小説『怪奇と夢の日記』2016.6.29.
徳村慎
1.曇天の巨大な手
曇天が広がり向こうまで続いている。建物の間に巨大な手が見えた。地震などの災害を起こす魔の手だろうか?……それとも僕だけを狙う何かなのか。
仏陀を狙った悪魔はどんな誘惑をしたんだったろうか?
宝石に女に食べ物に色んな誘惑があっただろう。そうであれば芸術だって快楽の誘惑ではないか。魔の手が僕だけを狙った動きなのかどうかは分からないが。
2.高校生の夢
高校生になって後ろの席の2人の女子に声をかけられる。1人は浅○○に似る。僕はタグを付けたままの服を着ていたので注意される。1時間目は音楽だが図書館での授業。他クラスの男子はゲームブックのコーナーにいる。「この方法1000回ぐらい試せんかな?」などと賭けの実証をはじめる。
3.記憶
記憶は思い出したり忘れたりを繰り返す。「気に入っとったんやで」と言われた気がする。思い出したのか妄想に近いものなのかは分からない。
ただ彼女と同時期に付き合った女を裸にしてお湯のかわりにゴギブリをみたした浴槽に沈めたことだけは思い出した。全身噛まれたあとだらけになっていた。
4.眠気
眠気の中で小さな女の子を見てる。僕をにらむ。にらんでから笑う。お兄ちゃんいつ来るの?……と言うから、まだ行かない、と答える。まだ死ねないのだ。Kが生きとっても死んどっても同じやん?……と言ったのを思い出す。小さな女の子は、また笑う。3DS買ってくれたら何してもええよ。僕は体を重ねることを想像した。眠気の波はゆらりと揺れる。お前は地獄にいるのか。ズルリ。僕の体をひっぱる女の子。地獄が近づく。
5.学校と修学旅行の夢
学校でトイレを探していると、Ar君が英語で話している。あまり勉強の出来なかった印象だが、彼も30代後半になっているのだから英語を勉強しているかもしれないとも思う。いつの間にかH君たちと修学旅行に行っていて映画『アナと雪の女王』が無料でやっていた。「見たかったやつやん」「無料やったら儲からへんやん」「通信料と同じやろ」などと会話する。
6.本の夢
椎名誠の本を甥っ子に貸すか考える。椎名誠の本の中身にアウトドアへの興味が感じられる。それを貸すかどうかは人間同士の距離感だ。教室へと移動した気がする。前の夢につながった気もする。
7.ノートと死
死んだ人についてノートに書き連ねている。別にノートに書く時点で死んでいるのだから不思議でもなんでもない。そこに僕の名前を書こうかな?……だって死んでいるから。
8.木魚の夢
デジタル+アコースティック木魚が有名楽器メーカーから出るんじゃないか?……という夢を見た。その日、兄が良いアイデアを出した。新しくユニークで清らかなアイデア。魔を祓うのには木魚が必要だったということか。
9.海岸と宇宙の夢
海岸でouter space puzzle's pieceという言葉が浮かぶ。海岸がパズルのひとつのピースに過ぎない。地球は宇宙の一部だ。自分も地球の一部なんだ。そういう夢だった。完全に魔を祓う神秘的な夢だった。
(おそらく続く)
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