小説『オレ、トマト』10 | まことアート・夢日記

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夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

小説『オレ、トマト』10
徳村慎


オレたちは舟に乗って川を下っている。
舟にカラスが飛んで来て秋刀魚をつつく。

秋刀魚が言う。
「コラ、つつくんじゃないっ!
コラッ、コラッ!」

トマトが言う。
「うわー。カラスがつついてるよー。前世はよほど悪いことしたんだろーねー」

秋刀魚が言う。
「バッカ野郎!
わいの前世は聖人君子に決まっとるやろ!
釈迦かキリストの生まれ変わりやぞ!」

トマトが言う。
「どこがよ?
お前のどこが聖人君子なんだよ?」

秋刀魚が言う。
「わいのチ○コのデカさが物語っとるやろがー」

トマト無言。

しばし沈黙する舟の上。

トマトが言う。
「カラス、もっと、つついちゃいなさい!
デカいポコチ○も、ついでに!」

カラスが言う。
「腐りかけの秋刀魚は美味いんだカー」

秋刀魚が言う。
「だっ誰が腐りかけか?
活きがいいじゃん?」

トマトが言う。
「だって冷凍室に入ってたんだもんなぁ」

氷の美少女が言う。
「さっき下ネタ言ってませんでした?」

トマトが言う。
「いえ。あれは、違うんです。彼はその部分しか自慢するところが無いんです」

秋刀魚が手をかばいながら言う。
「いっぱいあるわ!
……いててて。そんなにつつかないで」

カラスが言う。
「他に自慢するところは?
骨が見えてるところだカー?」

秋刀魚が手を振り回しながら言う。
「ああっ。わい、骨が見えとる!
もう、つつくなって!」



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