小説『オレ、トマト』1
徳村慎
オレ、トマト。冷蔵庫の中で冷やされてる。オレの姉は昨日、牛乳味噌汁という名前の創作料理に変わった。
この家には人間の母親と次男の2人で暮らしていて、どーにかこーにか、やっていってるみたいだ。
人間の次男はトマトの姉を切り刻み、出汁の中に入れた。出汁は昆布と椎茸と鰹節だ。人間の母親が化学調味料を嫌うので、身についたことだ。別に料理がうまいわけじゃない。
姉のトマトの他には冷蔵庫村で仲良く暮らしていた、ほうれん草やネギや大根や人参を入れたという。そこに牛乳と味噌と醤油を加えて出来上がったスープを次男は「やっぱ自分で作ったもんは美味く感じるね」などと言ってペロリとたいらげた。母親も「人に作ってもらったもんは美味しいわぁ」とペロリだ。
明日は我が身。トマトの人生を終えるのだと思う。あんな親子に食べられるぐらいなら、もっと可愛い女子に食べられたいもんだぜ。ペロリとな。
最後まで
読んでいただきまして、
ありがとうございます。
ヽ(≧▽≦)ノ
実話に基づく始まり方です。どう完結するかは分かりません。果たして、完結するのでしょうか?……分かりません。(笑)