『脱獄の果て、森の奥』1ピピピピ。電子音の雨だれ。愛の谷の柔らかな泉を飲んでいる。甘い吐息。高まるのは自分なのか、それともチップの熱なのか。クラウド化された脳が引き起こす感覚なのかも知れない。左手は変だ。彼女の乳房の柔らかさを感じていても、思い通りには動かない。また電子音の雨だれが耳を襲う。…耳?この響きが脳の外なのか、内なのか、誰が判断出来るというのか?何度も体位を変えて白い眠りについた。…そしてオレは電子音によって目覚める。ああ夢だったんだ、と。iPhoneから送信