那智黒石日記2017.3.27. | まことアート・夢日記

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まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。


那智黒石日記2017.3.27.
徳村慎


読書は自分の世界を広げてくれる。

『鉄鼠の檻』を読んで、半端な禅の知識の本よりよほど深いと感心する。

『嫌われる勇気』を読む。アドラー心理学の本。ものすごく感心した。今まで出会った本の中で一番すごいと思う。けれど、この本を本屋で読んだ時は何も感じず買わなかった。出会うタイミングも必要なのだと思う。素直に理解出来るだけの冷静になれる経験を積んだということか。

ただ、これら2冊を読んだことで以前読んだ『正法眼蔵入門』の解釈も違ってきた。以前は生命感(エロス)を悟りと考えていた。それが拡大されてきたのだ。

アドラー心理学の共同体感覚の共同体とは、家庭や学校、職場、地域社会だけでなく、たとえば国家や人類などを包括したすべてであり、時間軸においては過去から未来までも含まれるし、さらには動植物や無生物までも含まれる、としている。共同体感覚こそが悟りに近いのだと思う。

この読書を通じてか、日曜美術館でやっていた異形の美についてのことなどが自分の中で結びついた。

で、那智黒石で円空仏のような仏を彫ってみた。散歩もして海辺で三線(さんしん)を弾いてみた。

音楽日記を書かなくなると「音楽はどうでも良いか」と少し思うようになったが、いや、音楽も楽しくやろう、とも思い直す。三線を弾くことが、ひょっとしたら那智黒石を彫ることにつながるかも知れない。たぶん思想の上で。共同体感覚は海辺の御浜小石や海の波の音や風の音との一体感とも関係あると思う。

石の中の声はまだ聞こえないが、いずれ聞きたいと思っている。

写真は硯(すずり)を彫っているところ。僕は今年で39歳になるのだが、父に硯の作り方を教わっている。旋盤の使い方から鑿(のみ)の使い方まで。新しいことだらけだ。少し教わるのが遅かった気もするが、でも良いタイミングだと思う。若い頃は自分が一番だと錯覚していて、そういう気持ちも大切だが、この歳になると祖父や父や先人たちの偉大さが分かる。新しい一歩に挑戦することが素直に出来る時だ。

酉(とり)年なので羽ばたけているのかも知れない。(笑)