感想
古谷実『僕といっしょ』このマンガはとても好きだ。家出の中学生が泊めてもらう床屋を見つけて暮らすが最後に床屋が経済的に苦しくなりまた家出して。ま、結局、床屋に戻るっぽいんだけどね。そんな中学生が主人公のギャグマンガ。
なんで好きなのかなぁ?
たぶん共鳴すんのかね~。自分も旅をしている途中だと思うのかもね。もう37歳の自分がまだマンガの中学生と同じ状態なのかも知れない。
何故漂流するのか。これ『十五少年漂流記』と同じなんだよ。たぶん。現代(ちょっと昔のポケベルのある時代なんだけど)に置き換えたサバイバルだな、と。
特に好きな話は「チップ」っていう題。バッティングセンターで一度も球に当たったことの無い主人公。「明日、一球も当たらなかったら、野球やめよう」って決意した次の日にチップして。「コレでいいっしょ!?当たったっしょ!!」っていうやつ。笑いながらもそれが一番大切だといつも思う。僕が那智黒石でプロとして作品を作る時に、やっぱり悩むこともあるんだけど、チップを当たりだと、小さな幸せを噛みしめるっていう姿勢が大事だと思う。それが積み重なってプロでもいいじゃん、と思う。(笑)……逆にそば屋の女の子は野球に対してシビアに考えすぎだと思う。才能がない、と自分から見切りをつける。主人公よりもはるかに上手い野球をするのにもかかわらず。これが結局、プロとアマの差だったりする。続けられるか、どうか?……という差だけの世界だと思う。
だから何かのプロになりたい皆んなには絶対あきらめて欲しくない。チップ(バットに球がかすること)も当たりなんだ。……と偉そうには言えないんだけどね。(笑)
徳村慎
