『死体、ナイフ、菌類の花』1 | まことアート・夢日記

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まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

(**蠅の一生を物語にしました。…と書いておく。結構グロいです。)


世の中の糞を全て出した場所を知っているか?


或いは出し込んだ事があるだろうか?


転がる死体から粘り気の有る、腐りかけた肉を剥いでいく楽しみ。
悪臭の中で其の中に飛び込めばカモの類いと呻きながらも、俺は、死物で出来た寝床から一歩も動けずに外に出ようともがいている所さ。


何故、俺がこんな所に居るって?知るかよ。おそらく俺は蝿の生みつけた卵から生まれたんだろう。何だかどうでも良くなってきたな。こうして話してみても、君という人物は居ない可能性が大なんだ。飛行機が頭上で飛んでいく音がする。何故か巨大な昆虫の様にも思えてくる。どさりと壁は崩れて、手が俺の肩に引っ掛かる。俺は何故、死体だらけの場所を出られないのか?壁は死体で出来ていて、本当に分厚いのさ。俺は外に出る為に、死体を食べ続けなけりゃならない。なるべく新鮮なものを選ぶ。そうじゃないと、俺も其の死体と変わらなくなる。


2日前だったろうか君の声が頭上から聞こえた。幻覚かも知れないし、そうじゃないかも知れない。俺の糞尿はその辺に垂れ流しさ。時々自分の糞に足を突っ込むんだ。もう大分掘り進んだ。後ろは見ない。きっと死体が崩れて来て、あの部屋は無くなっているだろうから。


酸欠気味でどうにも息苦しい。不思議なもんだが、俺はちゃんと生きてる。空気なんてものは死体だけの部屋にも有るらしい。時々、暗闇なのに人肉が赤く光って、血と汚物まみれの部屋が見える事が有る。何故だかは分からない。臭いで気がふれたのかも知れないな。地上へ出ようとしている。其れが有るとしての話だが。道具はナイフ一本。肉に突き刺し、抉(えぐ)って食う事がどれだけ重労働か知っているか?今じゃ夢と現実の区別は無い。夢の中でもナイフを肉に突き立てている。本当の現実はどっちか?其れはどうでも良いのだ。同じ事しかやっていないんだから。