音楽室の向かいの建物からシンセベースの音が聞こえる。
「あれ、どこで演奏しやるんやろ？」
「行って、たしかめてみよれ」
桜と香織は急いだ。
どうやら美術準備室の前の廊下らしい。見てみるとミニ鍵盤のキーボードだった。
「何あの小さい鍵盤…でも音はええよね」
「桜ちゃん知らんの？アレmicroKORGっていうシンセやで。しかも電池駆動出来るんやで」
「じゃあ、野外でもセッション出来るやんか。仲間に入れなアカンね」
弾いている女子はアルペジエーターで音を奏でながら、フィルターをいじりまくっていた。
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