自作音楽『Keybords』2017.12.8.
徳村慎
『Keybords』という自作音楽を聴きながら、ヴィジョンを見る。
1.オルガン
雲間。天から降り注ぐ光。
天使が現れる。おごそかな雰囲気。
荒れた海面。天使が2人で舞い踊る。
くるくる回る。そしてラッパを片手に持っている。いつの間にか夜。星空が見える。
鬼の形をした島に流れ込む海流。
舟。
海流を真上から見た地図のような風景。
涙を流す横顔。
黒い太陽。
赤い国旗が風に揺れる。
風が光り輝く。
黄金の稲穂。
海の底。沈む女性が1人。
ずっと沈んでたどり着く岩盤。
女性の髪の中にカニが棲みつく。
女性の肉はボロボロになり海中に溶ける。骨が見える。魚たちのすみかになる。
光が海底に届く。光はオーロラのように揺れる。
海の上を海鳥が飛ぶ。たぶんカモメだろう。大勢のカモメ。貝殻が海面に浮かぶ。貝殻は島になる。
島の線路。SLが蒸気を上げながら走る。島と島をつなぐ線路の橋。
雲が晴れていく。青空が見える。雲は消えて青空だけ。快晴。鳥が飛ぶ。
金平糖が空に浮かぶ。大きな金平糖なのか、自分が小さくなったのか。
鳥の横顔。大きなくちばし。ケンと鳴く。看板を通り過ぎると砂漠のような道。青空と砂漠。車で走る。
アメリカの飲み屋。砂漠にある店。ビリヤードやジュークボックス。荒くれ者の集う店。
これらは、映画のワンシーンなのだ、と僕にオリジナリティが無いと責める国語教師K。
学校の職員室から離れていく。涙を拭う僕。日当たりのいい廊下を進むと天空の城のような美しさがあると感じる。
2.ピアノ
天空の城(学校や図書館)は、夕陽を浴びている。僕は彼女と歩いている。楽しそう。充実感に満ちた自分。
フワフワした雲へと窓から飛び出す僕。
雲の上を歩いていく。もう1つの僕は落ちて死んでいるようだ。
学校が地上に立っている。学校の中心が巨大な塔になっていて、雲の上に突き抜けている。
走って登っていく彼女。
彼女は何人もが重なって出来た人間。犬を連れている。犬が立ち上がって人になる。
階段で待っていた僕と彼女が再会する。
楽器アプリをスマホにダウンロードしようと思う。
夜の世界になる。雨が降ってきた。
僕は孤独で、座り込む。屋上から飛びたいような孤独。死にたいような孤独。何をやっているんだ、と思う。それでも、僕は、向こうの世界に行けない。まだ生きている。
僕は立ち上がったり座ったりする。
星空へと飛ぶ。
翼が生えている。透明な翼。
夜を飛び続ける。暗闇。
街の明かりが血管のように浮かぶ夜。
天地は常に逆転して回転する。地上とは反対側にももう1つの地上がある。
川が流れている。僕は川の中に飛び込む。川の世界は深くて空のようだ。夜の空は昼に変わる。
川の底の世界にたどり着く。水は空となる。川の底に僕は小さくなる。微生物のように小さくなって泥の中に入る。
赤や青の石ころの間を通り抜ける。巨大な川魚がギロリとにらむ。僕は逃げる。
雲の上に天空の城。
天空の城に滝が落ちている。あまりにも長い滝だから空中で霧になって消えていく。
3.アナログシンセ
点滅する機械のランプ。
海底で光る潜水ロボット。
ロボットたちは天空に浮かぶ。
天空に巨大な船。
サーチライト。雲を照らす。
巨大な船は次々に現れる。何十、何百の数だろうか?
雲が流れる。
農夫が空を見上げる。
ロボットが落下する。
ロボットは地上を破壊しはじめる。
炎に包まれる平原。
小さな飛行機がやって来て何かを落としていく。
蜘蛛のようなロボットで、地上を破壊したロボットを破壊する。
機械と機械の戦争。人間は高みの見物。
飛行機のプロペラが止まる。
色んな形の飛行機が飛ぶ。
雲の上。
無線のチューニングを合わせる男。
大きな機械式のハンマーが石うすに振り下ろされる。小麦を粉にしているらしい。
大きな農作業の機械。完全自動運転の機械だ。広大な農地を耕す。
ドローンが農薬散布をする。
風車が電力供給する。人間の姿は無い。
機械の時代がおとずれた。
人間の代わりになる人間そっくりのロボットを生み出す機械。機械同士が会話する。そしてロボットが暮らす街。風力発電の街。犯罪も事故も起きない平和な街。ロボットだけの街。
ロボットが暮らす中でペットとして人間が飼われている。
ロボットは部品を交換すれば永久的に生きられる。
4.FMベル
天上の音楽。天使が1人爪弾くレーザーハープ。
夜の空。雲の上。月に座って弾き続ける。月は、表情を変える。
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4曲目の途中でヴィジョンを見るのをやめる。
オルガンは自然界をあらわすような気がする。
ピアノは学校のような図書館のような天空の城。
アナログシンセは農作業のロボット。
FMベルは天使の演奏。
前回のヴィジョンでは、オルガンは海底だった。今回は、海底もあるが、様々な自然をあらわしていた。
全体を見ると雲のイメージが色濃い。
『Keybords』は、かなり瞑想の音楽になっていて、満足だ。これからも様々なヴィジョンを見たいと思う。
眠って見る夢のようでもあり、ヴィジョンは不思議な感覚になる。