この生き方以外に出来ないという不器用な僕は、不器用な芸術家として生きて行くのかも知れない。誰にも認められないショボい芸術家。
ショボいというのは、最高なことなのかも知れない。不器用な方が良いのかも知れない。
不器用な方が幸せに生きられる気がする。
じゃあ、僕は根っからのショボい芸術家なのかも知れない。(笑)
2019.7.23.
『釣りキチ三平』フライフィッシング編Ⅱ。1/18。
フライを使った実践教室。魚紳さんが丁寧に教えている。スラックライン。
自然の中で釣りを楽しむのは、うらやましい。
三平と一体となるところまでいかないけど、面白いと思う。
一体感は小説と漫画とアニメと実写映画では違う。
小説が本当の一体感だとすれば、漫画は主人公が少し離れている。又吉直樹『火花』は、一体感は無かったなぁ。。。
アニメは、声優さんと音楽で盛り上げるので泣いてしまうことが多い。アニメ『弱虫ペダル』の「ヒメなのだ」は良かった。田所が小野田と一緒に歌いながら次々に前に居る選手を抜かしていく。
実写映画は、『万引き家族』を思い返してみると、情報量が多い気がする。。。映像の情報量が多いという点では漫画と変わらないかも知れないが、やはり映像は、流れるものだから、違うと言える。
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-2につづく。
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